未婚であれば、「いつ結婚するの?」と言われ、結婚したら「子どもはいつ?」と聞かれます。
「結婚しない」と公言していても、周りから強制的にお見合いをすすめられたり、「子どもを持たないつもりだ」というと奇異の目で見られたりします。
特に結婚や子どもを持つことは、他の価値観よりも強く押しつけをされる傾向にあります。それは、生まれたからには必ず成し得ないといけない人生のイベントとして、あらかじめ設定されているかのような強制力を感じます。
しかし、結婚や子どもを持つ価値観こそ、人から押し付けられてはいけないと私は考えます。
「結婚」や「子どもの有無」は周りに流されて決めるべきではない理由
1.結婚や子どもが生まれると人生はガラリと変わる
血痕をすれば、パートナーとの共同生活が始まり、同じ空間で同じ時を過ごす時間が増えるでしょう。お互いの時間を尊重するだけではなく、夫婦二人で過ごす時間も持つことになります。
自分の人生の一部を、パートナーと分け合うこと、それが結婚生活です。
また価値観も、パートナーと共有しなくてはいけないこともあります。
夫婦で人生を共に歩んでいくということ。
それは今までの人生とは違った新たなスタートです。
また、子どもができたら、子どもが小さいときには自分の人生のほとんどを子どものために費やすことになります。
多くの女性は出産を機に「多くのことを諦めなくてはいけない」状況がやってきます。諦めたことは、のちの人生では二度と取り戻せないものかもしれません。
結婚も子どももどちらもあなたの人生を大きく変える一大イベントです。
それがさも、「みんなが必ず通る道」のように決められていることの方がおかしなことなのです。
2.女性は「子ども」と引き換えに犠牲にする代償を多く払わなくてはいけない
私が子どもを産んだときは、まさに「子育てと仕事の両立」が叫ばれているような時期でした。
私自身も、特集された女性社長の仕事での成功と、家庭での母親としての役割をいかにこなしてきたのかを紹介する番組を何度も見たことがあります。
その時私は、子育てと仕事を両立できることは、これからの女性の生き方であるように捉えていました。
しかし実際に子どもを産み育ててみると、子育てと仕事の両立は周りの協力がなければ難しいものであるということを実感しました。
子どもは保育園に預けなくては仕事はできませんし、保育園のお迎えに間に合うように仕事を早く切り上げることも必要です。子育てと仕事のどちらも周りの協力がなければ成り立ちません。
家では家事を夫婦で分担しなくてはまわらないでしょう。仕事、育児、家事のすべてを周りの力を借りたり夫婦で協力して初めて、なしえることができるのです。
仕事も、育児も家事もすべて専業の人並みにやるということはまず無理です。
女性の社会進出が叫ばれている今ですら、育児の負担は女性が多く引き受けているのが現状です。男性の育休取得率は5%しかありません。
女性が子どもを持つという選択をするときには、何かを犠牲にしなくてはいけません。間違いなく大きな決断が必要です。
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3.人生の選択というのは、24時間のうちで何にどれだけの時間を使うのかを決めることである
誰しも平等に、1日は24時間しかありません。
そのうちの6時間を睡眠に当てれば、残りは18時間。仕事を10時間(お昼休憩と通勤時間も含む)家事を3時間でやったとして、残りの5時間が子育てと自分の時間です。買い物をしたり、ご飯を食べたりお風呂に入ったり、それだけであっという間に一日が終わってしまうでしょう。
おそらくほとんど自分の時間は持てないでしょう。仕事も育児も家事も、周りの協力を得てようやくなしえても、自分のわずかな趣味の時間をつくることすら難しいのが現実です。
子どもを産んだからと言って1日の時間が増えるわけではありませんので、育児の時間を取るためには、今までやっていた何かの時間を削らなくてはいけません。それは、仕事であったり、家事の時間であったり、自分の趣味の時間であったりするのです。
子どもを持つことは、それだけ自分の人生の時間を子どもに使うことが大前提になっているのです。
「子どもは?」という問いのフランクさに対して、実際に子どもを作った時の変化は大きすぎます。
4.何かを選ぶということは、同時に何かをあきらめなければならないことである
仕事も家事も育児も自分の中で最大限に頑張ることはできても、すべてを完ぺきにこなすことはできません。
子どもを持ったあとで独身時代と同じように働くときは、子育てのほとんどを誰かに丸っとお願いするしかありません。それは、かつて男性が外で働き、女性が家を守るという価値観の元で、男性が女性に丸っと子育てをお願いしていたからこそ成り立っていたことです。
女性であれば、主夫になってくれる人を見つけて子育てをお願いすることができれば、今までと同じ働き方を選択することができるでしょう。それでも、核家族化が進み、ご近所づきあいも気薄になった現代では、家庭内での仕事も役割分担をしなくてはいけません。
このように私たちは、昔と比べて多様な価値観を選択できるようにはなったけれど、同時にすべてを選択することはできないのです。
このことは医者と弁護士の二つの職業を同時に選択することができないのと同じです。
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5.結婚や子どもを持つことを押し付けることは、人生の中で何かをあきらめさせることである
選択肢は多くなったけれど、その中から選べるものの数が多くなったわけではありません。
結婚や子どもを持つことを押し付けることは、他人に人生の何かをあきらめさせることと一緒です。そんなことはあってはいけませんよね。
結婚するかしないかも、子どもを持つか持たないかも、選ぶ本人が決めなくてはならないのです。
長い人生の中で価値観は変わることがある その時に後悔しないためには?
しかし自分で選んだことでも「やっぱり結婚したい」とか「子どもが欲しい」とフッと考えが変わることもあります。
その時に後悔しないためには、自分が結婚や子どもを持たないことを選択した裏側には、仕事や趣味などの別の価値観を選択したという意識を持つことです。「Aを選択しなかった」と思うと何も選ばなかったような気がして後悔が大きくなってしまいます。「AではなくBを選択した」という考えでいれば、Aを選択したときには得られなかったBという人生を歩むことができたと考えることができるでしょう。
また時が経てば、結婚や子どもを持つことのどちらも選択肢の幅が狭くなることも覚えておかなくてはいけません。
まとめ
あなたの人生をどのように使おうが、あなたの自由です。
「結婚」だって「子ども」だってあなた自身がどうしたいかを決めることです。周りに流されて、口うるささから逃げたくて、無理に価値観を変えてしまえば、人生は苦しくなるでしょう。
人からとやかくと、「人生の選択肢」に口を出されない世の中になれば良いですよね。
一方で、時間の流れは不可逆です。
将来の自分のために、何を選んで何を捨てるのか、自分の人生の選択について考え続けることが必要です。
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