養育費の未払いで困っているシングルマザー、シングルファザーの方に朗報です!
兵庫県明石市で、市が年間で最大60万円の養育費の支払いを保証する制度を試験的に11月から始めるそうです!
兵庫県明石市は、離婚相手からの養育費が不払いとなっている市民に、年間最大60万円の養育費の支払いを保証する制度を11月から始める。市によると、自治体が養育費の支払いを保証するのは全国初。(参照:YOMIURI ONLINE)
ドイツでも養育費未払いに対して、洲が肩代わりして権利者に養育費を支払い、義務者から取り立てるという制度があります。
日本でも養育費の一部を自治体が取り立てる制度が確立していけば、例え親が離婚してしまっても、子どもたちがもっと豊かに育つことができる環境をつくることができます。
ちなみにドイツでは、12歳未満の子どもに対して最大72か月間と定められています。明石市の制度が具体的にどんな内容なのかを調べてみました。
養育費の未払いの現状について
養育費を一度も受け取ったことがない人、途中で支払いが途絶え現在受け取っていない人をあわせると実に8割にも上ります。
養育費の未払いを解消するために、明石市はこれまでにも離婚時に養育費の取り決めを促すなど支援を行ってきましたが、依然として養育費は支払われない率は高いままだそうで、今回の事業に踏み切りました。
養育費の支払いについてはこちらの記事をご覧ください。↓
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【離婚】養育費をもらうためには面会交流をやるべきなの?
「養育費を支払ってもらうために、本当は嫌な面会交流を続けています。」 「面会を断ったら養育費の支払いが途切れるのではないかとビクビクして、断ることができません。」 お金を支払ってもらう立場とお金をもら ...
制度を利用するには?
利用対象者は、「離婚時に調停調書か公正証書で、養育費の支払いを取り交わしている市民」とされています。離婚時に養育費や面会交流の取り決めを公的な文章に残しているカップルはごく一部です。
これから制度が整っていくとともに、離婚時の取り決めを公正証書や調停調書に残すことが一般的になったり、義務化していくことは必要性があると考えられます。
一方で、すでに離婚したカップルで離婚後に一切連絡を取ることができなくなり、今から調停や公正証書に養育費の取り決めを残すのが難しいケースについてどのように対策していくかの課題も残ります。
2018年度はまず1年間、18世帯を対象に
また今回の事業は試行的なもので、まず18世帯が対象に行われるそうです。1年間試験的に行ってみて、本格的に導入するかをテストするようですね。
現状考えられることとしては、会社側に養育費を支払っていないことがバレるため会社に居づらくなった義務者が退職してしまったり、強制的な取り立てが新たな紛争の火種になる可能性もあります。
子どもを幸せにするための制度なのに、実際に運用したらかえって子供の生活が脅かされるようなことがあってはいけません。この試験的な事業が現状で足りない制度が何であるかや強制的な取り立てが日本に合っているかなどが見えてくることになります。
明石市は子どもの権利のための制度が充実している
新しく始まる養育費取り立ての制度以外にも、
- 面会交流の日程調整や引き渡しなどのサポート
- 養育費や面会交流などの取り決めに使える「子どもの養育費に関する合意書」「子ども養育プラン」の作成手引き
- 夫婦間で子どもの情報を共有することができる「子どもと親の交流ノート(養育手帳)」
など制度やサポートが充実しています。
なかでも「親の離婚と子どもの気持ち」は、子どもがいる親は一読しておくことをオススメします。
こちらの記事にも離婚が子どもに与える影響をまとめています。↓
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【離婚】離婚が子どもに与える影響を年齢別に解説!親がやるべきこととは?
離婚は子どもにどのような影響を及ぼすのでしょうか? 離婚において、子どもは片方の親と暮らせなくなり、場合によって住む場所は通う学校、友達と引き離されることもあります。 そのような環境の変化に加え、心理 ...
なぜ明石市は子どもに関する制度が充実しているの?
現市長である泉市長は、元弁護士でかつ教育哲学について学ばれた方。弁護士をされていた当時、離婚をする父親や母親を弁護することはあっても、泣いている子どもを弁護する施策がないことに愕然としたそうです。その想いが、子育て施策の充実や離婚後の子どもの養育費支援の施策につながっているのだそうです。
日本は先進国に子どもの権利を保証する制度面でとても遅れているので、どんどんと先進的な制度を導入していってほしいと思います。
まとめ
まだまだ、日本では離婚後の子どもの権利を守る制度はありません。全国に先駆けて明石市がする取り組みが実績となり、今後の日本全体にも普及していけばいいですね。
私としては、この制度がうまく活用されていくことを願っています。