モラハラを受けていてもなかなか離婚に踏み出せないのには様々な理由があります。
1.経済的に困窮する可能性があるため
専業主婦の場合は、離婚後に仕事を探さなくてはなりません。
すぐに仕事が見つかる保証もありませんし、幼い子どもを抱えている場合、条件のいい仕事が見つかったところで向こうから断られてしまう確率もかなり高いです。専業主婦歴が長い場合も、離婚後に正社員で働くことはかなり難しいのが現実です。
そうなると、パートや派遣で日々の生活費を稼ぎつつ、子どもがいる場合は国からの援助に頼らざるを得ません。
離婚後の生活難が想定される場合はなかなか離婚に踏み切ることができません。
2.子どもがいるため
3組に1組が離婚をすると言われている今でも、シングルマザーやシングルファザーへの風当たりは強いです。
父親や母親がいないばっかりに、子どもが学校などで差別やいじめを受けるかもしれません。
また世間の偏見の目に子どもが晒されることは親としてはつらいものがあります。
できれば、他の子と同じような環境で育ってほしい、そう思うのは当たり前のことです。
子どもから片親を奪うことになるのは、子どもにどんな影響を及ぼすのか、それが悪い結果になるのではないかと不安になります。
離婚によって子供に何らかの不利益が生じるのではないか、子どものことを考えると離婚が良いのかどうなのか、親の都合ではないのかと自問自答してしまいます。
3.情があるため
いくらモラハラをする相手とはいえ、好き同士で結婚した相手です。
そんな簡単に離婚を切り出せないのも、「人の心」がそうさせるのでしょう。
私自身、夫側から離婚を切り出されたものの、自分も離婚を考えていなかったわけではありませんでした。
しかし、離婚を切り出すことがまるで夫を見捨てることのように思っていたので、なかなか踏み切れませんでした。
私の夫は、結婚前は全くモラハラをしない人でした。結婚後、人が変わったかのようにモラハラ行為が始まり、それも「お前のせいだ」と言っていたので、私が努力をすればまた以前の夫に戻るものだと思っていました。
例えば、愛情たっぷりに育ててくれた自分の両親が、ある日突然、認知症などの病で人が変わったようになったとします。
優しかった性格が一変し、些細なことでキレるようになったり、被害妄想で人を攻撃するなど、認知症ではそういった症状が出ることもあります。
苦しんだり、悲しんだりしても、その変化は病気だからと自分を納得させつつ、介護をする人が多いのではないでしょうか。
介護のつらさを相談したときに、友人から「つらいなら介護なんてやめなよ。」と親を見放すアドバイスをされることも稀でしょう。
同じように、モラハラ加害者と被害者には、信頼関係があった時期もありました。
今まで培ってきた愛情や情があり結婚に至ったわけで、相手が変わったら離婚だと簡単に切り替えができません。
そして、努力すれば治るのではないかと思ってしまうのも、離婚をためらう一因となります。
夫婦の場合、「つらいなら離婚しなよ。」とアドバイスされることもあります。
しかし、人が変わったからと言って、なかなかすぐに縁を切るという決断もできないのです。
4.世間体が気になるため
離婚と言う言葉を聞いて「良かったね!」とプラスに受け取る人はあまりいないでしょう。
まだまだ離婚はネガティブな言葉であり、離婚をしたというとマイナスのイメージを持たれやすいのも事実です。
離婚したことで、何かと人から偏見を持たれることも大いにあります。
「あの家は・・・」と何もしていないのに後ろ指をさされることもあるでしょう。
こういった噂は広まるのも早く、顔も知らない人が自分の離婚を知っていたりします。
ただ、離婚をしたというだけで偏見や好奇の目にさらされたり、不利益を受けたりします。
5.親や親戚が悲しむため
結婚を喜んでくれた両親に「離婚」を伝えたら、悲しむのではないか。そういった憶測が離婚を遠ざけることもあります。
また、両親や親戚が高齢や病気の場合は、離婚を伝えると体調を壊すのではないか、心に負担をかけてしまうのではないか、とますます言い出せなくなります。
いくつになっても親には心配をかけたくない、と結婚生活がうまくいっているふりをしてしまうこともあります。
まとめ
結婚の何倍のパワーがいるとされる離婚の手続き。
そして、離婚を決断するのにもまた、大きな力が必要です。
離婚というのは、そう簡単に決断できるものではありません。
どんなカップルも何度も、「離婚しよう」「いや、やっぱりやめよう」と繰り返しながら、最終的に離婚に至るのではないでしょうか。
結婚生活を続けたほうがいいのか、離婚したほうがいいのか、メリット・デメリットだけでは判断できないのがやはり人間なのでしょう。
自問自答を繰り返しながら、自分の中で答えを見つけていくしかありません。
離婚を迷っている場合は、離婚後の生活を具体的に想像してみて、何が引っかかって離婚を迷っているのか原因を見つけてみましょう。
離婚してもやっていける!という確証が得られたら離婚に向けて準備するのも一つの手です。
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