「児童扶養手当」が変わる!全額支給家庭が増える、年6回支払いになるなど変更点まとめ

「児童扶養手当」が変わる!全額支給家庭が増える、年6回支払いになるなど変更点まとめ

児童扶養手当とは、母子手当とも言われるシングルマザー、シングルファザーの人に国から支給される手当です。(支給要件には所得制限があります。)

この児童扶養手当が、2018年8月には全額支給の対象となる方の所得限度額が引き上げになります。今までは、全額支給の対象ではなかった方も対象になる可能性があり、全額支給の家庭が増えます。

また、2019年11月からは、支払い回数が現状の年3回から年6回に変更になります。

よりひとり親に優しい制度へとなっていくのですね。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

目次

2018年8月から、全額支給の対象となる方の所得限度額が引き上げに

1.2018年(平成30年)8月から「全部支給」の対象となる方の所得限度額が引き上げされます。

 

扶養する児童数

全部支給となる所得制限限度額
収入ベース(いままで) 収入ベース(2018年8月~) 所得ベース(いままで) 所得ベース(2018年8月~)
0 920,000 ⇒1,220,000 190,000 ⇒490,000
1人 1,300,000 ⇒1,600,000 570,000 ⇒870,000
2人 1,717,000 ⇒2,157,000 950,000 ⇒1,250,000
3人 2,271,000 ⇒2,700,000 1,330,000 ⇒1,630,000
4人 2,814,000 ⇒3,243,000 1,710,000 ⇒2,010,000
5人 3,357,000 ⇒3,763,000 2,090,000 ⇒2,390,000

 

・扶養人数0とは?

上の表を見ると扶養する児童数に0という行がありますね。これを見ると子どもを扶養していない人でももらえるの?と思ってしまいますが、そうではありません。

見るときの所得は「前年度所得」です。そして前年度に児童(子ども)を扶養していたかどうかです。(1月~7月は前々年度)

例えば、もともと専業主婦の方が離婚した場合、結婚時には自分と子どもが夫の扶養に入っていたはずです。そうなると、前年度は自分が扶養していた児童(子ども)は0になります。

同じく新しく子どもが生まれた場合でも、次の年の8月から扶養人数が増えることになります。

※このように実際に現在、扶養している人数と、このグラフで見る扶養する児童数にはズレがある場合がありますので、注意が必要です。

 

2.所得の算定に当たって控除の適用が拡大されます。

未婚ひとり親の場合は、所得を算定するにあたって、「寡婦・寡夫控除」が適用されたものと見なし、総所得金額等合計額から27万円(※一定要件を満たす場合は35万円)を控除します。

 

3.土地や建物を売却したときのお金も総所得金額棟合計額から控除します。

◆具体的な控除額

  1. 収容交換などのために土地等を譲渡した場合の5,000万円
  2. 特定土地区画整理事業などのために土地等を譲渡した場合の2,000万円
  3. 特定住宅地造成事業などのために土地等を譲渡した場合の1,500万円
  4. 農地保有の合理化などのために農地等を売却した場合の800万円
  5. マイホーム(居住用財産)を譲渡した場合の3,000万円
  6. 特定の土地を譲渡した場合の1,000万円
  7. 1.~6.のうち2つ以上の適用を受ける場合の最高限度額5,000万円

[originalsc]

児童扶養手当がもらえるかどうかはどうやって計算するの?

児童扶養手当の支給金額

2018年度の児童手当支給額です。

1人目 2人目加算金額 3人目以降加算金額(児童1人当たり)
全部支給 42,500 10,040 6,020
一部支給 42,490 ~ 10,030 10,040 ~ 5,020 6,020 ~ 3,010

 

児童扶養手当の計算方法

総所得(給与所得控除後の金額等) + 養育費の8割 - 8万円 - 各種控除(各種控除は上記の3.と下記)

この金額が上記の所得ベースの金額よりも少なければ全額支給されます。もし金額が多かったとしても、一部支給される可能性もあります。

もしくは

年収 + 養育費の8割 - 各種控除

この金額が上記の収入ベースの金額よりも少なければ全額支給されます。もし金額が多かったとしても、一部支給される可能性もあります。

 

同居、生計を同じくする親族がいる場合

実家に住んでいる、家族の持ち家に住んでいるなど同居又は生計を同じくする親族(父母、祖父母、子、兄弟姉妹)がいる場合は、家族の収入も審査の対象になります。

扶養する児童数 扶養義務者の所得制限限度額
0 2,360,000
1人 2,740,000
2人 3,120,000
3人 3,500,000
4人 3,880,000
5人 4,260,000

自分の所得は制限限度額未満であったとしても、家族の所得がこれよりも多かった場合は支給対象外になります。(全部支給、一部支給ともに同じ所得制限限度額です。)

※扶養親族が2人以上の場合、老人扶養親族1人につき(扶養親族が老人のみの場合は2人目から)6万円が上記の所得制限限度額に加算されます。

 

各種控除

  • 障碍者控除 27万円
  • 特別障碍者控除 40万円
  • 勤労学生控除 27万円
  • 寡夫(寡夫)控除 27万円
  • 特別寡夫控除 35万円
  • 雑損控除、医療費控除、配偶者特別控除、小規模企業共済等掛け金控除、地方税法附則等第6条第1項の金額

 

一部支給の計算方法

扶養する児童数 一部支給となる所得制限限度額
0 1,920,000
1人 2,300,000
2人 2,680,000
3人 3,060,000
4人 3,440,000
5人 3,820,000

上記の所得制限限度額未満であれば(児童1人の場合 42,490円~10,030円 の範囲で)支給されます。

 

児童1人 = 42,490 - ((受給資格者所得制限 - 全部支給限度額) × 0.0187630 )

児童2人 = 10,030 - ((受給資格者所得制限 - 全部支給限度額) × 0.0028960 )

児童3人目以降(児童1人につき) = 6,010 - ((受給資格者所得制限 - 全部支給限度額) × 0.0017341 )

※10円未満は四捨五入

 

支給額はいくらになる?

実際にいくら手当がもらえるのか計算してみました。参考金額としてお考え下さい。

ケース① 年収200万円 子ども2人 養育費なし のシングルマザー場合

全額支給対象家庭となり 52,540円/月 支給されます。

ケース② 年収100万円 子ども1人 養育費4万/月 のシングルマザー場合

100 + ( 4 × 12 × 0.8 ) = 138.4万円

以前は一部支給対象家庭でしたが、2018年8月から全額支給対象家庭となり 42,500円/月 支給されます。

[originalsc]

2019年11月から、年3回払い→年6回払いへ

また、2019年11月から今まで、4月・8月・12月の年3回払いであった支払い回数が2ヶ月分ずつ年6回に見直しされます。

変更後は、

  • 11月・12月分 → 翌年1月支払い
  • 1月・2月分  3月支払い
  • 3月・4月分  5月支払い
  • 5月・6月分  7月支払い
  • 7月・8月分  9月支払い
  • 9月・10月分  11月支払い

の年6回支払いになります。

 

年6回支払いのメリットは?

今の制度では、離婚してすぐのお金が必要な時に、時期によっては5ヶ月も支給されないということもあるなど、支給までのブランクが長いというデメリットがありました。年6回支払いになると、未給の期間が短くなるという利点がありますね。

 

<今までの制度(年3回支払い)>

7月に申請をした場合、審査が通れば支給が開始されるのは8月分からでしたが、8月~11月分はまとめて12月支払いになりますので、5ヶ月間手当がもらえないことになります。

<新しい制度(年6回支払い)>

7月に申請をした場合、8月分が9月に振り込まれます。2か月後には手当が支給されます。

 

また、家賃などは毎月の支払いがあるため、こまめに支給された方が家計管理が楽になるといったメリットもあります。

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