モラハラ夫に対しては、「私」を主語にして話してはいけない理由と適切な話し方

モラハラ夫に対しては、「私」を主語にして話してはいけない理由と適切な話し方

よく、恋人や夫婦間の頼みごとをするときに命令口調ではなく、「私」を主語にしてお願いするほうがケンカを回避できるといわれます。

たとえば、帰りが遅い夫に対して「こんな遅い時間まで何をしていたの!」というのではなく、「(私は)連絡もなくてとても心配だったよ」というような言い方です。これを「I(アイ)メッセージ」と言います。

しかし、このような夫婦喧嘩回避の話し方は、残念ながらモラハラ夫相手には通じません。その理由をお話しするとともに、どういう話し方が良いのかを紹介します。

目次

「I(アイ)メッセージ」の利点

さて、冒頭でお話した「I(アイ)メッセージ」ですが、この伝え方が夫婦喧嘩を回避できる理由があります。

冒頭の例では、妻は、深夜になっても連絡が取れない夫の帰りをひたすら待っていました。夕飯は片付けていいのかも分かりませんし、もしかしたら何かしらトラブルがあって帰宅できないのか、とにかく心配で先に寝ることもできません。すると「ただいま~」といって帰宅した夫。無事に帰ってきたことでホッと胸をなでおろしますが、帰宅した夫の顔をみたらいつも通りで、拍子抜けして心配していたことがバカバカしくなり、つい「こんな遅い時間まで何をしていたの!」と言いたくなってしまいました。

連絡の一つくらい入れてくれればこんなにも不安になって待ち続けることもなかったのに、と相手を責めたくなる気持ちも分かります。

しかし、夫側にしたら何かしら連絡が入れれなかった事情があるかもしれません。もしかしたら、夫は仕事のトラブルに追われていて連絡をする時間もなかったのかもしれません。ようやく片がついて疲れて帰宅したら、帰宅してすぐ責められ、疲れもどっときて妻の不満をまともに取り合う気持ちもなくなってしまうでしょう。

妻側としたら、遅くなった理由を聞きたいよりもまず、「遅くなったら連絡をして欲しい」ということをもっとも伝えたいはずです。しかし、最初の一言で責められたと感じた夫は反発したくなり「そんな時間もなかったんだよ!」と喧嘩が始まってしまう可能性が高くなってしまいます。

この時に、まず「(私は)心配したんだよ」という「I(アイ)メッセージ」を入れると、夫側も「(自分の事情はあれど、やっぱり)妻に心配をかけて悪いことをしたな」と思えます。すると、素直に「遅くなったら連絡をして欲しい」という希望を聞くことができるのです。「次からは気をつけるよ」といって丸く収まるでしょう。

「I(アイ)メッセージ」を使うことで、

①(妻側)相手を責める → (夫側)否定、反発、無視をしたくなる

から

②(妻側)自分の気持ちを伝える → (夫側)相手の気持ちに共感でき、素直に受け入れることができる

に変えることができます。

すると、妻としても自分の気持ちを分かってもらえたので、それ以上不満は無くなります。お互いにとって、いい結果に落ち着くことができるのです。

「I(アイ)メッセージ」は罪悪感のない相手には伝わらない

一見、パーフェクトそうな「I(アイ)メッセージ」ですが、このメッセージが有効なのは、共感力があり、罪悪感のある人にのみに限られます。

つまり「(悲しい思いをさせて)悪いことをしてしまったな」「心配させて悪かったな」と思える人でなければ「I(アイ)メッセージ」は効果がないのです。

モラハラ夫は残念ながら

  1. 共感力が低い、もしくは無い
  2. 罪悪感がない(場合がある)

ため、「I(アイ)メッセージ」を聞いても「妻に悪いことをした」と思うことができません。

またモラハラ夫は、妻をコントロールするためにわざと妻が悲しんだりショックを受ける行動をし、「自分の言うことを聞かなければ〇〇するぞ」と脅しに利用します。この場合であれば、夫が連絡もなしに帰宅することが妻を心配させると分かれば、あえて連絡をしないで遅い時間に帰宅するということをしてくる可能性があるのです。

妻の弱点を知らせることとなり、かえって夫に妻をコントロールするための材料を与えてしまいます

モラハラ夫には、「I(アイ)メッセージ」は逆効果であることを覚えておいてください。

モラハラ夫相手に有効な伝え方は?

「I(アイ)メッセージ」はモラハラ夫には逆効果なので、決して使わないようにしましょう

では、モラハラ夫にはどういった話し方が有効なのでしょうか?

上の例であれば、モラハラに有効な話し方は、

「何時までに夕食がいるかいらないかという連絡をもらわなければ、先に夕食を頂きます」もしくは、「何時以降は先に寝ます」ということを伝えるのがベストだと考えられます。

つまり、夫の行動に関係なく、決められた時間(や条件)が来たら妻は妻で行動するという線引きを明確にすることが大切です。

夫の都合や夫の時間に合わせて妻が行動するということが分かると、モラハラ夫はそれを妻をコントロールするために使ってしまいます。

そこで、「夫がどんな行動をしたところで私の行動は変わりません」という宣言するのです。

そうすれば、夫は妻の行動をコントロールすることができないのだと学び、わざと帰宅を遅くするメリットがないと判断して(自分の疲れがたまるだけ、睡眠時間が減るだけ)モラハラに利用しなくなります。

大切なのは、夫がモラハラができる環境を整えないことです。

モラハラに関係する行動は自分の生活から切り離しましょう。

まとめ

  • 「I(アイ)メッセージ」はモラハラ夫相手には逆効果
  • 夫のモラハラ行動に振り回されない生活をする、夫にもそう宣言することが大切
モラハラ夫に対しては、「私」を主語にして話してはいけない理由と適切な話し方

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