子どもがいる場合に離婚する際には、親権と養育費を決めることが一般的です。養育費とはどういうお金なのか、またそれ以外に支払いを請求できるお金は何があるのかをまとめました。
養育費とは何のお金?養育費の内訳は?
子どもが成人するまでに必要なお金が養育費です。別居親が監護親に対して支払います。
2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられました。「子らが成人するまで支払う」と取り決めた場合、18歳まで支払えばいいのか、20歳まで支払えばいいのかが分かりません。混乱を招かないためにも、成人という言葉を使わずに明文化する必要があります。たとえば、高校3年生まで支払う場合には、「満18歳に達した後、最初に到来する3月まで支払う」という記載にしましょう。
「養育費」の中には、
- 子どもの衣・食・住にかかるお金
- 医療費
- 教育費
- 娯楽費
- 交際費
- お小遣い等
が含まれています。
普通に生活する上で必要なお金はすべて「養育費」に含まれています。養育費は、離婚理由を作った原因があるから、支払うほうの生活が苦しいからといった理由で支払いを拒否することはできません。
しかし、上記以外に子どもを育てるにあたって臨時でかかってしまった費用については、両親間で負担することが可能です。
養育費以外で請求できるお金
では、養育費以外で請求できるお金は具体的にどんなものがあるのでしょうか?
- 子どもの留学費用
- 公立の学校に行くことを想定していたが、私立に通うことになった時の教育費
- 最終学歴を高卒と想定していたが、大学に進学したときの教育費
- 最終学歴を大卒と想定していたが、大学院に進学したときの教育費
- 大きな病気やけがなどでかかった医療費
- 事故や病気等で子どもに後遺症が残ってしまい、働けなくなった時などの生活費
といったものです。
ただし、これらのお金は必ず支払ってもらえるわけではありません。
たとえば、年収が300万の家庭の子どもを私立に通わせることが妥当であるかと言えばそうではありません。多くの家庭では、子どもに与える教育は家庭の年収に見合ったものになるからです。年収から見て妥当な教育費であり、双方が納得した場合に支払ってもらうことができると考えられます。
そして、どんな場合でもまずは相手に支払ってもらえるように働きかけるプロセスが必要です。
相手と協議をしたうえで支払ってもらうことが妥当であるのか、またどのくらいの割合で支払ってもらうのかなどを決めることになります。
養育費以外でかかったお金を請求することができるようにするために
養育費以外でかかったお金を請求することができるようにするためには、あらかじめ離婚で公正証書や調停証書を作成する際に、次の一文を加えておくといいでしょう。
「子らの進学、病気等のため特別の出費を要する場合には、その負担について、別途協議するものとする。」
しかし支払いをお願いしたいときも、いきなり支払いを請求するのではなく、子どもの進路を両親間で話し合うような気持ちで対話ができると良いですね。
まとめ
子どもにとって必要なお金であれば両親で負担できることが望ましいでしょう。
なぜそのお金が必要なのか、想定していた以上の教育がなぜ子どもに必要なのか、進学の場合はなぜ奨学金等ではいけないのかなど相手が納得できるように話し合いをすることが大切です。
なんでもかんでも相手にお金を請求すればいいわけではありません。相手からの不信感を買えば、その後の交渉は厳しくなります。子どもの夢をかなえるためにどうしても必要であるということを分かるように説明することが求められます。
納得してもらえれば支払いを負担してもらえるでしょう。
コメント