なにがなんでも絶対に謝らないし、言い訳ばかり、時にはその責任を周りに押し付けてくる。そんな厄介な人、あなたの身の回りにもいませんか?
今回は、なぜあの人たちが謝罪をしないのか、謝罪をしない人たちとどのように関わっていけばいいのかをまとめました。
私の体験エピソード ~悪いのに決して謝らない夫~
結婚してしばらくしたときのこと、私は(元)職場の人と一緒に飲みに行くことがありました。その時に夫からは、「こまめに連絡してね」と言われていました。
家を出るとき、夫はまだ仕事中だったので、私は「今から出かけてくるね」とLINEで報告しました。飲み会の間にも何回か連絡を入れました。しかし、夫からは全く返事が返ってきません。もうさすがに帰宅している時間だろうと、夫に電話で帰る連絡をすると、夫からは「すぐに帰るように」と怒り返事。
家に帰るとやはり夫は怒っていました。そして用意した夕飯も食べずに外で食べてきたそうです。
怒っている理由を聞くと、「こまめに連絡するようにと言ったのに連絡がなかった」と言われました。私は「連絡を入れたよ」と自分のスマホを見せると、夫は慌てたように自分のスマホを確認しました。
どうやらLINEの通知をオフにしていたため、私からの連絡に気づかなかったようです。
私は夫の勘違いで怒られたのですが、夫からは謝罪はありませんでした。夫は気まずくなったのかそのまま無言を貫いていました。
結局私が「帰るのが遅くなってごめんなさい」と謝罪し、この件は収まりました。
なぜ自分が悪いのに謝罪をしないのか?
夫は、自分のスマホを確認したときに、怒りの原因が自分の勘違いであることに気づいたはずです。しかし、謝罪はありませんでした。そしてこの件だけではなく、夫が謝罪をすることは結婚生活の中でほとんどありませんでした。夫が明らかに悪い場合でも、夫婦どちらもが悪い場合でもです。
私が「ごめんなさい」と言ったら「やっぱりお前が悪いんだよな、これからは気をつけような」と私に非があることが確定したことに安堵していたようでした。決して「俺の方こそごめんなさい」ということはありませんでした。
この夫の態度の原因を私なりに探ってみました。
1.自分が悪いことをしたときでも謝らずに済んできた
一つ目の原因は、生育環境において悪いことをしたときに「ごめんなさい」と言うようにしつけをされていなかったという場合です。
ご飯を食べるときに「いただきます」と言う、人の家に入るときは「お邪魔します」と言うことなどは、考えなくてもとっさに出るものです。それは、その行為を幼いころから繰り返ししてきたことで習慣になっているからです。習慣と言うのは考えるよりも先にでてきますし、むしろやらなければ気持ち悪いとさえ思ってしまうものです。
謝罪をできない人は、幼いころから謝罪する習慣がなかった人であると言えます。
2.勝ち負けにこだわり、謝ったら負けだと思っている
二つ目は、自分が謝罪をしたことで自分が相手に屈服させられている、負けてしまうと考えている場合です。
「勝負に負けて試合に勝つ」という言葉があるように、個人個人の戦いにおいては自ら負けに行き、しかし全体で見れば勝利を収めるように持っていくことができるのが大人のやり方です。たとえば、ケンカにおいてもすぐに謝罪をし、相手の怒りが収まったところで「次からはこうしよう」と改善の方向を示すことができる人は、ケンカを通じてお互いの関係性をプラスにできる人です。
しかし、短期的・短絡的思考しかない人は、目の前の勝負にだけ固執し、何が何でも勝たなくてはいけないと突き進みます。
そして相手が呆れ、身を引けば、「自分の方が正しい、自分が勝った」と誤解をし、本質を理解できずに満足しているのかもしれません。相手の反感を買ったことで、次からは物事がうまくいかなくなることに気づいていません。
3.相手に甘えているが、甘え方が分からない
ビジネスの世界では謝罪ができるのに、家庭では謝らない人の場合、家庭では甘えたいという気持ちが出ているのかもしれません。
「謝らなくても許してくれるだろう」と言う甘えの気持ちと、素直に謝れないプライドの高さがあり、謝罪ができないことがあります。
また、思春期の子どもも同じように親に甘えているけれどそれを素直に表現できずに謝れないことがあります。そこには、「親だったら許してくれるだろう」という甘えの気持ちがあるからです。
4.自分は立場が偉く謝らなくてもいい存在だと思っている
自分はあなたに対してこれだけのことをしているのだからそれと相殺である、と自分の非を黙って受け入れろと思っている人もいます。
上下関係のある場合の上の立場の人が考えやすく、自分がいかに家庭や職場に貢献しているかを引き合いに出し、謝罪する必要がないと考えているのです。追求すると「いつもこれだけしてやっているんだぞ」と言い出す人はこのタイプである可能性があります。
5.気が弱い
謝ることは、自分の未熟さをさらけ出す行為です。気が弱い人であれば、自らの未熟さを認めることが恐ろしく、なかなか謝罪の言葉を口にすることができない場合があります。
また周りの反応を過剰に気にする人は、相手が怒っていることに委縮してしまい、言葉を出すことすらできなくなることもあります。本当は謝罪をしたい気持ちがあっても、恐怖によって体が固まってしまい、言葉を口にすることができないのです。
6.謝ったことで何らかの不利益を被った経験がある
謝ることは、自分に非があったということを自分で認めたと相手に見せることです。しかし、弱みを見せたときにさらにその弱みに付け込まれる経験をしたことがある人は、謝ることに慎重になります。
許してもらうため、今後もいい関係を続けるために謝罪をしたはずなのに、かえって相手を逆上させたり、その謝罪によってさらに金銭等を請求された経験があるのかもしれません。このように謝ることが悪い結果を呼ぶと学んでいる場合は、「謝ってもいい場面か」「謝ってもいい相手か」を慎重に見極めようとするでしょう。
さらに繰り返し苦い経験を重ねていた場合は、「どうせ謝罪しても何も変わらない」と学習しており、そもそも謝罪をする気持ちすら持っていないこともあります。
相手には、かつて「謝っても許されなかった」経験があるのかもしれません。
7.被害者意識が強い
被害者意識の強い人の中には、自分の言動でさえも他人の責任であると考えている場合があります。たとえば自分がしたミスであっても、ミスをする環境が悪いとか、ミスに気付かなかった別の人が悪いといったことです。自分が悪いと思うどころか、自分がミスをする環境に追い込まれている被害者であると思っています。
中には、誰かが自分を貶めるためにわざとミスをでっちあげたんだというような極端な考え方をするケースもあります。
8.問題を正しく把握できない、自己分析ができない
問題やトラブルを正確に把握できていないケースです。なぜ自分が怒られたのか、何が原因だったのかが分からないため、自分が謝らなければいけない立場であることを理解できません。
また、自分が周りから見たらどう映っているのかを正しく自己分析できないあまりに、人から見たら嫌な印象やトラブルの原因を与えていることに気づいていないケースもあります。
謝れない人の対処法は?
謝れない人を無理に謝らせようとすると、出方次第で自分の方が悪者にされてしまう可能性があります。謝罪を強要したところで、心にもない謝罪を言われたとしても何の意味もないことです。
謝罪の有無に固執するのではなく、自分が不利益を被らないように行動を取る必要があります。
1.事の成り行きを話し、根回しをする
被害者意識の高い人の場合、自分に非がないのに責められた、パワハラを受けたというようにでっちあげられる可能性があります。事の成り行きがどうであったかを周りにも話しておき、あらかじめ根回しをしておくといいでしょう。
また、そのような厄介な人は他の場面でも同様のトラブルがあった可能性が高いので、周りによくリサーチをしておきましょう。実際にトラブルを経験したことがある人の中には、その時にどう対処したかを教えてくれる人がいるかもしれません。
とにもかくにも、味方は多いほうがいいです。
2.感情的にならずに話し合う
気が弱い人の場合は、感情的に怒鳴ってしまったり、威圧的な態度を取ると貝のように黙り込んでしまい、心を閉ざしてしまいます。その結果、トラブルの原因を見つけることができず、同じようなトラブルが繰り返し起きてしまうかもしれません。
いきなり怒鳴りつけられたら、どんな人でも話す気をなくしてしまいます。まずは感情的にならずに、相手の話を聞こうとする気持ちを持ちましょう。相手の言い分の中に解決の糸口が見つかる場合もあります。
3.非を責めるのではなく、これからどうするかに焦点を当てる
子どもっぽく、意固地になって謝れない人に対しては、責任を追及したり非があることを責めるとかえって反感を招き、逆効果です。
起きてしまったことはしょうがないとあきらめ、改善するためにはどうしたらいいのかこれからのことに焦点を当てて話しましょう。
4.トラブルには近づかない
絶対に謝罪しない人の中には、いろんなところでトラブルを巻き起こすトラブルメーカーである場合もあります。下手に粘着されるとトラブルが余計に増え、今よりも厄介ごとが増えてしまう可能性があります。中には逆恨みをされ、反対に訴えられる危険性もあるのです。
周りともどんな人であるのか情報を共有し、危ないと思ったら近づかないのが身のためです。
まとめ
あなたの周りに謝らない人がいた場合、その人とどう付き合っていけばいいのかの参考にしていただけたら幸いです。
また一人で対処せずに周りと情報を共有することも大切です。どんな人なのかを把握し、どのくらいの距離感で付き合えばいいのかを見極めましょう。
コメント