調停の場では、証拠を必ず提出しなくてはいけないわけではありません。しかし、証拠があれば、どちらの言っていることが真実なのかを客観的に判断できる材料になりますので、調停委員を味方につけやすくなります。
弁護士を依頼している場合は、弁護士とよく相談したうえで証拠を提出するかどうかを決めてください。(調停の場で証拠を出すことに消極的な弁護士もいます。)
さて、私の場合、「虐待をしていた」「していなかった」、「私が夫にお金を払うべき」「夫が私にお金を払うべき」など双方の言い分が真っ向から対立し、争いが続いていました。
そんな時に夫から「夫が私を追い出した証拠」が調停に提出されました。
私の体験談 ~夫はなぜ自分に不利な証拠を提出したのか?モラハラ夫の不可解な行動~
夫の主張「妻が子どもを誘拐し、勝手に家を出ていった」
夫は当初、私を追い出したにもかかわらず「家に帰ったら妻と子どもがいなくなっていた」「妻が子供を誘拐した」と主張していました。
そして、誘拐は人権侵害なので、はやく子ども引き渡すように言われていました。
虐待をしていた母親の元にいれば、子どもがどんなに危険なのかを文章にして提出してきました。私はこの文章を見て、非常に腹が立ったのを覚えています。
次から次へと私が不利になるようにひどい嘘を重ねてきました。
実際は私に怒りの燃料が投下され、「絶対に夫を許さないし、徹底的に戦ってやる!」と奮起することになっただけでしたが。
この文章のおかげでモラハラ夫と容赦なく戦う決心がつくことになりました。
モラハラ夫は争いが大好き!調停ではウキウキと嫌がらせをしてくる
夫は離婚問題を解決するどころか、嘘をつき続けてさらに争いをあおるような行動を繰り返していました。
モラハラ夫は基本的に争いが大好きです。夫はクレーマー気質でクレームの電話やメールをすることだけにとどまらず、相手に非があり怒鳴りに行ける場面ではわざわざ店に足を運んでまで怒鳴りに行くこともありました。そして、怒鳴りに行った先の店では何時間も居座り店員に対して説教をしていたようです。
自分に怒鳴れる正当な理由があると(あくまでも本人が)思っている場合は、何としてでも怒鳴りに行きますし、相手に非があることは徹底的に責めるのがモラハラ夫のスタンスです。
もし相手に非が無いのであれば嘘をついてまで、なんとしてでも勝とうとします。
調停は本来は「問題を話し合いで解決する場」ですが、モラハラ夫にとっては格好の「争いの場」だったのだと思います。
毎回、こちらを怒らせるような燃料を投下してきました。最期の調停日までこのやりとりが続きました。(最終的には調停委員を怒らせることになりましたが、その話はまた後日)
夫は「自分に有利になる」と思い、私を追い出した証拠を提出した
あるとき。モラハラ夫から提出された証拠がありました。
それは「私と夫のLINEのやりとり」でした。
私は追い出された後すぐに、夫に「追い出されたこと」を抗議するLINEを送っていました。
その時はまだ夫のことを信じたい気持ちもあり、夫に対して「どうして追い出したりしたのか」、「それが義両親の指示だったのか、夫の気持ちだったのか」を知りたくて、夫にLINEで聞いていました。
そして夫は別居後に私が送ったLINEを含めた互いのやりとりをキャプチャした証拠を調停の場に提出してきました。
その証拠は(LINEなので)日付まで入ったものです。もちろん、日付も追い出された日時と同じです。
これは、私が追い出されたという紛れもない証拠でした。
しかし夫はこの証拠に対して、
「ほら、妻はこんなことを言ってきているんですよ。私を貶めようとしています。ひどいでしょう。」
と主張したのです。
つまり夫の中では、私が夫に抗議をしているという点にだけ着目し、「夫に歯向かう妻の証拠」になると思って調停に提出したようです。
夫は私が性格異常で、その性格が元で夫や子どもを虐待していたと主張していたので、これも私の性格異常を示す証拠になるだろうと思っていたのでしょう。
しかし実際は夫が私を追い出したことが分かる証拠でした。
夫の証拠のおかげで、夫の主張が嘘だと証明される
私はこの時にも、自分の主張文も証拠も一切調停には提出していませんでした。(弁護士には提出していました)
裁判になるかもしれなかったこと、文章で出したものも間違いがあれば後で撤回することが難しいことなどから弁護士と相談して出さないことに決めました。
なので夫から思いがけず私に有利になる証拠が提出されたことはラッキーでした。
私は夫へのLINEに、夫や義両親への暴言は一切書いていませんでした。もしこの中に暴言の1つでもあれば「私が日常的に夫や義両親に対して暴言を吐いていた証拠」となったかもしれません。
夫がなぜこのLINEが自分に有利になる証拠だと思えたのか。私からすれば未だにわかりません。確かに言えることは、夫は本気で私が不利になると思ってこの証拠を提出してきたということです。
夫は自分がついた嘘を、自ら提出した証拠で嘘だと証明するという訳の分からないことをしでかしました。
モラハラ夫の病的な被害者意識が事態を変える
被害者意識が高い人は周りから見ればなんてことないことにまで「傷つけられた」「これは自分を貶めようとしている」という意識が働くのかもしれません。
だからこそ、本当は夫を傷つけるような要素が1つもないLINEでも「自分を傷つけた証拠」といって提出してきたのでしょう。
さらにこの証拠は、私が追い出されたことを証明する以上の働きをすることになります。
なぜなら夫が「嘘つきである」という証明になったからです。
そしてここから調停は急展開を見せることになります…。
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