10人に1人がなる「父親の育児うつ」とは?症状や対策まとめ

男性の産後うつの症状や対策まとめ

産後うつという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。しかし、産後に起こるうつ状態は女性だけのものではなく、父親である男性もなる可能性があるということは意外と知られていません。

目次

男性が育児うつになる確率は8%、約10人に1人

男性が育児うつになる確率は8%だといわれています。女性が産後うつになる確率は10%と言われていますから、確率的にはほぼ同じです。

女性が産後すぐうつになるのに対し、男性は生後3~6カ月くらいに発症することが多いと言われています。

育児うつの原因は?こんな人が育児うつになりやすい

育児うつになりやすい男性の特徴は以下のものです。

  • 真面目である
  • パートナーがうつである
  • 夫婦関係が良くない
  • 経済的に不安定である
  • 昇進、退職、転職、親の介護などの大きな出来事や問題が重なる
  • 家族歴(うつは家族性が高いと言われています)
  • 病歴

子どもが生まれると、責任が大きくなり、経済的にも負担が増えます。父親になったことを少なからずプレッシャーに感じる男性は多いものです。心理的なものに加え、肉体的にもハードになります。男性は安定して収入を得るためにより仕事に精を出し、かつ家に帰れば家事や育児の負担ものしかかり、過労状態に陥るケースも少なくありません。残業して深夜に帰宅した後にさらに家事育児をやらなくてはならない人もいます。真面目な男性は職場では仕事、家では家事・育児の手を抜かず頑張りすぎてしまい、その結果、うつになってしまうのです。

日本では、他の先進国に比べ労働時間がずば抜けて長いと言われています。日本の働き方は、ワークライフバランスを考える企業が増えている今でも、夫の労働を妻が支えるような形で成り立っていケースが多いと考えられます。我が子が生まれても企業が働き方を見直してくれるとは限らず、仕事での残業が当たり前、終電での帰宅が当たり前といった働き方を続けている人にとって、帰宅後の育児は完全にキャパオーバーです。我が子への育児負担を男女平等にするには、まず労働時間の見直しを進めていかなくてはいけません。
また、3食とも火の通した料理を出すなど求められる家事レベルが高いことや育児に関しても「3歳児神話」などで幼い子どもを預けることができないなど、家事や育児に手を抜くこともできません。諸外国のようにベビーシッターも普及してはいません。

さらに、育児をする母親が「ワンオペ育児」と言って孤独・孤立しやすいのと同じように、父親は周囲に子育てについて相談できる相手があまりいません。会社の上司や先輩も、子どもを持っていたとしても、子育てに関わってきていないために子育ての負担については全く理解がないケースも多いのです。それゆえ、社会とつながっていても子育ての点では愚痴を言うことができずにストレスをため込みやすい傾向にあるのです。

今の父親、母親は抱えられないほどの負担を強いられていると言っていいでしょう。

また男性は子どもが生まれると突然生活環境が激変することも、生活の変化についていけずストレスを抱える原因になると考えられるでしょう。

男性の育児うつの症状は?

育児うつになった男性はどのような症状が出るのでしょうか?

  • 抑うつ、気分の落ち込み
  • 赤ちゃんに興味がなくなる、無関心になる
  • 赤ちゃんとの距離を感じる
  • 父親の役目をはたしていないのではないかと不安になる
  • イライラする
  • 不眠や頭痛といった身体的症状

特にイライラ状態に陥ると、男性の場合は外にストレスを向ける傾向が強いことが知られています。その結果、イライラの矛先が赤ちゃんに向き、虐待などにつながってしまう場合もあります。

男性の育児つにも適切なケアが必要です。

父親、母親共にうつにならないためにはどうすればいいのか?

まずは、赤ちゃんの育児に専念できるように家事を分担したり、育児に集中できる環境を整えることです。
他にも家事の負担を減らすための最新家電を購入する、宅配サービスを頼んでおくといったことも有効です。普段から家事をやり慣れていない人の場合は、子どもが生まれたらすぐに家事ができるようになるわけではありませんので、前もって準備をしたり環境を整えておくことを忘れないようにしましょう。

大事なのは夫婦が話し合うこと。大人が二人いるわけですので、お互いに負担を分け合い、役割を分担して共同で生活を回していくという考え方が必要です。

そして育児負担は子どもの性格や多児、周囲からのフォローの有無などによっても大きく異なるため、他の人がうまくやれているから自分たちができないことがおかしいといったこともありません。正直なところ育児の負担は「生まれてみてから分かる」ことも多く
、子どもが生まれてから「こんなに負担が大きいとは思わなかった」ということも育児には起こり得る変化です。
そのため、産前前にいくら計画立てていても思わぬ負担が生じ、うつ状態になってしまうことは十分に考えられるのです。

もし、産後にうつになってしまったとしても、自分たちの子育て計画がうまくいかなかったわけではないことを覚えておきましょう。

そして周りにSOSを出すことも育児負担が大きい場合には特に重要です。夫婦だけで抱え込まずに積極的に人の手を借りましょう。

必要であれば、クリニックの受診を

男性の育児うつは、60~80%以上の確率で状態がよくなることが知られています。適切に治療をすれば完治できる病気なのです。

「妻や家族もつらいのに自分だけがこんな症状になってしまって申し訳ない」と思い、受診を躊躇してしまうケースもありますが、鬱状態の人を抱える負担は大きく、そこに育児が加わると両親ともに倒れてしまうこともあり得ます。受診をしたほうが結果的には家族に負担をかけずに済む可能性が高いのです。

症状が良くなった暁には、赤ちゃんと関わることが楽しくなり、あなた自身が理想としている父親像になれることでしょう。

まとめ

  • 男性も10人に1人の確率で子どもが生まれた後にうつになる
  • 日本の男性は過労状態
  • うつを放っておくと虐待につながる可能性がある
  • 適切なケアをすれば60~80%以上の確率でよくなる
  • クリニックに行き、治すことが理想の父親になるためにも必要
男性の産後うつの症状や対策まとめ

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