近年、LINEやメールでの虐待親同士のやり取りが虐待の有力な証拠として扱われることが増えてきました。
LINEやメールからは、虐待の内容だけではなく、どちらの親が主導して虐待をしていたのかや力関係や役割などを読み取ることができます。
こうしたLINEやメールでは、送信履歴に「日時」まではっきりと残るため、証拠としてかなり有力です。
もちろん、モラハラの証拠としてもLINEやメールは有効だといえます。音声での証拠を残しにくい場合は、LINEやメールで証拠を確保する手段もあります。
目次
LINEやメールが証拠として有力な理由
送信時間・送信相手が記録される
まず、先ほども言いましたが、実際のやり取りがあった「日時」が明確になります。さらには、誰に送ったのかも分かります。
誰がいつ、何をしたのかが、LINEやメールの履歴からハッキリと分かります。
双方のやり取りが残る
また、日記では書いた人の主観が入ったり、事実をねつ造して記録することもできますが、LINEやメールでは、双方のやり取りとして残るため、信ぴょう性が高まります。
たとえば、
「あなたからいつもブス!とかデブ!といわれることが辛いからやめてほしい」
というメッセージに対して、
「だって本当のことだろwww」
のように返答があった場合、日常的に「ブス」や「デブ」という発言をしていたことを本人が認めたということになります。これは、実際にモラハラがあったということの確定的な証拠になります。
あとからいじることが難しい
(アプリなども含め)日記では、文章を後で付け加えたりすることもできるため、証拠として提出する段階になってから、話を誇張したり、なかったことを後付けする可能性もあります。たとえば、ブログやワードなどで日記を書いていた場合は、あとでいくらでも編集ができるため証拠としては弱いと考えられています。
しかし、LINEやメールでは、一度送ったものを修正することが難しいため、あとから証拠を改変したりねつ造することができにくいという特徴があります。
メッセージを読んだかどうかまで分かる
さらにメールでは「開封済み」というステータス表示、LINEでは「既読」という機能があるため、メッセージを相手が読んだかどうかまで把握することができます。たとえば、「気づかなかった」とシラを切られる可能性もありますが、ステータスを見れば、それが嘘であることも分かります。
ステータスはいじることもできますが、メーラーによっては、相手がメールを開封したかどうかをお知らせしてくれる機能が付いている場合もありますので、いくら端末上でステータスを変更したところで証拠を確保できます。
LINEで証拠を確保したときにはどうすればいい?
それでは、LINEやメールで証拠を確保しようとした場合のやり方について解説していきます。
①暴言、モラハラなどをやめてもらうように相手に要求する
モラハラはDVと違ってあざやケガなどが残らないため、証拠を残すことが難しいといわれています。
そこで、相手から言われたことやモラハラ行為を改善する要求を加害者に送り、モラハラの事実を文章に残しましょう。
たとえば
とか
などです。
これに対して、相手がモラハラ行為を事実とするような返答が返ってこれば、証拠としてより有力なものになります。
②LINEやメールの画面をキャプチャする
テキスト形式になってしまうと、あとで編集することが可能なため、できれば画面キャプチャでやりとりの証拠を残しましょう。
<画面キャプチャの取り方>
スリープボタン(端末の頭の部分にある細長いボタンです)とホームボタン(丸いボタンです)を同時に押すと画面キャプチャを取ることができます。とった画面キャプチャは写真フォルダに格納されます。
電源ボタンを数秒押し、「スクリーンショット」を選択します。
もしくは、音量小ボタンと電源ボタンを同時に押します。
③証拠を消されないように、クラウド上もしくは、別のメールアドレスなどに送付する
端末を壊されたり、証拠を消すように強要される可能性もありますので、確保した証拠は必ず端末以外のところにバックアップを取っておきましょう。
PCメールアドレスを取得し、そのアドレス宛に送信しておくのが一番簡単です。ただし、こまめに受信をしておかないとサーバーから自動削除される可能性がありますので注意してください。
また、相談している親族や友人などに送り、証拠を確保してもらうという方法もあります。
④相手からの暴言LINE、メールも有力な証拠に!
相手からの暴言LINEやメールももちろんモラハラの証拠にできます。証拠の数は多ければ多いほどいいので、できるだけすべての暴言を証拠として残してください。
日付が入っているので、どのくらいの頻度でモラハラ行為があったのかも証拠として残すことができます。
手紙でもOK!日付を入れることを忘れずに!
また、モラハラを改善する要求を手紙にした場合でも同じように証拠としての効果があります。相手からの返事の手紙も忘れずにとっておきましょう。
このときに、手紙の最後に日付を入れることを忘れないでください。
私が弁護士に証拠として手紙を出そうとしたときにまず真っ先に言われたのが、「その手紙に日付は入っていますか?」ということでした。
もし、相手からの返事の手紙に日付が入っていなくても大丈夫です。こちらの紙の返事だと分かれば、だいたいの日付が予想できます。
私の体験談
私の場合は、夫と手紙でのやりとりの中でモラハラを改善するお願いをしていました。その時は、離婚よりもずっと前の話だったので、これを証拠とすることなどは考えておらず、純粋に夫に暴言をやめてほしいという想いからでした。
たまたま別居時に手元にあり、さらには昔学生時代に文通をしていたことから、いつも手紙の最後に日付を入れていたことが幸いして、モラハラの証拠とすることができました。
元夫からの返事には、自分が私や子どもたちに対して怒鳴っていたことを認める文章が入っていました。(それなのに、私がしていたことにされていましたが…)
この手紙のおかげで、実際にモラハラをしていたのがどちらかを分かってもらうことができました。
まとめ
モラハラを訴えるときには証拠が必ず必要です!
そして、その証拠が確保しにくいのもモラハラの特徴です。モラハラはいつ始まるのか分からないので、音声での確保もままならない場合もあります。
そういったときには、モラハラ被害のあとに、相手に行動の改善という名目でモラハラ行為の事実を文章化して突き付けてください!
証拠を取られていると思っていないモラハラ加害者は、簡単にモラハラ行為を認める可能性があります。
被害者としても、普段は傷つく暴言も「証拠が増えた!」と思って、前向きにとらえることができるようになります。