さて、モラハラ夫は自分の悪いところや欠点を、さも妻の悪いところや欠点のように置き換えて責めてきます。
しかしモラハラ夫に対して「それは、あなた自身のことじゃない」ということも夫を傷つけるかもしれないという罪悪感があってなかなか言えないものです。
モラハラ夫が暴言を吐く理由と、その対処法についてまとめました。
目次
モラハラ夫が使う暴言は妻をコントロールするためのツール
まず、なぜモラハラ夫が妻に暴言をはいてくるのかという理由を知らなくてはいけません。
なぜひどい言葉で責めてくるのかというと、自分が言った言葉で妻に罪悪感を抱かせ、その罪悪感をもとに妻をコントロールするためです。
たとえば「子どもにしかりつけるなんて母親失格だな」といえば、妻に悪い母親であるという罪悪感を抱かせ、良い母親にならなくてはいけないと思わせることができます。そしていい母親になるためには、夫の言うことによく従わなくてはいけない、と妻を思い通りにコントロールするのです。
つまりモラハラ夫が暴言を吐いてくるときというのは、妻をコントロールしたいときです。このことをまずは覚えておいてください。
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モラハラ夫は、相手が傷つけば傷つくほど「都合がいい」
人がコントロールされやすくなる時はいつか知っていますか?
コントロールされやすいとき、それは弱くなっている時です。たとえば、不治の病にかかった途端に藁にでもすがる気持ちで信ぴょう性の乏しい民間療法に手を出そうとすることがあります。病気になる前は、「胡散臭い」と言っていたとしても、です。
モラハラ夫は、妻をコントロールするために、「妻を弱くする」必要があります。
妻が弱くなれば弱くなるほど、自分の都合のいいように言うことを聞かせやすくなります。そのために、「暴言」を利用して妻を傷つけ、弱くさせるのです。
モラハラ夫は、暴言が相手を傷つけることをよく知っています。だからこそ、「お前がそんなに傷ついているとは知らなかった」とか「悪気はなかった」というのは紛れもなく嘘の言葉です。
暴言を使えば相手が傷つき、弱ることで自分に都合が良くなることを分かった上で利用しているからです。
その暴言がどれだけ相手を傷つけるかによって、巧妙に「使い分け」をするのが何よりの証拠です。
たとえば、モラハラ夫が妻に暴言を吐いたときに、その言葉に傷つかなければモラハラ夫はそれは使えない言葉だと学習し、今後使わなくなります。一方で、傷つけることができると分かった言葉は、「そういうことは傷つくからやめてほしい」と伝えても繰り返し使うようになります。
私の体験談
私の夫は、「母親失格」と言った言葉を巧みに使い、私をコントロールしようとしてきました。その言葉を言われると、私が深く傷つくことを知っていたからです。他にも「(私のにおいが)臭い」とか「(イヤイヤ期のときの子どもの様子を見て)愛情不足でこうなるんだ」と言ったことも好んで使っていました。
モラハラ夫は無関心が一番堪える
対処法で一番大切なことは、モラハラ夫が暴言を吐いた時にあなた自身が動揺をしないことです。
モラハラ夫は、相手を責められると分かった材料は、モラハラをするために必ず利用してきます。たとえ、それが事実と違う事であっても、あなたが言われた言葉にショックを受けようものなら、同じ言葉を何度も吐き、あなたをさらに追い詰めていくでしょう。
言葉の内容自体よりも、自分が大切だと思っていた人から暴言を吐かれることに傷つきますが、その傷ついたという事実を表に出してはいけません。
冷静に、「この人は実はこんな人だったんだ」と受け止めましょう。
モラハラ夫が一番堪える反応は「無関心」です。
暴言に対して、「それは違う!」と反論したり、傷ついて泣くことはモラハラ夫を喜ばせるだけです。感情を表に出さずに無関心を装いましょう。(ただし、無視をすると激怒する可能性があるので、相手に反応はしてあげましょう。)
自己紹介だと割り切る
モラハラ夫が妻を責めてくる内容というのは基本的に、モラハラ夫自身のことを指しています。こういった自分の欠点を相手に押し付けることを専門用語で「投影」といいます。自己愛性パーソナリティ障害の人がする特徴的な行動のひとつとして知られています。
モラハラ夫が何か言ってきたらそれはあなたのことではなく、モラハラ夫自身のことなのだと正しく認識しましょう。
思いがけないことで責められたとしたら、
「なるほど、この人はこんな欠点があるんだな」
と思うようにしましょう。
モラハラ夫はそういう人間であることを分かっておく
自分の好きな人や大切な人が、自分に向かって暴言を吐いてくるのはとても悲しいことです。しかし、残念ながらモラハラ夫はそういう人であり、それが現実です。
そして、何より気をつけなくてはいけないのは、モラハラ夫はさも自分は良い人のふりをして、あなたのために暴言を吐いているようなそぶりをしてきます。
モラハラ夫は良い人なのに、そんないい人にこんな悪いことを言わせる自分はなんて悪いんだ…と思うことがないようにしましょう。
暴言を吐いているのは、モラハラ夫の人柄であり、あなたと出会う前からそういう人間でした。あなたと出会って暴言を吐くように変化をしたわけではありません。もともとがそういう人間性であり、隠していた本性が露呈しただけです。
暴言は決してあなたが言わせているのではありません。
モラハラ夫の性格が言わせています。
「お前が怒らせるからだ」「お前がとてもだらしがないからだ」「別の人が妻だったら、俺はこんな性格にはならなかった」という言葉は紛れもなく嘘であり、原因はすべてモラハラ夫の方にあります。
妻がやるべきことはたった一つです。この人は性格が悪いという現実をきちんと受け入れましょう。

まとめ
- 自分をコントロールしようとしているというモラハラ夫の意図を分かっておく
- 悪いのは、まぎれもなく暴言を吐くモラハラ夫の方
- モラハラ夫は「無関心」が一番堪える
- 暴言の内容はあなたのことではなく夫の自己紹介
- 性格が変わったのではなく元からそういう人間