今までは、産後うつはホルモンバランスの乱れによって起こると言われていましたが、どうやら違うようです。
父親の産後うつと同じように、本人のうつの既往やその他の人間関係や環境的な要因から引き起こされるものであると現在では考えられています。
ホルモンバランスの乱れではないということは、家族や周りのサポートがあれば産後うつもなりにくいともいえます。
目次
1.1ヶ月は休もう!
昔は1か月間は布団を敷いたまま過ごし、その後「床上げ」をするのが一般的でした。核家族が進んだ今では、地域や周囲に頼れる人がおらず、産後の母親が十分に休むことができません。
産後の体は全治一カ月以上と言われるボロボロの状態です。そのことを頭に入れて、1か月は休むことを前提に過ごしましょう。
2.できれば3~4ヶ月は家事の手を抜こう!
赤ちゃんのお世話が特に大変なのは赤ちゃんが生後3~4カ月の時期です。この時期は、夜中の頻回授乳があるため多くの母親は慢性的な睡眠不足に陥ります。これが非常にメンタルにダメージを与えるのです。
赤ちゃんが寝ている間は一緒に寝て過ごすくらいの気持ちで、家事の手を抜けるところはうまく手抜きをしましょう。
3.睡眠と食事は抜くことなかれ!
産後の辛い時期に大切にしなくてはならないのは、睡眠と食事です。
人間は忙しくなってくると、生活に関することを疎かにしがちです。本来は忙しいときにこそ、睡眠と食事はきっちりと取らなくてはいけません。睡眠も食事も人間が生きていく上で欠かせないものです。そして、エネルギーがなければ人間は動くことはできません。どんな性能のいい車もガソリンを入れなければ動かないのと一緒です。
産後は忙しく、時には無理をしなくてはならいけないこともあります。またホルモンの関係で寝られなくなったり、感情が不安定になることもあります。そういったときには横になる時間を増やすなど、寝る努力をすることも必要です。
4.産後の辛さは人それぞれ 他の人が楽しく子育てしているからといって自分が「母親失格」ではない
赤ちゃんの性格によっては、子育てが非常に困難なケースもあります。子育てが楽な赤ちゃんもいますし、双子を育てるよりも大変な赤ちゃんもいます。また、他の人は周囲のサポートが充実していて元気なのかもしれません。産後の負担はそれぞれのケースによって異なり比較はできません。
他のお母さん、お父さんが楽しそうに子育てをしているからといって、できない自分を責めてないでください。
真面目な人ほど自分を追い込んでしまったり、自分にたくさんのタスクを課して頑張りすぎてしまいます。
産後の時期は、赤ちゃんのお世話をしているだけで充分です。タスクを減らすことも、子育てでは欠かせないスキルですよ。
5.自分がつらいからと言ってパートナーを責めるのはやめよう
人間は機械のように悪くなった部分を新しい部品にとって挿げ替えることはできません。そのため、脳も身体も大事に使っていくことは、健康で長い人生を送る上で欠かせないことです。
パートナーが自分より寝ていることなどを責めてはいけません。これは、男女どちらにも言えることです。
お互いに必要な睡眠時間が違いますし、お互いが睡眠時間を削ることを強要すれば、ただでさえ辛い産後が泥沼化してしまいます。休めるときはお互いに休む、そして睡眠と食事と赤ちゃんの世話が十分にできてから初めて他の家事のことを考えればいいのです。
辛い気持ちは分かち合う必要がありますが、自分がつらいからと言って同じ苦行を相手に強いてはいけないのです。
「もっとできるでしょ」「努力が足りない」という言葉をパートナーに言うことは絶対にやめましょう。
6.産後のパートナーとの関係は大事!
よい夫婦関係を続けるためには、産後が肝心です。また、産後の恨みは一生忘れないとも言われています。
この時期にパートナーと協力し合えないということは、今後もパートナーの協力を期待できないと考えてしまっても仕方のないことです。
辛い時期に関係が悪くなるということは、今のパートナーとではあらゆる問題に乗り越えられないことをあらわしているとも言えます。
お互いがお互いのことを思いやる気持ちが大切です。
7.産後うつかどうかを判断するには?
産後うつかを判断するには、世界で産後うつかどうかをチェックする「エジンバラ産後うつ質問票」という判定法があります。
全部で10個の質問に答えるだけで判定が可能です。
きずな・メールプロジェクトさんのサイトでは、ラジオボタンをチェックし「判定する」ボタンを押すだけで判定ができますので、不安な方は一度チェックをしてみることをオススメします。
※日本では、30点満点中9点以上であると産後うつの可能性が高いそうです。
8.産後うつだと思ったらどこに相談すればいい?治療方法は?
産後うつかな?と思ったら、まずは地域の保健師さんに相談をしてみましょう。自治体では、産後に保健士さんの訪問サービスがあるところもあります。子育ての不安や行政のサポートについて聞くことができますし、産後うつに理解のある医療サービス機関を教えてもらえます。
また産後うつでは、薬を使って治療する患者は全体の2割もいないそうです。主にカウンセリングや認知行動療法といった心理療法が治療に使われます。それを知っておけば、産後に薬を使うことに抵抗がある人も安心してクリニックに通えますね。
まとめ
子どもを大切にするには、まずは産後の母親を大切にすることが必要です。
現代では産後うつのリスクが高まっていると言われており、10人に1人という数字よりももっと多くの人が隠れ産後うつである可能性も高いのです。
産後に大切なのは、
- 食事と睡眠は欠かさず取る
- 無理はしない
- 日常のあらゆるタスクを減らす
- 人に頼る
- おかしいと感じたら地域の保健師さんに相談する
ですよ。
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