1.就学援助費と申請方法
1-1.就学援助費とは?
就学援助費とは、経済的な理由によって就学が困難と認められる児童の保護者に対して、必要な経費(の一部)を支給する制度です。
1-2.対象者
小中学校に在籍する児童生徒の保護者で、生活保護やそれに準じる世帯であって経済的な理由によって学校集金等の支払いが困難である、または遅延があるなど、就学させることが困難な方。(市町村により、認定基準が異なります。)
- 生活保護を受けている。
- 生活保護が停止または廃止された。
- 市民税が非課税又は減免された。
- 個人事業税又は固定資産税が減免された。
- 国民年金の保険料が免除または国民健康保険税が減免された。
- 児童扶養手当が支給された。
- 生活福祉資金を受けた。
- 失業対策事業適格者手帳を持っている、又は職業安定所登録日雇労働者である。
といった方が対象になります。
1-3.所得のモデルケース
下記は練馬区のケースです。※目安になる金額は市町村により異なります。
世帯人数 | 世帯全員の所得金額 |
2人 | 2,658,828円 |
3人 | 3,251,328円 |
4人 | 3,539,052円 |
5人 | 4,309,600円 |
6人 | 4,817,584円 |
1-4.支給日
就学援助費は、各学期末(7月、12月、3月)に支払われるケースが多いようです。
1-5.申請方法
新学期になると、小中学校から書類が配布されます。申請をする家庭は必要な書類をそろえ、期日までに申請を済ませましょう。
下記は、申請に必要な書類の一例です。(市町村により申請時に必要な書類が異なります。必ずお住まいの地域の申請内容に従って手続きをしてください。)
申請書
<就労者>
源泉徴収票の写し、確定申告書の控えの写しのいずれか一つ
<年金受給者>
年金支払通知書の写し、源泉徴収票の写し、確定申告書の控えの写しのいずれか一つ
<無職>
非課税証明書
<離職者>
離職証明書の写し、雇用保険受給証明書の写しのいずれか一つ
<父子・母子家庭>
児童扶養手当の認定通知書又は証書の写し
<市民税の減免>
市・県民税納税通知書に添付されている課税明細書の写し
<国民年金の減免>
国民年金保険料免除申請承認通知書の写し
国民健康保険料決定通知書の写し
<家族内に障がい者がいる>
障害者手帳・療育手帳の写し
<離婚予定の場合>
家庭裁判所が発行する離婚調停を示す書類
2.子が小学生1年生になる場合、年に2回申請が必要な市町村もある
2-1.入学学用品費とは?
就学援助費の中で、入学前「新入学学用品費」について、就学援助費よりも先に支給される市町村もあります。入学学用品費とは、入学準備のための費用です。
注意点
入学援助費の支給を希望される方は、別途申請手続きが必要です。
また、審査に用いる所得状況の年度が変わるため、新入学学用品費の申請が取った場合でも、就学援助費が却下になる場合もあります。(その逆もあります。)
2-2.対象者
小・中学校に入学予定児童のいる方
2-3.支給日
新入学学用品費は前年度の2月ごろに支払われるケースが多いようです。
2-4.申請方法
入学案内とともに学校からお知らせの紙が届きます。お知らせの紙に書かれている書類をそろえ、期日までに申請を済ませましょう。
下記は、申請に必要な書類の一例です。(市町村により申請時に必要な書類が異なります。必ずお住まいの地域の申請内容に従って手続きをしてください。)
申請書
<就労者>
源泉徴収票の写し、確定申告書の控えの写し、所得課税証明書のいずれか一つ
<年金受給者>
年金支払通知書の写し、源泉徴収票の写し、確定申告書の控えの写しのいずれか一つ
<無職>
非課税証明書
<離職者>
離職証明書の写し、雇用保険受給証明書の写しのいずれか一つ
<父子・母子家庭>
児童扶養手当の認定通知書又は証書の写し
<市民税の減免>
市・県民税納税通知書に添付されている課税明細書の写し
<国民年金の減免>
国民年金保険料免除申請承認通知書の写し
国民健康保険料決定通知書の写し
<家族内に障がい者がいる>
障害者手帳・療育手帳の写し
<離婚予定の場合>
家庭裁判所が発行する離婚調停を示す書類
3.申請理由とは?
申請書には、申請理由を記入するところがあります。具体的に記載するようにと指示されている場合もあり、何を書けばいいのか迷いますよね。ここには生活が困窮していることを具体的に書かなくてはいけません。(生活が苦しいから、厳しいからという理由では受け付けてもらえない場合もあります。)
申請理由の具体例
- 離婚によりひとり親家庭になったため
- 父親が病気のため離職し、世帯収入が減ったため
- 共働きだったが母親の働く会社が倒産し、失業して収入が半減したため
収入による審査があるため、申請理由は補足のようなものです。
今の置かれている現状をそのまま伝えれば大丈夫です。
4.就学援助費の項目・金額について
就学援助費がどの項目につきいくらもらえるのかは市町村により異なります。
4-1.就学援助費の項目について
練馬区では次のような項目です。()内は中学生
卒業記念アルバム費…6,650円(6,670円)
移動教室費…4,120円・一泊につき1,900円(6,000円・一泊につき2,400円)
修学旅行費、臨海学校費、林間学校費…実費
特別支援学級宿泊学習費…4,120円・一泊につき1,900円(4,120円・一泊につき2,000円)
医療費…実費
入学準備費…47,380円(54,070円)
学用品・通学用品費…15,690円/1年生・18,800円/2~6年生(30,450円/1年生・34,410円/2~3年生)
小中一貫教育校制服準備費…23,890円
体育用実技用具費…7,860円
特別支援学級通学費…実費
給食費…実費
(参照:練馬区 就学援助費)
4-2.就学援助費の金額について
年間では、4万円前後、新入学の場合は更に4~5万円前後が支給されます。
5.申請時に聞かれること
就学援助費申請は、初回は役所の窓口に提出する市町村が多いと思います。その際に、実際に置かれている経済状況などを聞かれることがあります。
聞かれる内容例
- 実家や別居親(離婚家庭の場合)からの援助があるかどうか
- 月の収入はいくらか
- 申請理由
など
申請時にかかる時間は2、3分程度です。申請書類の内容の確認のために2,3質問されると考えておけばいいでしょう。
6.就学援助と習い事
就学援助を受ける家庭と習い事を続けるかどうかは関係ありません。就学援助は収入により決まるので、限られた収入の中をやりくりして、塾代などを捻出すれば通わせることも可能です。
まとめ
就学援助費についてお判りいただけたでしょうか?
就学援助費は、条件を満たしていれば必ず支給されます。また、就学援助費支給対象人数は、平成27年度で146万人と少なくなく、珍しいことではありません。小・中学生の全校生徒数は約1,000万人なので、だいたい6、7人に1人申請している計算になります。30人クラスであれば、4、5人は申請している計算です。
また、制度を利用する場合は学校から書類が配布されますが、一斉に配布される書類の一部であり、プライバシーには配慮してもらえるので、周囲に就学援助費を受給していると分かることはありません。
必要な制度を知り、ぜひ活用してくださいね。
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