モラハラを受け、被害が深刻な場合は、病院、クリニックなどにかかり診断書をもらうと有力な証拠となります。一方で、クリニックにかかっていることが親権獲得に不利になるのでは?と考える方も多いと思います。
精神科への通院は、親権獲得にどのくらい影響があるのかをまとめました。
1.精神科への通院は親権獲得にどのくらい影響するのか?
1-1.精神科への通院だけでは親権獲得に影響はない
精神科に通っていることだけでは、親権獲得に不利に働くということはないようです。精神的な病気があったとしても、病院にかかりカウンセリングや服薬などの治療をすることで、問題なく子どもを育てられるのであれば、マイナスに働くことはありません。むしろ、病気を治すために、適切な治療をしていると見なされるでしょう。
しかし、精神的な病のため、子どもを安定した環境で養育することが難しい場合は、親権獲得に不利になる場合があります。これは、病院に通っている通っていないは関係ありません。
1-2.親権獲得に不利になるケースは?
子どもを安定した環境で養育できないと見なされるのはどのようなケースでしょうか?
- 入退院を繰り返す
- 家出を繰り返す
- 病気のため、子どもの養育ができない(寝たきりなど)
- 自殺未遂を繰り返す
- ギャンブル依存などで借金を繰り返す
- 暴れる、暴力をふるう
- 子どもを虐待している
親権獲得への影響があるのは、病院にかかっているかかっていないということではなく、子どもへの悪影響がある場合や安定した養育ができない場合です。
私の元夫は、親権を主張していましたが、親権者になれないであろう理由に「自殺未遂を繰り返していた」ことが関係していました。
精神科に通っていたとしても、薬を飲むことで安定した状態で子どもを育てることができていれば問題ありません。特に、別居前や離婚前に精神科にかかっていたとしても、そのときにも子どもを養育できていたということはまごうことなき『養育の実績』になります。
逆に精神科に通っていなかったとしても、子どもの養育環境としてふさわしくないと見なされれば親権獲得に不利になります。
1-3.親権者決定に重要視されるのは、養育実績と養育環境
親権者を決定するときに特に考慮されるのは、『養育実績』です。
家庭裁判所は、子どもの養育環境をコロコロと変えることを好みません。そのため、現在安定した養育環境があるのだと見なされれば、そこから「特別な理由が無い限り」は、養育者や親権者が変更される可能性は低いということです。
そのため、元々は専業主婦で母親がずっと養育をしてきていたのだとしたら、母親が親権者として有利です。
しかし、別居を機に養育者が父親にうつり、そこで養育実績ができてしまうと、いくらそれまで母親が育ててきていたとしても親権者は父親の方が有利になります。父親のもとでの安定した養育環境があると見なされ、親権者を母親にすることが難しくなります。
別居で子どもが父親と暮らすようになってしまい、それに不満がある場合は、すぐにでも「子の引き渡し調停」を申し立てましょう。
まとめ
親権者獲得に不利になると思い、クリニックに通わない人もいらっしゃるようですが、親権者決定と病院やクリニックへの通院はほとんど関係がありません。
子どもへの養育に問題がないのであれば、クリニックで診断書をもらってモラハラがあったことを証明したほうがいいでしょう。
逆に、きちんと治療をしないことで精神状態が悪化し、本当に養育が困難になるほうが、親権者として不利になります。
養育環境を整えるためにも、症状を改善させることは大切です。
また、今までに安定した養育実績がある場合は、通院履歴にかかわらず、胸を張って親権者を主張できる事実があるということです。
相手が何と言ってきたとしても、堂々としていてくださいね。
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