私が依頼をした弁護士は、非常に私の結婚生活に同情してくださり、いろいろなアドバイスをくださいました。
そして、いただいたアドバイスの中には、「モラハラへの対処法」として非常に有効なものもありました。
この方法は、話し方のプロである弁護士だからできる方法ではなく、人に対抗したり、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な人にも使える方法です。
今現在モラハラ被害に遭われている方に有効活用してもらいたいと思います。
目次
弁護士の仕事は紛争解決 毎日のように紛争に関わっているのにどうして疲弊しないの?
弁護士が必要な時、それは必ず揉め事があるときです。
揉め事を解決するために法律の知識や、相手を説得する論理的な話術が必要とされます。
毎日のように紛争に係る弁護士は、なぜ疲弊しないのでしょうか?
その理由を、私を担当してくださった弁護士の先生はこのようにおっしゃっていました。
私は、もともと専業主婦だったので、別居を機に仕事を探していました。










同じ事件に向かっていても、私と弁護士の先生ではもらうダメージは全然違うわけです。それは、私は離婚の当事者であり、弁護士は第三者だからです。
しかし、依頼者に感情移入をしてしまう人は、依頼人よりも少なかったとしても、多くのダメージを一緒に受けてしまいます。そういうタイプの人は、紛争の度にダメージが蓄積され、弁護士を続けているうちに病んでしまうこともあるのでしょう。
これは、モラハラ夫との関係でも同じことが言えると思います。
モラハラ夫が抱えているあらゆる問題に対して、妻がモラハラ夫に感情移入し、自分のことであるかのように受け取っていてはやはり「病んでしまう」のです。
モラハラ夫との生活では、たとえ家族であったとしても、
モラハラ夫と自分は別の人間であることを強く意識し、
相手の抱えている問題を自分の問題に置き換えないこと
が重要になってきます。
モラハラ夫からの攻撃も当事者意識を手放すことでダメージを減らすことができる
また、自分が受けているモラハラについても、当事者意識を手放すことで被害を少なくすることができるとも考えられます。
腹が立つ相手との会話は、自分が暴言を受けていると思うのではなく、暴言を言っている醜い相手を第三者的立場から客観的に見る意識を持つことです。
つまり、
「なんてひどいことを言うの!」
ではなく、
「この人は、こんな暴言を言うような人なんだな」
のように、俯瞰的視点を持って受け止めるのです。
モラハラ夫の言う暴言は、自己愛性パーソナリティ障害の人がよくする「投影」です。「投影」とは、本当は自分の欠点であるのに、それを認めることができず、妻に欠点を押し付ける心の防衛反応のことを言います。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。→モラハラ夫からの暴言の正しい対処法)
モラハラ夫の暴言を真面目に聞いていて、それを治そうと努力する必要はこれっぽっちもありません。
なぜなら、その暴言の先にいるのは、妻ではなくモラハラ夫本人であり、妻の欠点ではないからです。
気をつけなくてはいけないのは、子どもがいる場合
この話は更に続きがあります。
弁護士の先生は、この話の最後にこうおっしゃいました。

弁護士の先生は、自分の子どもが病んでしまわないように、弁護士の仕事を勧めたくないと思っていらっしゃいました。このことを、モラハラのケースに当てはめて考えてみましょう。
モラハラ夫からの攻撃に対して、当事者意識を無くし俯瞰的視点で持って対応すれば、自分へのダメージを減らすことはできます。
しかし、子どもに対しては同じ対処法でどうにかなるわけではないのです。
これもまた、親と子どもが別の人間だからです。自分が何とかやっていけたとしても、子どもも同じであるとは限りません。子どもはモラハラ親からの言葉をまともに受け取り、「病んでしまう」可能性があるからです。
モラハラ夫の問題は手放そう 子どもがいる場合は別の対処法を考えよう
モラハラ夫との生活で必要なのは、モラハラ夫の言葉をまともに受け取らないことです。
彼らの言葉の影響力を無くすこと。
そして、彼らの発言権を無くすことです。
あなたの問題ではないことは、断捨離してしまえばいいのです。
しかし、この方法では子どもまでは守れません。
子どもがいる場合は、もっと別の対処法を考えなくてはいけません。
他人からの言葉に強く傷つきやすい人もモラハラ夫との生活には向いていない
また、私のように「他人からの言葉を深く受け止めやすいタイプ」の人は、モラハラ夫からの攻撃をうまくかわすことに向いていません。
それは、弁護士を続けていると「病んでしまう」タイプの人と同じです。
当事者意識がどうしても手放せず、モラハラ夫の攻撃に傷つき反応してしまう人は、ダメージが蓄積し、「病んでしまう」可能性が高く、また反応に喜んだモラハラ夫から長いことターゲットにされてしまうからです。
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自分のタイプを見極めて、モラハラ夫とどのくらいの距離を取ったらいいのかを考えなくてはいけません。