どんな仲のいいパートナーでも夫婦でもケンカをします。近しい間柄の人と衝突することは避けられません。
しかし、モラハラ加害者との争いは「健全な話し合い」とは異なり有害なものであることを理解しておく必要があります。
パートナーがあなたをどのように扱うか、もしくはあなたがパートナーをどのように扱っているかによって、より親密になるか、もしくは関係が破壊されるかが決まってきます。
良くない争いに巻き込まれていることに気づくための知識をまとめました。
モラハラ加害者との争い
もし、誰かと衝突をしたとしてもそれが必ず悪いものであるとは言えません。
健全な対話ができる人とは、対話を通じて物事を解決することができます。また、そのようなパートナーとは、協力的な関係を作り上げることができ、家庭は協力的なチームによりスムーズに運営できるでしょう。
一方で、常に傷つけあう方法で衝突するカップルであれば話は違ってきます。
話し合いが成立するためには、お互いがこの問題を解決したいという気持ちが無くてはいけません。しかし、中には相手を負かすことにのみ議論の価値を見出している人もいます。
一方が他方に対し、「必ず勝たなければいけない」という意識で衝突する場合、議論は建設的なものではなく、醜い争いに発展していきます。
もしあなたが醜い争いに応じることに嫌気がさし、口を閉ざしたとき、パートナーは「あなたに勝利した」と思うかもしれません。
しかし、ただ解決する気がないパートナーとこれ以上話し合いをしても無意味だと気づき話し合いを止めたただけであって、依然として争いの種は解決しないまま残っています。
また、「必ず勝たなければいけない」と考えている人とはあなたがパートナに屈服しなければ関係の維持は不可能だということです。
こういった相手との関係は衝突が衝突を生み、時間が経つにつれ「いい関係」に戻ることが難しくなります。
汚い争いを知る
モラルハラスメントは友好的な関係において起こる【健全な話し合い】とは異なります。
その違いを知ることで、一般的な夫婦喧嘩の範囲なのか、もしくは汚い争いに巻き込まれているかが分かります。
無視する
何らかの問題について、解決しようとしない、無関心である、話し合いから逃げる、といった姿勢で対応することです。
これは、パートナからの「あなたが我慢すれば解決する」という無言のメッセージです。
もしくは、「あなたが問題にするから問題が起こる」という責任転嫁のメッセージであったり、
あなただけに解決を押し付け、自分はその問題から逃亡する姿勢の表われです。
家族やパートナーが家族内の問題について無関心である場合、それをされた方は大事な人から見放されたと感じます。
親密な関係において「話を聞いてもらえない」ことは、関係に大きなダメージを与えることになります。
議論を強制する
問題解決についてすぐに解決策が浮かばない、時間を要する、調べる必要がある場合は、すぐに解決が難しい場合があります。
そういった状況においても議論を強制したり、すぐに解決を求めることは、かえって解決を遠ざけることになるでしょう。
その他にも不適切なタイミングで議論を持ちかけることも含みます。たとえば、あなたが今仕事に出かけようとしている時や、来客があった時などにケンカを吹っ掛けるようなことや傷つけることを言うことです。
感情を軽視する、否定する
パートナーがあなたの感情について「そんな風に感じるお前はおかしい」「そんな風に感じる必要はない」ということです。
私たちは誰しも、他人の感情を決めることはできません。
他者の感情を決めつけるということは、その人の人格を軽視し、大切にしていない気持ちの表われです。
お互いにリスペクトがある関係でなければ、良好な関係の維持は難しいでしょう。
罪悪感を利用する
悪質な議論を吹っ掛けてくる人は、ときに罪悪感を利用します。
「本当に子どものことを愛しているなら、仕事を辞めることもできるはずだ」
「他の母親はやっていることをやらないなんて、この子が可哀そうだ」
という発言などが該当します。
本来解決するべき問題を「愛」や「努力」でカバーするように強制することは、残念ながら物事を解決することはなく、痛みが増すだけです。
さらに言えば、それを言った本人はその発言に見合うだけの努力をしていないことが多いと考えられ、役割や負担が不平等です。
自分の方が多く負担を強いられていることを、何も負担していない人から非難を受けることはおかしいですよね。
「自分が役割を全うできていないのではないか」「他の人に比べてわがままなのではないか」と思わされているとしたら、悪い議論に巻き込まれている可能性があります。
脅し
多くの人は争いを好まず、怒鳴られたり、脅されたり、恐怖を感じるようなことは嫌いです。
議論に脅迫を持ち込めば、議論は成り立つことはありませんし、「この人との関係は難しい」と感じて人は離れていきます。
問題を増やす、積み重ねる
他の問題を議論に巻き込むことです。たとえば、今ある問題について話し合いをしようとしたときに、過去の失敗談などを持ち出してあげつらうことです。
今の問題について話し合うことがそもそも難しく、過去の終わった問題について話すことに時間を取られます。
このような話し方をする人と問題を解決することは絶望的でしょう。
過度な一般化
「みんな」や「常識では」という言葉を使うことです。
家事の分担や子育てについて話し合いをしたいときに「家事や育児は母親がやるものだ」といって議論を切り捨てるようなことも含まれます。
これを言われた相手は、この人は自分の辛さや問題と向き合う気がないのだと感じます。
目の前の問題について個別具体的な話をしようとしない場合、解決する気持ちのない表われです。
人格否定
相手の欠点を狙うことです。
たとえば、「どうしようもない人間だ」「価値のない人間だ」「なんでここにいるの」などあなたと言う人間そのものを否定する言葉を指します。その他にも外見や能力を否定する言葉なども含まれます。
人格や性格を否定したり、過去の失敗をあげつらい争いをすれば、人の気持ちは離れていきます。
人を傷つける言葉を発する人に愛情を感じることはありません。
こういった言葉は一発アウトであり、その後関係が回復しないことが一般的でしょう。
被害者化
あなたの主張に対して、パートナーがどれだけ自分が悪い気分を味わっているかを主張することです。
たとえば、
「そんなことを言われる俺の気持ちも考えてみてくれ」
「仕事で疲れて帰ってきているのに、家でも疲れさせないでくれ」
「家族のために働いてきた俺に対して何というひどい仕打ちだ」
のように言います。
このテクニックを使う人は、自分に同情して、訴えを退けて欲しいだけです。
こういう言い方をする人に対しては、自分の苦痛を訴えることができなくなります。
見捨てる・関係を断ち切るという
見捨てるという脅しを利用し、不安を与え、関係の喪失を恐れさせることです。
特に親子間では子どもは親に見捨てられてしまえば生きていけなくなるため、親の言うとおりに従うしかなくなります。このテクニックを受けた人は、無視と同じように相手に屈服するか、生きていけなくなるかいう選択を迫られます。前者を選ぶしかありません。
ガスライティングをしてくる
ガスライティングとは、現実に疑問を抱かせるように仕向ける精神的虐待の一種です。
ガスライティングを受けていることに気づいたら、この関係から抜け出すための方法や助けを探し始めることが必要です。
汚い争いから離れる
【汚い争い】とは、あなたは大切ではない、あなたのことを愛していないというメッセージを送り続けることに他なりません。
もしあなたが、孤独を感じたり、自分には価値がないと感じたり、打ちのめされ、絶望し、傷つき、無力になり、脅迫されていると感じていれば、相手から「汚い争い」を仕掛けられているかもしれません。
「汚い争い」は、人を傷つけ、人から愛情を失わせる原因になります。
「汚い争い」を議論から除くことが必要ですし、そうすることができない相手であれば、愛情がなくなったり、親切にしたくなくなったり、離れたりすることも仕方のないことです。
まとめ
「汚い争い」は人を傷つける許されざる行為です。親しい仲だから許されるということはありません。
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