私自身のモラハラの体験談をこのサイトにも掲載しています。
もし、あなたが誰かのためにモラハラを調べているのだとしたら、モラハラの体験談を読んだり、聞いたりして、どう思いましたか?
それくらいなら、たいしたことない、と思いましたか?
モラハラがなぜ怖いのか、なぜ被害者はモラハラから抜け出すことが出来ないのか、モラハラを受けた結果、どうなってしまうのかを解説します。
1.自己否定の恐ろしさ
過去に行われた人体実験によると、鏡を見るたびに鏡に向かって「お前は誰だ!」と言い続けると、次第に鏡に映っているのが誰だかわからなくなり、その状態でさらに実験を続けると、独り言などのおかしな言動があらわれはじめ、ついには精神が崩壊してしまう、とのこと。(※絶対にマネしないでくださいね。)
「お前は誰だ?」というのは一見、疑問文のように聞こえますが、本来鏡に映っているのは自分自身。自分のことを分からない人はいません。
つまり、「お前は誰だ」というのは明確にいうと、「お前は私ではない。おまえは誰だ?」という強い「自己否定」です。この実験では繰り返し、被験者に自己否定をさせているわけです。
この実験結果から分かることは、こうやって自己否定を続けると、「簡単に精神を壊すことが出来る」と言うことです。たとえ、本人が「自分を否定している」自覚がなかったとしても・・・。非常に恐ろしい結果ですよね。
注意!:この話は、インターネットでも広く普及していますが、ソースがハッキリとしないため、本当にこの実験かあったかどうかは分かりません。
2.脳は高性能だが騙されやすい一面も
精神と言うのは脳が司っています。また、よくある、同じ色が違ってみえたり、長さが違ってみえるなどの「錯覚」のように、脳と言うのは簡単に騙されてしまうこともよく知られています。
この実験が本当に行われたかどうかは分かりませんが、この「錯覚」と同じで、繰り返し否定を受けることで脳が騙されてしまい、自分を認識できなくなると言うことは十分考えられます。こうして脳のバグによって自己を保てなくなった被験者は、精神に異常をきたしてしまうのでしょう。
この人体実験から分かることは、繰り返しの「自己否定」からの「精神崩壊」は、本人の心の強さがどうのこうのと言う問題ではなく、脳自体の機能がもたらすものであるということです。
3.モラハラは被害者の「自己否定」を招く
モラハラは、「ばか」「アホ」「グズ」「死ね」などの誰がきいても明らかな暴言を伴わないので、自分が否定されていることが分からなかったり、被害に遭っていることにその場では気づかないことも多いです。ハッキリと心に傷を負った、と言う自覚もあまり持ちません。
また、明らかな暴言は、加害者・被害者がハッキリとわかれ、被害者も加害者を認識します。
しかし、モラハラの場合は、「みんながおかしいと言っている」「俺はお前のことを思って言っている」などと言うことで、被害者側が加害者が悪いという意識を持たず、さらには自分が加害者であるような意識さえ持ってしまうこともあります。
こうして、加害者だと思わされた被害者は恐ろしい「自己否定」を始めるのです。
4.「自己否定」の結末は精神の崩壊
一つ一つを取れば、たいしたことないのでは?と思うモラハラの行いが本当に怖いのは、繰り返し繰り返し否定が行われることによって、次第に、本当に自分がおかしいのだと思い込んでしまうことです。
そうして、本来であれば被害者であるはずが、「自分のせいで」や「自分が悪いんだ」などという加害者意識を持ち、ついには自己否定をし始めます。
自己否定が招くのは、この実験結末のような「精神崩壊」です。
5.モラハラは自尊心を傷つけるひどい精神攻撃
モラハラ被害者には自尊心が低い人が多い、とよく言われています。しかし、むしろ逆で、モラハラを受け続けることによって自尊心が低くなってしまった、と言うのが正しいと私は考えています。
と言うのも、日本人はもともと謙遜を美徳とする文化で、社交辞令でも「そんなことないですよ」といったやり取りがよく行われます。そのため、どれだけの自尊心があるかと言うのは他の人からだと判別がつきにくいですし、また文化的にも海外と比べ、日本人は自尊心が低いということも知られています。
それゆえ、本人が自尊心が低いと思っていても、一般的な日本人に比べると同等程度の自尊心を保っていることは十分に考えられます。
しかし、確実に言えるのは、モラハラは被害者の自尊心を傷つける行為であり、モラハラを受けた結果、必ず被害者は自尊心が低くなっている、と言うことです。
6.モラハラ被害者の方へ
モラハラの怖さは、
1.被害者意識を持てないことから、置かれている状況から脱することを本人が気づかない、もしくは希望しないこと。
そして、
2.被害者が気づかないうちに自尊心が傷つけられ、自己否定をしてしまい、心を病んでしまうこと。
です。
実験からもモラハラ被害者の方の心が弱いために精神を病んでしまうわけではないということが分かります。
しかし、気づかないまま進行してしまった症状を回復させるためには、何よりもモラハラ加害者から逃げ出すということが必要です。
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