ひとり親家庭が受けれる公的支援制度まとめ

ひとり親支援制度まとめ

制度は各地方自治体によって異なります。ここにあげているものは一例であり、お住まいの地域でどのような制度があるかは市役所等にご確認ください。

目次

1.経済的支援

(1)児童扶養手当

ひとり親家庭の生活の安定と児童の健全育成のため手当を支給する制度です。

(2)県遺児手当

母子家庭又は父子家庭等の生活の安定と児童の健全育成のため手当を支給する制度です。

(3)市遺児手当

母子家庭又は父子家庭等の生活の安定と児童の健全育成のため手当を支給する制度です。

(4)母子父子寡婦福祉資金の貸し付け

母子世帯や父子世帯等、寡婦に対して、経済的自立の助成及び生活意欲の助長を図り、その扶養している児童の福祉を増進することを目的としています。

母子福祉資金・・・①20歳未満の子がいる母子家庭の母又はその扶養している児童 ②両親のいない20歳未満の子

父子福祉資金・・・①20歳未満の子がいる父子家庭の父又はその扶養している児童 ②両親のいない20歳未満の子

寡婦福祉資金・・・①子が20歳以上のかつて母子家庭の母であった配偶者のない女子、またはその扶養している20歳以上の子(ただし子がない場合は所得制限あり)
②40歳以上の配偶者のない女子であって、子が成人してから配偶者と離別した人。及び配偶者と離別した子のない人。

(5)交通遺児育成資金

自動車事故により、一家の働き手(父・母)が亡くなったり、重度の後遺症が残った家庭の、義務教育終了前の児童に対し、無利子で育英資金をお貸しします。

2.税金・国民年金

(1)税金・年金保険料の軽減

ひとり親家庭や寡婦の方は、所得税や市町村税、国民年金の保険料が軽減されます。

3.住まい

(1)公営住宅の優先入居

母子世帯・父子世帯等の場合、抽選募集において福祉枠で申し込むことができます。

(2)県営住宅の家賃の減額

収入が一定の基準を下回る方は、家賃が減額される制度があります。

(3)母子生活支援施設への入所

生活上のいろいろな問題で児童の養育が十分できない場合、児童と一緒に入所できる施設です。

4.生活支援

(1)ひとり親家庭への家庭生活支援員の派遣

母子家庭、父子家庭及び寡婦の方が、働くために必要な技能取得のための通学、就職活動や疾病、冠婚葬祭、出張、学校等の公的行事への参加などにより、一時的に日常生活を営むのに支障がある場合に、家庭生活支援員を派遣して家事援助を行います。

(2)ひとり親家庭等児童の一時的な養育・保護

保護者が傷病、冠婚葬祭、出張等により家庭における児童の養育を行うことが一時的に困難となった場合に、児童養護施設等において児童の養育・保護を行います。

5.医療

(1)母子・父子家庭医療費支給制度

配偶者のいない父母、もしくは配偶者が重度の障害がある18歳以下の児童(18歳になって、最初の3月31日までの者)を扶養している方で、前年度所得が児童扶養手当制度一部支給限度額未満の方及びその児童(※児童扶養手当・医事手当の受給者と手当対象児童)について、医療費の自己負担分を支給します。

6.就学

(1)就学援助制度

市立小中学校へ就学させるのに経済的な理由でお困りの方に、学用品費、修学旅行費、給食費等を援助します。

(2)公立高校授業料等減免制度

市町村民税所得割額が非課税の世帯。児童扶養手当を全額支給者等は入学料を免除されます。

所得が一定の金額以下であれば、授業料が徴収されません。

(3)私立小中学校等授業料軽減補助金

一定の所得基準により、授業料を補助します。

(4)私立高等学校等授業料軽減補助金及び私立高等学校等入学納付金補助金

一定の所得基準により、授業料及び入学料を補助します。

(5)ひとり親家庭等入学支援給付金支給事業

ひとり親家庭等の子が大学等(高等専門学校、大学院は支給対象外)に入学する際の準備に必要な費用の一部を助成します。
・支給対象者の子1人につき12万円(支給回数は1回限りです)

7.就業

(1)旅客鉄道株式会社定期乗車券割引制度

児童扶養手当・生活保護の受給者を含む同世代の方に対して「JR通勤定期乗車券」に限り(※通学定期を除く)3割引きになります。

(2)ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業

高校を卒業していないひとり親家庭の父母や、20歳未満の児童を対象に、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指す講座受講料の一部を助成します。
(1)受講修了時給付金・・・受講費用×20%(上限10万円)
(2)合格時給付金・・・受講費用×40%(受講修了時給付金とあわせて15万円を上限とする)
(3)合格時支援金・・・受講費用×40%(上限なし、支給対象は児童のみ)

(3)自立支援教育訓練給付費

ひとり親家庭の母又は父が、経済的自立のために雇用保険法指定の職業能力開発講座を受講した場合に、その受講費の6割相当額を支給します。(上限20万円、下限1万千円)
※雇用保険法の教育訓練給付金を受給できる場合は、その講座受講料の6割相当額のうち、教育訓練給付金を差し引いた金額を支給します。

(4)高等職業訓練促進費

ひとり親家庭の母又は父が、就職に有利な資格取得(国家資格)と経済的自立のために1年以上養成機関で受講した場合(上限3年)に、訓練促進費を支給します。
終了時には、入学支援終了一時金を支給します。
【対象となる資格】看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、保育士、介護福祉士、歯科衛生士、美容師、社会福祉士、製菓衛生士、調理師等

(5)高等職業訓練促進資金

ひとり親家庭の母又は父が、自立の促進を図ることを目的として、上記の高等職業訓練促進費を活用する場合に、次の資金を貸与します。この2つの資金は両方受けることも、どちらか1つのみ受けることも可能です。
1.入学準備金(入学金、教材費、参考図書、学用品、交通費等)
2.就職準備金(転居費用、仲介手数料、被服費、通勤自動車購入等)
※この資金は、取得した資格が必要な業務に5年間継続して従事すれば、変換する必要がなくなります。

8.相談

(1)ひとり親家庭の悩みごと相談・就業相談

母子父子自立支援員が、ひとり親家庭を取り巻く経済上の問題、児童の問題、就労、福祉資金の貸し付け及びその他生活問題や、ひとり親家庭の母・父及びお子さんの就業に関する相談に応じます。

(2)弁護士による相談

各種法律相談を弁護士が行います。離婚前の方も対象です。

(3)養育費相談

養育費、面会交流等の問題を含め相談ができます。離婚前の方も対象です。

(4)キャリアカウンセリング

職歴や適性・希望に応じて、職業・生活設計を行い、計画的にスキルアップしていくために、専任のキャリアカウンセラーが就職についての相談に応じ、就職の悩みに具体的なアドバイスをします。

まとめ

よく耳にする児童扶養手当以外にも、ひとり親家庭が受けれる支援制度は様々なものがあります。

多くの市町村では、離婚時にこういった制度の案内を渡してくれますので、必ず確認することが必要です。

これらの制度は知らないと活用できないものも多く、あとから知っていれば利用したのに!と思うことにならないよう、事前に把握しておきましょう。

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