こちらの記事に私が離婚後に言われて嬉しかった言葉、悲しかった言葉をまとめました。
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離婚した友人に何と声をかければいい?離婚後、言われて嬉しかった言葉、悲しかった言葉
親しい友人には、離婚前から自分の状況を報告していたのですが、普段はあまり連絡を取っていない友人には離婚後に報告だけをしました。 その時に実際に言われた言葉のうち、嬉しかった言葉と悲しかった言葉をまとめ ...
そしてこの記事の中に書いた「(離婚をして)もう取り返しがつかないね」と言った友人が、離婚することになりました。
私なりに彼女にどう言葉をかけてあげたいのか、また彼女の言葉の真意について考察してみました。
離婚で立ち位置が分からなくなる専業主婦
離婚は友人から言い出したそうです。
しかし、彼女の中には離婚することの後悔やこれからの不安がたくさん渦巻いているようでした。
今の家は義実家一家が住み、彼女は新しい家を探さなくてはいけないそうです。「今まで頑張ってきたのに…」「どうして私が…」という言葉を聞き、彼女の悔しさが想像できました。
その姿を見て、別居時の私の姿を思い出しました。私の場合は、離婚は元夫から言われましたが、突然住んでいる場所を夫と義両親に追い出され、生活が激変したことや、専業主婦であったために将来の見通しが立たないことに強い不安を抱いていました。
突然今までの人生が足元から崩れ落ち、自分が今どこに立っているのかすら分からなくなる感覚でした。
離婚を受け入れるのにも時間がかかる
離婚することで多くの人の生活は一変します。私は暮らす土地も、住む家も、日常に使っていたものも、何もかもが変わりました。
家は追い出され、家具家電はすべて元夫に処分されてしまいました。ペン一本ですら新しく買わなくてはいけない生活で、すべてに不自由していたことをよく覚えています。市役所などに何度も足を運ばないといけないときも、弁護士の先生に相談に行くときも、子どもがまだ乳児で預けることができずに一緒に連れて行きました。
専業主婦であったため、仕事探しも一からです。まだ小さい子どもを抱え、定期的な収入を得ることができるのか非常に不安でした。まだ何も将来について確定していることがなく、一週間後、一か月後、一年後何をしているのかどういった暮らしをしているのか全く想像がつかなかったのです。
まずは新しい環境を整え、生活できる基盤をつくらなくてはなりません。離婚後は、一から生活をつくり整えてく作業が必要です。そして生活が落ち着くまでは、毎日不安を抱えて過ごすことになります。この先どうなるのか、就職はできるのか、子どもを養っていけるのか、全く分かりませんでした。しかし自活しなければ生きていけない、ただそれだけでした。普段の生活もなんとかこなしながら、離婚の準備や自活の準備、一から生活基盤を作り上げなくてはいけませんでした。
離婚で失うものは大きいです。
彼女自身が選択したことであっても、その現実を受け入れることができるようになるのはまだ先でしょう。
あの言葉は彼女自身に向けた言葉だったのではないか?
私は友人から、「もう取り返しがつかないね」と言われた時はショックを受けました。離婚を選択したら人生の取り返しがつかなくなり、これからの人生が良くないものであるように受け取られたことがつらかったのです。
しかし、今の彼女の様子を見ていると、それは私の人生に向けたものではなく彼女自身の人生の価値観であったのだということが分かりました。
彼女は、結婚生活で義実家のために非常によく働いてきたそうです。義実家の家業を手伝ったり、義両親と同居をして家事全般を引き受け、世話をして過ごしていました。そしてまた、家計のために外で働いてもいました。
そしてそうした努力は感謝され、いつか報われるものだと信じて頑張ってきたのでしょう。
しかし待っていたのは離婚でした。
それは彼女が思い描いていた未来とは大きく違うものだったと思います。
彼女にとっては離婚をすることは今までの努力を自分で否定することだったのではないでしょうか。だからこそ「離婚してしまえば今までの努力が水の泡になり、取り返しがつかなくなるから頑張ろう」と奮闘してきたのでしょう。
今までの自分を守るためにも必死で働いて、そしてその働きを何らかの形で認められたかったのだと思います。
あの言葉は、私の離婚報告を聞き、もし自分が離婚したらと想像して発言したものでだったのではないでしょうか。そして離婚が他人事だと思えないくらい、その時から思い詰めていたのだと思います。
周りにとって良く見えても本人にとっては苦渋の決断
彼女は必死に働いてきましたが望む結果は得られませんでした。
離婚することで、もう人から利用されることがない人生を歩めるのであれば、それは彼女にとっても良いことであるように思います。私は、今まで苦労した分、この先は良い人生を歩んでほしいと思っています。
しかしそれは周りが思っていることであり、彼女自身にとっては全く違う印象を持っているようでした。
「今まで頑張ってきたことは何だったのだろう…」
離婚は結婚生活の否定です。結婚生活が良くないから離婚するわけです。
それは努力してきた彼女にとって耐えがたいことだと思います。
まとめ
私は友人に「今までよく頑張ってきたね」と声を掛けました。でもおそらくこの言葉が彼女に届くのはもっとずっと後になると思います。離婚を受け入れて気持ちが落ち着くまでには長い時間がかかり、その間はどんな言葉も届かないこともあるからです。
「離婚して、人生の取り返しがつかない」と思っているのであれば、長い時間がかかったとしても「そうでない」と伝えてあげたいです。そのためには私自身が、離婚をしても幸せになる必要があると思っています。
彼女が離婚を乗り越えて、これから先に良い人生が歩めることを願って止みません。