元夫に似ている子どもは愛せない?元夫への憎しみとの向き合い方

元夫に似ている子どもは愛せないのか?元夫への憎しみとの向き合い方

少し前に、我が子を虐待して殺してしまった事件がニュースになりました。

亡くなった子の母親は離婚した後再婚し、再婚相手と一緒になって自分の子を虐待してしまったのです。

そして虐待の理由は、「元夫に似ていたから愛せなかった」と語られました。

元夫に似ている子どもはなぜ愛せないのでしょうか?この理由について考えてみました。

目次

1.金田一少年の事件簿に出てくる育てた息子を殺してしまった母親の話から分かること

金田一少年の事件簿の中に出てくる「飛騨からくり屋敷殺人事件」というエピソードに焦点を当ててみます。

(以下ネタバレです)

この事件の犯人である巽紫乃は、自身をイジメて転落人生を送らせた綾子に復讐するため、自分の子(龍之介)と綾子の子(征丸)を産院で入れ替えます。

そして、自分の子ども(龍之介)を綾子に育てさせ、自分は憎き綾子の子(征丸)を育てていきます。

紫乃は綾子の亡くなったあと、綾子の夫である巽家に後妻に入ることになりました。ここでも後妻ということで綾子の子どもたちからいびられ続けます。

自分の血のつながった子ども龍之介が巽家の当主になることを望んでいましたが、亡くなった夫は「征丸」に跡を継がせるという遺言書を残しました。

唖然とする紫乃。そして相続が決まった征丸は、龍之介を見て勝ち誇った顔をします。

その時の征丸の顔を見て紫乃は驚きました。あの憎き綾子そっくりだったからです。「お前の子どもは幸せになれないんだ」という綾子の声が聞こえた気がしました。そこで綾子への復讐心を燃やし、自分が育ててきた子である征丸を殺してしまうのでした。

小学生の頃に読んだときは、「あぁ、この人は恨みのある人の子どもを殺したことで復讐を成し遂げたんだ」と思っていました。

しかし、母になった今読むと全く違った感想を抱きました。

紫乃のことを「我が子を殺してしまった世界で一番不幸で哀れな母親」にしか思えなかったからです。

なぜなら、自分自身がもし同じ立場であれば他人の子であれ、征丸を我が子同然に愛していたであろうことが想像できたからです。それは、極貧生活を送りながらも征丸を育て上げたことからもよく分かります。そして、征丸が紫乃を母だと信じ慕っていたことからも。

マンガの中では、最期まで龍之介のことを想う言動を貫き通した巽紫乃。しかし、語られなかった部分で、征丸への母としての想いもあったのではないでしょうか。血のつながりこそはありませんが、赤子のころから育ててきた我が子同然の子であり、復讐のあまりその大切な我が子を殺してしまった哀れな母親と目に映ったのです。

2.恨み、憎しみ、怒りのほこ先は本人ではなく弱いものに向きやすい

モラハラ加害者は受けたストレスをモラハラ被害者へ発散することでストレス解消をしています。

それと同じように、強い怒りや憎しみは身近な一番弱いものへと向く可能性が高く、それはあなたが愛する人である可能性がとても高いのです。

人を呪わば穴二つ」という言葉があります。これは、他人を呪うことは自分をも呪うことであるという意味ですが、強い恨みに対しても同じことが言えます。元夫憎しで憎しみや怒りを抱えたまま生きるということは、その憎しみや怒りを発散する先が必ず必要です。そしてそれは、自分より弱いものである我が子に向いてしまう可能性が高いのです。

本当に復讐したい相手は無傷のまま、逆に自分の大切な人を自ら傷つけているのはおかしいですよね。

しかし憎しみを抱いている間はそれが分からなくなってしまうのではないでしょうか。

3.本当は我が子を愛していたはずなのに、途中から憎しみの対象になってしまったのでは?

紫乃のケースでは巽家の後妻に入ることなく、綾子に関係する人と一切のかかわりを持っていなかったとしたら征丸を殺すことはなかったでしょう。そして、この犯人も事件の母親もどちらも恐らく子どものことを愛していたのではないかと推測します。

しかし、復讐心や元夫への悪感情が正しい判断を見失わせ、最終的にはその憎しみのターゲットが身近な我が子へと向いてしまったのではないでしょうか。

元夫や憎しみの相手に似ているから愛せなかったわけではない、私はそう信じたいです。

4.私も憎しみで我を失っていた時期があった

私は離婚調停中にやはり夫へ強い憎しみの感情を抱いてしました。自分がなぜこんな目に遭わなくてはいけなかったのか、また虐待をでっちあげられたことやその他の嫌がらせに対しても強い怒りがありました。

離婚調停中も「夫に不利な離婚条件になればいい」と頭に血が上った状態で考えていることもありましたし、自分の潔白を証明するために裁判すらやっても構わないと思っていました。

しかし、弁護士の先生からは「それは一番良くない」と窘められました。

そして「あなたには子どもがいるのだからよく考えなさい」と言われたのです。

その後、私は冷静になり自分ができる選択肢の中で一番合理的な結果を導き出すことができました。

あのまま憎しみに支配され、我を失ったまま突っ走っていたらどうなっていたのか・・・考えるとゾッとします。

5.では、元夫への憎しみや恨みをどうすればいいのか?

強い恨みや憎しみは自分を見失わせます。そして、本来であれば被害を受けるべきではない人にその矛先が向いてしまいます。それはあってはならないことです。

しかし、ひどい目に遭ってきた被害者が加害者へ強い怒りや憎しみの感情を持つことは仕方のないことです。大切なのはその感情との向き合い方です。

普段生活する上で、元配偶者のことを常に考えながらイライラしている人はあまりいないと思います。しかし、連絡を取ったり何かのきっかけで元配偶者のことを思い出すと、悪感情が再び吹き出します。

  • 悪感情があるうちは、相手と絶対に会わないこと。出来るなら連絡も取らないこと。
  • 相手の嫌な部分に対しては「許さない」と思うに留め、「復讐してやろう」「ひどい目に遭わせてやりたい」と思わないこと。
  • 相手と同じことをしてしまえば自分も加害者側に落ちてしまうということを忘れないこと。
  • 離婚時に自分が「大切にしたい」と思っていたものを見失わないようにすること。

6.まとめ

調停中もそうですが、感情に振り回されると自分が最初に定めたゴールを見失ってしまいます。そうなると離婚の条件が望まない結果になってしまうこともあり得ます。

人生でも何を大切にしていきたいかを忘れてはうまくはいきません。

離婚、再婚しようとも「大切なもの」だけは見失わないようにしてくださいね。

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