川崎・登戸児童ら殺傷事件 動機は「拡大自殺」?

川崎児童ら殺傷事件 動機は「拡大自殺」?

川崎での19人が襲われた児童ら殺傷事件。幼い児童が狙われるという悲惨で痛ましい事件です。幼い子どもを持つ親として強い怒りを感じています。犯人はその後、死亡が確認されたため、動機の核心部分に迫ることは難しくなってしまいました。

この事件の犯人の動機は何だったのでしょうか?ネットでは、「拡大自殺」ではないかと言う声が上がっています。

目次

拡大自殺とは?

拡大自殺について、wikipediaではこうあります。

  1. 無関係な他者の(大量)殺人の後に自殺した場合
  2. 嫉妬妄想の対象を殺して自殺した場合
  3. 愛し合う相手を殺して自殺した場合
  4. 自分が死んだら家族が生きていけないと考えて家族を殺した後、自殺した場合

引用:(wikipedia – 拡大自殺)

拡大自殺の中には、心中や無理心中なども含まれており、定義ははっきりと定められてはいないようです。

事件の被害者である児童や保護者らは、確保された男とは無関係の人たちです。今回の事件に照らし合わせてみると、さまざまな定義のうち、1番に該当すると言えるでしょう。

[originalsc]

なぜ拡大自殺が起こるのか?

拡大自殺は、現状に絶望した自殺志願者、もしくは復讐心に燃えた人が誰かを巻き添えにして心中をすることです。

この事件では、事前に新品の包丁を用意していたことから「計画的に」犯行を行ったと考えられています。手に持っていた2本の包丁以外にも、荷物の中に刃物を所持していたことが分かっています。児童らがこの時間にバスを待つことを知った上で、犯行を行った可能性は高いでしょう。

拡大自殺の原因は、単なる自殺願望ではなく、心の内に強い怒りや復讐願望があるということです。犯人とされる男がなぜ児童らを狙ったのかは分かりませんが、「社会」に対して何らかの怒りを抱えており、その強い怒りと復讐心が今回の犯行の引き金になったのかもしれません。

社会に対する強い怒りを抱える原因は、貧困孤立であると言われています。

日々の暮らしに困れば、生活苦によるストレスを毎日溜め込むことになりますし、孤独な生活の中で憎悪を募らせてしまう可能性は高いと言えます。

そして行き場のない怒りや復讐心は、「弱いもの」に向かいます。

大量殺人や無差別殺人の犯人らが「社会に訴えたい」と復讐の矛先を向けるのは、政治家や行政の窓口ではなく、手っ取り早く身近な弱者に向くことがほとんどです。

犯人の心の中には「自己否定」がある?

生活が苦しい、人間関係がうまくいかない、社会から孤立している、などといった人生がうまくいかない中で「自己不全感(自分は不完全な存在であり、どんなことでも満足できないという思い)」を抱え、「自己否定」を繰り返すようになります。

しかし、いつからか自己否定がすすむうちに「社会が悪いのではないか」と言う気持ちが芽生えます。「自己不全感」を抱えて生きるのは相当苦しいため、その苦しさを解消する希望として、「周りが変われば自分の人生も変わる」と思い込もうとするのです。

自分の人生がうまくいかないのは

「自分を受け入れてくれない社会が悪いのだ」

「困窮させる国の制度が悪いのだ」

と歪ませて、「自己不全感」に悩む自分を救うために社会への怒りへと変えたのではないでしょうか。

「復讐」ではない「復讐願望」

しかし、無関係の人に向いた「復讐願望」、それは「復讐」ではありません。ただ単に、溜まったうっぷんを解消するために他人をサンドバッグにしているにすぎません。

「社会への復讐」と言った動機は後付けにすぎず、人生がうまくいかなかった鬱憤を晴らしたかったというのが真実ではないでしょうか。

拡大自殺ではありませんが、大量殺人、無差別殺人の犯人の中には事件の動機を「社会をあっと驚かせたかった」のようにいうこともあります。しかし、「死ぬ前に大きなことをやってやろう」という気持ちが真実のようには思えません。

私には、多くの人の命が奪われたり、無関係の人が殺傷されたり、被害者が幼いこどもであるなど凄惨であればあるほど、自分の怒りの大きさを表すことができると考えているように受け取れます。事件を起こした後に自殺するのは、溜まったうっぷんをスッキリさせることができて満足したからではないでしょうか。

自己表現をするのに、人の命を使っているだけのような気がしてならないのです。

[originalsc]

拡大自殺と言われている事件例

2007年12月14日 長崎県佐世保市のスポーツクラブにて散弾銃乱射。2人が死亡、6人が重軽傷を負う。犯人は翌日に死亡しているのが見つかる。

2015年6月30日 走行中の東海道新幹線内でガソリンをかぶって焼身自殺。女性1人が死亡、28人が重軽傷を負う。

2016年8月7日 東京都杉並区の商店街で火炎瓶を投げ込み、15人がやけどを負うなどした事件。犯人の男は首をつって自殺。

2016年10月23日 栃木県宇都宮市の宇都宮城址公園にて、元自衛官が爆発物を爆発させて死亡し、3人が巻き込まれた。

川崎児童ら殺傷事件 動機は「拡大自殺」?

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