DVやモラハラ被害者のことを考えた共同親権とは?

共同親権と単独親権

以前の記事で政府が共同親権の導入を考えているニュースについて書きました。

実は、世界の多くの国々では共同親権が導入されているところが多く、単独親権の日本はむしろ少数派です。

海外では共同親権が導入されてから年月が経ち、良いところも悪いところも踏まえながら法律を改善させてきました。

このようにすでに共同親権のメリットデメリットを試行錯誤してきた例が諸外国にあることは、導入を考えている日本にとってメリットであると思います。共同親権の適切な部分を日本にも取り入れたいですね。

なかでもスウェーデンの共同親権の考え方が非常に共感できるものであったので紹介させていただきます。

目次

スウェーデンの共同親権導入までの流れ

1920年ごろ 原則として母親に監護権が与えられる

1973年 監護権について両親の合意と子どもの利益が重視されるようになる

1976年 裁判所の審理による共同親権が認められる

1983年 裁判所の命令なしに共同親権を決めることが可能になる

1990年 監護、面会交流、居住、養子縁組、名前に関して子どもの意見が尊重され重要視されるようになる

1998年 両親の一方が単独親権を唱えても、裁判所は共同親権の判決を下すことが可能になる

2002年 DVの子どもへのリスクが軽視されていること、対立の激しい両親のもとでの共同親権は子どもに悪影響があることが提言される

2006年 2002年の提言により法改正がなされる

スウェーデンでも、100年ほど前では、親権、監護権は母親のものと言う考えが根強かったようです。しかし、子どもの権利が重要視され、子どもにとって何が最善となるかを判断していくように法が変わっていきました。子ども自身の意見が尊重されるようになったのです。そして、共同親権の流れとなっていきました。

1998年には、一方の両親が共同親権を望んでいない場合でも裁判所が共同親権の判決を下せるようになります。つまり、両親の合意がない状態でも共同親権になっていったのです。しかし、このやり方では問題が出てきて、強制的に共同親権を決めることは子どもの最善の利益にならないと判断され、2006年には、法改正がされます。

この法改正の内容がものすごく重要です。

2006年の法改正で決まったこと

①「こどもの最善」が養育・居所・面会に関するあらゆる決定において最優先させることを明文化

子どもが虐待にさらされるリスクを慎重に判断

③意見を聞かれる子どもの権利を改善

④両親が解決策を見出す機会を増やす

両親が協力関係を維持できない場合に共同親権の決定を見合わせる

⑥裁判所が決定を下すための資料として、社会福祉委員会へ調査・報告・提案の要請を行う

この⑤番の内容に注目してください。1998年には共同親権が子どもの最善の利益であると唱えられていました。しかし、強制的に共同親権を裁判所が決めたところ、子どもがDVの危険にさらされたり、両親間に挟まれるなどして、子どもにとって不利益な結果になることもあるということが分かってきました。

離婚時、(元)夫婦間は対立状態にあります。しかし、時間が経つことによって元夫婦間の対立は次第に沈静化し、お互いが子どものことを一番に考えれば、話し合いができるようになるのが一般的です。

一方で、離婚して時間がたってもなお、緊張状態が改善されない場合もあります。それは婚姻期間中にDVやモラハラがあった場合です。

こういったケースでは、監護親は、自分や子どもを守るために離婚後も別居親と距離を取るしかありません。

スウェーデンでも、1998年に両親の合意がなくても共同親権の判決を下すことができるようにはなったものの、子どもに関する問題で協力できないほどの深い対立を抱えているケースでは、1人の親が養育するほうが子どもにとって最善になるという意見が強まり、両親が話もできない状態の場合には、単独親権の判決が下されるようになりました。

スウェーデンの法改正は、法に基づいて機械的に判決を下すだけでは、問題を抱えたあらゆる家庭に対応できないということに気づき、各々のパターンにおいて子どもの利益を優先させる必要がある現実を受け入れた結果と言えるでしょう。

本当に子どもの利益を重視するのであれば、すべての子どもに一律に判決を下してはいけないのです

この先、日本も世界に倣って共同親権が取り入れられることになるかもしれません。その時は、「共同親権」が必ず子どもの利益になると決めつけて、決められたハンコを押すようだけの法律にはしてほしくないですね。

まとめ

私自身も、離婚後も両親が子どものために協力し合うことができれば、子どもが他の離婚していない家庭と同じように両親の愛情を受けながら育つことができると考えています。離婚が子どもの人生の障害とならないためにも、子どもにとっての最善の利益が何であるかを考えて両親は行動していかなければなりません。

一方で、夫と私の関係は離婚で夫婦関係が破綻しただけでなく、モラハラと言う行為によって既に人間関係まで破綻しています。

どう考えても、子どもの利益を考えるための話し合いなどできるはずもありませんし、今後もモラハラを受け続ける環境には私自身はもちろんのこと、子どものためにも絶対にさせたくないです。

共同親権と単独親権

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