モラハラ加害者は自身はいつも「被害者である」と思っています。そしていかに自分の周りの環境が良くないのかを訴えて、自分が不幸であると悲劇のヒロインぶるのです。自分が被害者であることを演出するためには、言葉だけではなくあらゆる手段を使います。時には、自分が病気であるとも装うのです。
調停では、自分がしてきたモラハラ行為を認めないだけではなく、モラハラ行為をしてきたのはパートナの方だと真実とは真逆の主張をすることもあります。
そして、それを証明するためにクリニックで診断書を取ってくることすらあります。
実際に私の夫も「うつ病になった」と言ってクリニックに通っていました。
本当にうつ病なの?
もちろん、うつ病は全部詐病であるとか、うつ病は甘えであるとか、そういったことは一切思っていません。
しかし、精神的な病気というのは、多くの場合は自己申告であり、問診だけで診断が下ります。自分の症状を偽って話せば「うつ病」の診断が下ることもないとは言い切れません。
たとえば、問診によるうつ病の人の回答をあらかじめ知っておけば、その通りに返答することでうつ病だと装うことができてしまいます。
つまり精神的な病を診断するには患者が正直に答えていることが前提となっているわけです。
嘘をついてしまえば簡単に病気をねつ造することもでき、それが本当の病なのか、自分の都合のいいように病気を装っているのかは周りから(たとえ医者であったとしても)判断がしづらいということです。
自己愛性パーソナリティ障害とうつ病はよく似ている
渋谷にある心療内科の「ゆうメンタルクリニック」さんのサイトでは、「マンガでわかる心療内科」というwebマンガを公開しています。
そしてその中で、自己愛性パーソナリティ障害の人の症状とうつ病の人の症状が一見よく似ていて判断がしづらいということを挙げています。(参照:第61回「ニートはナルシスト?」自己愛性パーソナリティ障害(人格障害) )
※自己愛性パーソナリティ障害とは、モラハラ加害者が抱えるパーソナリティ障害であると考えられています。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、社会との摩擦を感じやすく人間関係をうまく構築していくことが難しいと言われています。
気分が落ち込んだ時にはうつ病のような症状が出るため、「うつ病と間違えられやすい」そうです。
自己愛性パーソナリティ障害とうつ病の見分け方
マンガの中でも紹介されていますが、自己愛性パーソナリティ障害かうつ病かを見分けるポイントがあります。
それは、
うつ病では自分を責める傾向にあるのに対し、
自己愛性パーソナリティ障害は周りを責める傾向にある
という点です。
私は、夫から「お前のせいで病気になったんだ!」と責められていました。確かにクリニックからは診断が下っていましたが、インターネットで「うつ病」を検索しても夫の症状とは全く当てはまっていませんでした。クリニックで出された薬も真面目に飲んでいたのにもかかわらず、全く効果が見られずに悪化していきました。そして、うつ病であればすぐに回復することも難しいはずですが、なぜか調停が始まる前にはすでに回復したと言ってきました。おそらく精神病であると親権獲得に不利になるため、病気を撤回する必要があったのだと思います。夫は、自分の都合に合わせて「病気である自分」と「病気でない自分」を使い分けていました。
自己愛性パーソナリティ障害は年を取ると悪化する
ちなみにこのマンガを読んでいただければわかりますが、マンガの中で「自己愛性パーソナリティ障害は高齢になるほど症状は悪化していく」と書かれています。
残念ながら心理学的にも、モラハラは治るどころか加速していく可能性の方が高く、自然に治ることは期待できないと考えた方が良さそうですね。
上記の「マンガでわかる心療内科」は少し下品ですが(笑)、かなり分かりやすく精神病について(ときどき離婚についても)心理学的に解説されているので、一読されることをオススメします。ちなみに書籍化もしているそうです。
まとめ
このように、自分の都合のためなら嘘をついて病人にまで成り済ますのがモラハラ加害者です。
夫が病気になったと同情していたあの頃の自分にこの事実を教えてあげたいです。
うつ病は適切な治療を行えば寛解(症状が治まり、治療する必要がなくなった状態のこと)しますが、モラハラは多くの場合、治ることはありません。
治る病気であると誤解したまま、無駄に詐病に付き合わされ、献身的に看護をする必要は全くありません。
あなたのパートナーが本当に「病気」であるか見極めることが大切です。
- 自己愛性パーソナリティ障害による適応障害とうつ病は似ている
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