母子家庭の養育費は平均でいくらもらっている?確実にもらうためにやるべきことは?

【シングルマザー】母子家庭の養育費は平均でいくらもらっている?

子どもがいる場合に、離婚時に話し合わなくてはいけないのは養育費についてです。養育費は継続して支払われているのが2割であり、約8割の人が全くもらえていないもしくは途中でもらえなくなっているのが現実です。どうすれば、養育費をきちんと支払ってもらえるのでしょうか?また、養育費は平均していくらもらっているのでしょうか?

厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告をもとにまとめました。

養育費は、算定表をもとに金額が決められることが一般的です。算定表は、調停や裁判でも採用されています。

目次

養育費について相談した?約半数が誰かに相談している

平成28年度 養育費についての相談先(母子家庭)

総数相談した相談していない不詳
親族知人・隣人養育費相談支援センター県・市町村窓口母子・父子福祉団体弁護士家庭裁判所NPO法人その他
181744492449314615913282661
養育費について誰に相談したか


養育費については、1817件中930件(51.2%)が親族を含めた誰かに相談をしています。半数以上は相談をしているという結果になりました。

相談先は、「親族」が最も多く444件(24%)でした。次に家庭裁判所が159件(9%)で弁護士146件(8%)と続いています。「家庭裁判所」というのは調停や審判、裁判で調停委員や裁判官などに相談したということでしょう。日本においては、双方の話し合いで離婚する協議離婚が約9割で、協議離婚以外での離婚(調停離婚、審判離婚、裁判離婚)の1割とほぼ一致します。

弁護士については、協議離婚において弁護士に相談したり、弁護士に間に入ってもらったという場合であると考えられます。

養育費の取り決めをしているのは約4割 文章ありは3割

平成28年度 養育費についての取り決め状況(母子家庭)

総数養育費の取り決めをしている養育費の取り決めをしていない不詳
文章あり文章なし不詳
裁判所における取り決め、強制執行ができる公正証書その他の文章
1817455117205398552
養育費についての取り決め状況

養育費については、取り決めをしているのは約4割という結果になりました。5割を超えるカップルが取り決めをしないまま離婚をしています。

取り決めをしていない理由で最も多いのは、「相手と関わりたくない」で309件(31.4%)でした。離婚を選択するに至った理由を考慮すれば、相手と交渉をすること自体も非常に難しいという状況が伺えます。

続いて、「相手に支払う能力がないと思った」が205件(20.8%)、「相手に支払う意思がないと思った」が175件(17.8%)となっています。「相手に養育費を請求できることを知らなかった」は1件、「子どもを引き取った方が、養育費を負担するものと思っていた」は6件であり、合計しても全体の0.7%です。また「取り決めの交渉をしたがまとまらなかった」も5.4%であることから、養育費については知っているもののあえて請求しない人がほとんどであり、そもそも交渉すらしていないことが分かります。

養育費の平均は?

養育費を受けている人の平均は次の通りです。

平成28年度 子どもの数別養育費の受け取り状況(ひと月当たり)

全体子ども1人子ども2人子ども3人子ども4人
43,707円38,207円48,090円57,739円68,000円

全体では、約43,000円の養育費を受け取っています。そして子どもが1人では約4万円子ども2人では約5万円が平均のようです。

どうですか?月に4~5万円の収入が増えるとすると、大きい金額ですよね。

子ども1人の場合、年間では約45万円!

このお金があるのとないのとでは大きく違います。

養育費を必ずもらうためには?

養育費の受け取り状況は、離婚方法別には次の通りです。

 協議離婚その他の離婚(調停・審判・裁判)未婚
現在も受けている22.4%41.5%7.8%
過去に受けたことがある14.3%23.6%9.4%
受けたことがない59.0%30.2%79.4%
不詳4.2%4.7%3.3%

これを見ると、協議離婚では、現在も養育費を受けている人は22.4%であるのに対し、その他の離婚では41.4%と約2倍に跳ね上がります。また、「過去に受けたことがある」割合も、協議離婚が14.3%に対し、その他の離婚では23.6%と約1.5倍です。しかし、家庭裁判所で取り決めをしても、約3割は一度も払うことがないというのも驚異的な数字です。

養育費は、取り決めをしても離婚後1年以内に支払われなくなる確率は約5割と高いのが現状です。つまり、ただ単に取り決めをするだけでは、いずれ支払われなくなる可能性が高いため、「強制執行ができるかどうか」が大きなポイントになります。

養育費の強制執行とは?

養育費の支払いが滞り、支払いを請求しても払ってもらえないときに強制的に財産から支払いをさせることができます。しかし、いついかなる場合でも強制執行ができるわけではありません。

強制執行ができる場合は、次の通りです。

  1. 養育費の支払いについて裁判で勝訴した場合
  2. 調停で養育費について取り決めをし、成立した場合
  3. 審判で養育費について判決が下った場合
  4. 養育費について取り決めをし、それを公正証書として作成し、なおかつ「養育費が不払いになった場合に強制執行ができる」という一文が入っている場合

 つまり、ただ文章にしただけでは強制執行の効力はなく、きちんとした公的な文章として作成しなくてはいけません。

養育費の不払いで後悔しないためには?

あの時にちゃんと養育費について取り決めをしておけばよかった…。

離婚後生活が苦しくなったり、子どもに十分な教育を受けさせてあげれないときに考えるのが受け取れなかった養育費のことです。もし、そのお金があったら今よりもだいぶ生活が楽になっただろうに…。

そんな後悔をしないために、離婚時に養育費について取り決めをしておきましょう。

また、養育費は強制執行もできるため、相手に財産があるのであればお金をもらうことができます。かならず、強制執行ができる形での文章を作成してください

子ども一人の場合、平均では1年間で45万円、10年間では450万円です。子どもが小さいときに離婚した場合、支払い期間が長くなるため養育費は無視できない金額になります。

過去の養育費は請求できる?

もちろん、離婚後に養育費を請求することはできます。

取り決めをしていた場合、過去の養育費については10年さかのぼって請求できます。取り決めをしなかった場合はできるだけ早くに申し立てをするべきです。また、過去には受け取っていたものの途中で支払いが途切れてしまった場合でも、再度、強制執行のできる形で取り決めをすることができます。

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