モラハラ加害者が親になると、子どもにもモラハラをします。
子どもは自分よりも弱い立場ですし、子どもが小さいうちは言葉による自己表現が未熟で言い返すことが出来ないので、子どもはモラハラ加害者にとっても格好のターゲットです。現に、私の子どもたちも、夫に注意されるべきことでないことでも怒鳴られ、ビクビクして過ごしていました。今思えば、もっと早くに離婚をしておけばよかったと悔やんでなりません。
義両親が夫にしていたこと、夫が子どもにしていたことなどを振り返り、モラハラにつながる叱り方を解説します。
モラハラ加害者は子どもへの叱り方(怒鳴り方)にも特徴がある
基本的に義両親は、夫がやったことはそうやらざるを得なかった環境や周りが悪いんだ!といって、夫本人を叱ることはありませんでした。
しかし、夫が他人に対して何かをしたときには、周りや環境に責任転嫁をする一方で、義両親自身の都合が悪いときには夫を徹底的に責める、と言うことをしていました。
(1)大人数で責める
義両親は夫が、自分たちにとって不都合なことや、やってほしくない行動をとるときには、義姉夫婦や親戚を利用して大人数で夫を責めるということを行っていました。1対多で責められるのは非常につらい場面で、私自身も義両親や義姉の態度に恐怖を感じるほどでした。そして夫は、言うことを聞いておけばいい、と義両親の指示に従っていました。
正しい、正しくない、と言うことではなく力の上下関係によって意見を決めるようになります。上のものに対しては、絶対的に正しいという考えを持つのに対し、下のものには自分の考えを押し付けていいと傲慢な態度を取り、激しい二面性を持つようになります。そこには、1対多と言う状況で脅された経験から来る「思考停止」が関係しています。
(2)価値観が違うときに責める
例えば、バイクに乗ってほしくないときや、新車を購入してほしくないとき、などです。それ自体は悪いことではありませんが、義両親の価値観においては、認められない行動だったのでしょう。このように、義両親と夫、義両親と私の価値観が違うときは、義両親の価値観に合わせるように執拗に求めてきました。
モラハラ加害者が、他人の価値観を認められない理由は、自分が親に自分自身の価値観を認めてもらえなかった経験から引き起こされます。価値観は単一ではなくてはならず、必ず正解があるものだと信じています。そのため、他人の価値観が自分と違えば、他人をものすごく批判し、攻撃します。そして、よくモラハラ加害者が使う「お前(あの人)はおかしい」と言う発言につながります。
(3)叱られる場面や行動が一貫していない
同じことをやっていても、あるときは許されるのに、ある時は許されない。そういった行動が繰り返されているうちに、次第に子どもは、親の機嫌で自分が叱られていることに気づきます。叱られるのは自分の行動には関係がないため、いつ叱られる(怒鳴られる)のか予測が出来ません。そうして、親の機嫌をうかがいながら過ごすようになります。常にビクビクして、「これは言ってもいいのだろうか」など、予測できない相手におびえて過ごすようになります。
モラハラ加害者が、たとえ注意を受けても自信を省みない行動の発端には、こういった幼少期の経験があります。夫も会社で上司から叱責を受けても「相手の機嫌が悪くて叱られた」「あの人は、機嫌に左右される扱いにくい人だ」といつも言っていました。叱られる理由が自分の行動ではないという積み重ねが、原因を外に求めることにつながります。こうして叱責の理由を理解することが出来ない大人になり、失敗から学ぶことが出来ず、社会に出ても成長できません。
(4)ダブルスタンダード
モラハラ加害者はダブルスタンダードが基本です。義両親にとって自分の息子である夫は許されることでも、他人は許さない、といって人によってルールを変えていました。例えば、夫がやったことに対しては、「夫婦は共同責任」「お前がしっかりしていないから」として全面的に妻に責任を押し付けてきたのに対し、私がやったことに対しては、「お前だけの責任だ」と私を責める、と言った具合でした。
子どもは、人によってルールが変わるということに気づきます。そのため、正しいルールはなく、人によってルールの方を変えればいいと学習していきます。特別なルールの上で存在している自分は、他の人よりも優れていると思い込み、他者を見下すようになります。また、モラハラ加害者の一貫性のなさや、激しい二面性のある性格をもつ背景には、このような学習から確固たる信念やルールが存在しないために引き起こされます。
まとめ
子どもは未発達、未熟なため、モラハラ加害者の影響を最も受けやすい立場です。モラハラ加害者によって、子どもの未来まで奪われることがあってはいけません。
モラハラ加害者が子どもに対してモラハラを行う前に、出来るだけ距離をとることが大事です。
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