モラハラ被害はなぜ言語化しにくいのか?

モラハラ被害はなぜ言語化しにくいのか?

モラハラ被害を言語化しづらいと思ったことはありませんか?

また、受けたモラハラ被害を忘れてしまったり、なぜ被害を受けながら逃げ出すことができなかったのか、ご自身でも疑問に思うことはありませんか?

極度のストレスがかかる環境では人は、普段と異なる体の反応を示します。そしてこれは自分ではコントロールができません。モラハラ被害者はいったいどのような状態に陥っているのか。

被害者のトラウマ反応について考察しました。

目次

「耐性の窓」とは?

トラウマケアには「耐性の窓」という言葉があります。

これは、脳がうまく機能しており、刺激を効果的に処理できる状態を表します。

このゾーンの中にいれば人は、情報を受け取り、適切に処理し、統合することができます。このような人は、冷静に内省し、合理的に考え、意思決定をすることができます

「耐性の窓」はダニエル・シーゲルによって提唱されました。

しかし、極度のストレスがかかると「耐性の窓」の外にいる状態になり、過覚醒もしくは低覚醒のいずれかの状態になります。

過覚醒は、闘争/逃走反応として知られているもので、過敏な状態、不安やパニック、思考の停止が見られます。

低覚醒(凍りつき反応)は、感情の麻痺、虚無感を引き起こすことがあります。

このどちらかの状態になると、人は、刺激を適切に処理できなくなります。

トラウマにより人は「耐性の窓」から押し出される

ほとんどの人は、このようなさまざまな覚醒状態の間を時々行き来しているそうです。この「耐性の窓」は人によって幅は様々で、感情が激しく自分でコントロールするのが難しいと感じる人もいれば、大きな出来事に遭遇しても感情的にならずに対処できる人もいます。

一方で、トラウマになるようなネガティブな出来事は、人を「耐性の窓」から押し出します。トラウマや極度のストレスがあると、「過覚醒」や「低覚醒」になりやすくなります。

その結果、合理的に考えることや意思決定すること、自分の体験を言語化することができなくなることがあると考えられます

また、トラウマになる出来事を経験した人は、ストレス要因に対して、たとえ些細なものであっても「過覚醒」または「低覚醒」を引き起こすことがあります。

この状態になると、危険に対して過敏に反応し、現実の脅威や想像上の脅威に対して上記の反応を起こすようになります。

過覚醒状態にあることが多い人は、神経が過敏になります。イライラして怒りやすく、攻撃的な行動を取ったり、自己破壊的な行動につながる場合もあります。フラッシュバックなど、心的外傷後ストレスの症状を発症することがあります。

低覚醒状態にあることが多い人は、解離、記憶障害、失感情症を経験することがあります。

モラハラ被害者に起きている状態は?

誰かに被害を伝えたいと思ったとき、頭の中は起きた出来事を冷静に受け止められているでしょうか?

それとも混乱した状態でしたか?

モラハラ被害を受けた人の中には、被害を言語化できない、意思決定が難しいといったことを自分の性格やスキルのせいだと思っている方もいるかもしれません。

なぜ被害を伝えられないのか、なぜ逃げないのか。

私は、トラウマへの反応ではないかと考えます。

また、トラウマになった出来事のせいで「耐性の窓」自体が狭くなり、その後も後遺症として同じ症状が続くこともあると考えられます。

「耐性の窓」については、セラピーなどを受けることで、この幅を広げるテクニックを学び許容範囲を広げることで出来事や感情に適切に対応することができるようになるそうです。

モラハラ被害はなぜ言語化しにくいのか?

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