夫はよく「家族のために」「子どもを最優先」「母親になったのだから」と言った言葉を巧みに使い、こちらに〇○しなければならないという価値観を押し付けてきていました。
言葉の聞こえは良くても、その本質は、モラハラ夫にだけ都合のいい価値観だったのです。
1.本当に「家族のため」?モラハラ夫のためになっているんじゃない?
家族想いの自分を演出し、周囲から褒められたいモラハラ夫は、「家族のために〇〇する自分」が大好きです。家族にも「家族のため」にと言って価値感を押し付けてくることがあります。
しかし、内容だけ見てみれば、モラハラ夫の言うとおりにしたことが必ずしも家族のためになっていないことの方が多いのです。むしろ、夫自身が楽をしたり、夫にだけ都合のいい結果になっていることすらあります。
夫は「家族のだんらんの時間をつくるため、なにがなんでも家族全員で夕食を取らなくてはいけない」と常日頃から言っていました。このとき子どもたちはまだ未就学児。子どものひとりは0歳で離乳食を食べていました。
子どもたちが大きくなってからは、家族で食事が取れるときには夫の帰りを待ってみんなで夕食を取ることもいいと思っていました。しかし、子どもが小さいうちは子どもの時間に合わせて大人が融通を聞かせてあげるのが良いと考えていました。
夫の返事は、「別々に夕食を取ると、家族の縁が切れてしまうから、どうしてもみんなで食事をとらなくてはいけない」というものでした。夫の中では、一緒に夕食を取らない人は家族ではないという図式が出来上がっていたようです。
夫の考えの原因は、夫の祖母が家族と食事をとっていなかったことに関係していると思われます。夫の祖母は一緒に暮らしながら、夫一家とは別に食事をしていたと聞きました。そして、夫一家と同じ家に住みながらほとんど関わりを持たずに孤独に暮らしていたそうです。祖母の姿を見て、一緒に食事をとらない人は家族から疎外されるとインプットされていたのでしょう。自分が家族からはじかれないためには、なにがなんでも一緒に食事をしなくてはいけないと思っていたようです。
一方で、夫が義実家に行ったときは、義実家で夕食を取ってくることがほとんどでした。こちらが夕食を用意して待っていようが、当然のように食べてから帰ってくるのです。夫は「家族で絶対に食事をとるもの」と言いながら、自分のときはそのルールを簡単に曲げていました。
夫は、その時その時で自分の都合に合わせてルールを変えており、ルールは自分が気持ちよく過ごすための後付けにすぎなかったのです。
夫が「家族のため」と言うことは、本当は「夫のため」でした。「家族」を強調することで、家族想いの自分を演出するだけでなく、家族を大切にしないという罪悪感を私に植え付けようとしていたのだと思います。
家族のためではなく独りよがりのルールが存在していませんか?
モラハラ夫が「家族のため」「子どものため」という聞こえのいいフレーズを使っているとき、本質は「家族のため」「子どものため」になっているでしょうか?
独りよがりのルールのために、「家族」や「子ども」を利用しているだけではありませんか?
聞こえのいい言葉だけで本質が伴っていないちぐはぐ感を感じたら、モラハラ夫にだけ都合のいいルールになっていることに気が付かなくてはいけません。
2.母親はこうでなければいけないは、本当にそうか?
2-1.「母親失格」「ひどい母親」はモラハラ夫が使うお決まりのフレーズ
また、「母親たるもの、家族を優先させなくてはいけない」「子どもを保育園に預けて働くなどあってはいけない」と決めつけ、そうでない母親を「ダメな母親」「子どもをないがしろにする自分優先の母親」であるように言ってくることもあります。
会社の育児休暇制度の事情、家庭の事情で子どもを預けて働く選択をすることは悪いことではありません。しかし、泣く我が子を見ると「やっぱり子どもに悪いことをしているのでは」と自分を責めてしまう母親も多いのです。
モラハラをするときには「妻はこうあるべき」という言葉よりも、「母親はこうあるべき」と言う言葉のほうが罪悪感を刺激し、妻をコントロールできることをよく知っています。そのため、「母親はこうしなくてはいけない」「母親失格」という言葉をやたらと使うのもモラハラ夫の特徴です。
これは、子どもを産む前にいくら話し合いをしたところで、解決できる問題ではありません。
私は子どもを産む前から、仕事を続けたいことを夫に伝えて夫もそれを了解していたのにもかかわらず、いざ子どもが生まれると上のようなことを言って仕事を辞めるように強要されました。
他にも、いざその時になってみると約束を反故にされ、夫の都合を押し付けられることが数多くありました。「事前に話し合い、合意を得ていたから大丈夫」はモラハラ夫には通じません。
マイルールに縛られないために!妻がやるべきこと
3-1.約束を反故にされる前に既成事実を作る!
約束は反故にされるためあまり意味を持ちません。そのため、約束を取り付けた後は相手が気を変える前に行動を開始し、既成事実を作ってしまうことです。保育園であれば、すでに申し込みを完了しておくのがいいでしょう。
最初は泣いていた我が子も、保育園で友だちができると楽しく通うようになります。そして預けるときも自分から教室に入り、親には一瞥もくれずにクラスに溶け込むようになるものです。最初は、親子共に悲しい気持ちになりますが、それも一時のこと。子どもたちは強く、また環境に適応し、いろんな人間関係を構築することにも長けています。
子どもの生きる力を信じて預けても大丈夫です。
3-2.モラハラ夫の悪意に気づこう!
モラハラ夫は妻や家族をコントロールするために、相手の罪悪感を刺激して言葉巧みに操ろうとしてきます。そのために「そんなことをしたら子供がかわいそうだ」とか「悪い母親だ」「母親失格」という言葉を好んで使ってきます。
相手が自分の良心や罪悪感を利用しようとしていることに気づいてください。
もし、「母親失格」という言葉を言われると傷つくからやめてほしいと言っても改善されない場合は、悪意を持ってわざとその言葉を選んできているということです。
子どものためを思って言っているのではなく、妻や家族を操りたいだけだという本質を見極めなくてはなりません。
まとめ
- モラハラ夫の言う「家族のため」「子どものため」は「自分のため」であることが多い
- 「母親はこうあるべき」の本心は「妻をコントロールしたい」
- モラハラ夫と事前に約束をしたところで反故にされるため、あまり意味がない
- 約束をした後は、即行動し、手続きや準備を完了させておくことが必要
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