モラハラ夫はテンプレート的な特徴を備えていますが、その口癖もテンプレート的です。口癖から「モラハラかどうか」を判断することができるといえるでしょう。
モラハラ夫のお決まりのセリフはどんなものがあるのでしょうか?
モラハラ夫がよく使う典型的な発言と、言葉の影響についてまとめました。
モラハラ夫がよく使うフレーズ、口癖
1.お前はいつも○○だな
モラハラ夫がよく使うのは、妻を貶めるセリフです。この○○の部分には、妻を侮辱したり下げる言葉が入ります。
たとえば、
「お前はいつも余計なことしかしないな!」
とか
「おまえは何をやらせてもだめだな」
と言います。
言われた妻は、悪いところしかないように言われたり、いつもダメだと言われることでどんどんと自己肯定感が下がっていきます。
被害者は、モラハラ夫が説教やひどい言葉を言い出したときに「いつものことだから」と「これが普通」「慣れているから」と言います。自分をバカにされたとしても言われ慣れてしまっているため、それが「正常」だと認識するようになっているのです。
常に夫が妻を侮辱するような家庭は普通ではありません。夫の発言に慣れてしまっているようであれば、注意が必要です。
2.「母親失格だな」「妻失格だな」
モラハラ夫たちは、「こうしないのであれば母親として失格、妻として失格」という言葉を使います。
「失格」という烙印を押されないためには、モラハラ夫の言うことを聞かなくてはいけません。それを分かっているからこそ、モラハラ夫は「母親失格」「妻失格」という魔法の言葉を使い、妻をコントロールしようとするのです。
また、この「母親失格」「妻失格」という言葉は妻の頑張りを一つも認めないという宣言でもあります。モラハラ夫は、ひとつでも意にそぐわないことをすれば妻の今までの頑張りをすべてなかったことにします。さらにはその「失格」という烙印で妻の存在価値をマイナスにするのです。
そしていくら頑張っても、評価はマイナスになってしまい、どんどんと妻は「自分は価値のない人間」だと思わされていくのです。
いくら頑張っても報われない妻は、そのうち何をやっても褒められずに貶められることから卑屈になり、「どうせ私なんて」という思考回路に陥ってしまいます。
「頑張っても無駄」「どうせ私なんて」という口癖が増えてきたら要注意です。
3.「常識だろ」「当たり前だろ」
モラハラ夫は自分の価値観がすべてであり、それが世の中の常識だと思っています。そのため、妻が自分と違う価値観を持っているというだけで「常識も知らないのか」と言って責め立てます。
自分と全く同じ行動をしなければ「常識がない」ことにされ、「当たり前のこともできない」と言われます。
妻はモラハラ夫に対して常に夫が正しいとする答えを見つけなければならなくなります。少しでも夫の意見と違えば、それは「常識がない」こととして非難されてしまうからです。
妻は、いつもモラハラ夫から「正しいか」「正しくないか」を判断されるため、夫の顔色をうかがって過ごすようになります。
そのため、「これはあっているだろうか?」「夫から非難されないだろうか?」と一つ一つのできごとを自分でチェックするようになります。しかし、被害者は何が正しいのかを自分で判断することができないため、何の行動も取ることができなくなります。
最初は、夫に対して「こうしてもいいかな?」とお伺いを立てますが、モラハラ夫は「そんなことも分からないのか!」と言います。次第に「どういう行動を取っても怒られるため」話しかけることもできなくなります。常にモラハラ夫の機嫌を見ながら行動する妻が出来上がります。
4.「どういう育てられ方をしたんだ!」「親の顔が見てみたい!」
モラハラ夫は、妻の生育環境を根こそぎ否定する言葉を吐きます。
妻の親まで侮辱しますし、妻の価値観を1から否定する言葉です。この言葉の意味は「赤ちゃんから今までのあなたのすべてが間違っている」ということに他なりません。
このように言っおけば、「正しい育てられ方をされなかったためにおかしくなってしまった妻を正す夫」という体を保てるからです。
そして、「お前の価値観は間違っているから、俺の価値観をすべて受け入れ修正しろ!」と言うのです。
親のことをバカにされるのは、自分のことをバカにされる以上に腹が立つものです。しかし、モラハラ夫は巧妙に「妻の親」を使ってきます。妻が親をバカにされたことを激怒すれば、「お前が正しいことをしなければ、お前の親まで悪く言われたり、きちんとしていない親だと見られるんだぞ」と言い、「妻の行動自体が親を下げている」ように話すのです。
さらには、モラハラ夫が怒る原因を妻の親のせいにさせようと誘導し、親との縁を切らせることも目的としている場合があります。
「親のしつけが悪かったからお前はこうなってしまった」と言う言葉に惑わされて、「自分が至らないのは親のせいだ」と考えるようになってしまえば、次第に自分の親との間に亀裂が入るような行動を取りかねません。
妻をコントロールするために妻の親を持ち出していることに気づいてください。本当は、妻も、妻の親もおかしくはありません。
5.「俺は良いんだ」「誰に養ってもらっていると思っているんだ」
モラハラ夫は、ダブルスタンダードの考えの持ち主のため、妻が非難されたことを平然とやりますし、妻がそのことを指摘すれば「俺は良いんだ」「誰に養ってもらっていると思っているんだ」と言います。
家庭の中にモラハラ夫が考えたマイルールが存在し、さらには、ルールを唯一守らなくてもいい特別な人物であるかのようにふるまいます。
まるで、家臣を従える殿様のようです。
自分と他の家族はそもそも同じ立場の人間ではないということを、家族に知らしめるための言葉です。そして、家族のだれもが逆らうことができなくなっていきます。
子どもは、家の中で父親だけ横暴な振る舞いをすることが許されることに疑問を感じます。
子どもに対して「お父さんは良いの」と教育をしていくと、「父親は特別な存在として許される」ことを学び、家庭の中に暴君としてふるまう大人がいることが当然のことのように植え付けられていきます。
そして、誤った価値観によって「自分も父親になれば横暴な振る舞いをしてもいい特別な存在になれる」と思い、幼いころにため込んだ理不尽な経験を大人になってから取り戻そうと、モラハラが連鎖されてしまいます。
妻は、子どもの疑問に対して「お父さんは良いの」という言葉の悪影響に気づかなくてはいけません。
まとめ
モラハラ夫の口癖を紹介しました。また、けなすと同時に妻を褒めたり機嫌を取ったりすることもあります。
褒めるときもモラハラ夫がその采配を握っているので、またいつひどい言葉を言われるか分からず、妻は褒められている時ですら「この状態はいつまで続くのか」「またいつかけなされる日が始まるのではないか」と怯えるようになります。
モラハラ夫の口癖は、妻の行動にまで影響を及ぼします。そして、夫におびえる妻、夫の機嫌を取る妻が出来上がり、夫婦間に支配関係ができていってしまうのです。
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