前回の記事で、今日からできるモラハラ対策を紹介しました。
モラハラ自体は、モラハラ加害者の中からなくなることはありませんが、環境によってはモラハラ行為を抑えられたり、逆に加害行為が加速することもあります。
そこで、様々なパターンのモラハラ環境によってどのような対策を取ればいいのかについて解説します。
1.周りにモラハラ加害者が多いとき
ひとつの環境にいるモラハラ加害者が1人であるとは限りません。ひどいときには会社の1つの部署の全員がモラハラ加害者である、と言うこともあり得ます。恐ろしいことですが、人の出入りが激しい職場では、普通の人は全員辞めていき、モラハラ気質の人のみが職場に定着するということもあります。
モラハラ加害者ばかりの環境は一刻も早く逃げ出すしか道はありません。周りに相談する、第三者を入れる、と言ったモラハラ加害者からの攻撃を止める解決策が全く使えません。また、モラハラ加害者ばかりの集団ではトップの人がモラハラ加害者であるか、事なかれ主義の人であるかのどちらかのパターンが多いです。上司にお願いをして間に入ってもらうなどの解決方法も基本的には使えないと考えておいたほうが良いでしょう。
ひとつの職場のある部署のみで、こういった状態になっていることもあります。その場合は、別の部署に異動願を出す方法が良いでしょう。その際に、診断書などを取っておくと、異動を考慮してもらいやすくなります。
2.モラハラ加害者が上司など集団の中で力のある人から保護されているとき
モラハラ加害者のマニピュレーター型の人は、集団の中で力を持った上の人に取り入るのがうまく、バックに力のある人の加護があることで、更にモラハラ行為を加速させている場合もあります。そういったケースでは、力を持った人とモラハラ加害者を物理的に切り離さなくては、モラハラ行為は収まることはありません。
モラハラ被害を訴える際には、加護をしている上司がいることもあわせて伝え、会社に対応を取ってもらいましょう。上司かモラハラ加害者のどちらかが部署を異動になれば、モラハラ行為は収束します。
3.モラハラ加害者が集団のトップであるとき
会社の部署のトップなど、集団のトップがモラハラ加害者であった場合、解決するには、集団で訴えるのが最もいい解決方法です。
上の立場の人がモラハラ加害者であると、会社としては、業務に差し障りが出ないようなるべく穏便に解決したいと考えています。1対1の喧嘩であるとか、個人の相性の問題であると思われては真の解決には至りません。そこで、どれだけ多くの被害が出ているか、問題の大きさがどれだけのものであるか、ということを確実にわかってもらうためには「集団の力」が必要になります。
そこで、訴える準備が整うまでは、モラハラ加害者に何を言われても反発したり、1対1の状況で言い返してはいけません。ボイスレコーダーを使った証拠集めや、他の社員の人との連携を強化する期間に当てましょう。もし何か言われても「これで証拠が増えた」くらいに思っておきましょう。そして、準備が整ったら、さらに上の上司に一斉に訴えを起こしましょう。
集団のトップにいるモラハラ加害者はその地位から降ろされることを恐れています。自分の地位が脅かされた時には、アッサリと居なくなることもあります。
4.家庭内でのモラハラ対策
家庭内でのモラハラは、解決が難しいと考えられます。モラハラ加害者の中からモラハラを完全に無くすのが難しいためです。
そこで、真の解決ではなく、モラハラを進行、悪化させないための対策を紹介します。
(1)モラハラ親との同居はNG
モラハラ夫(妻)の親はモラハラを行う場合が圧倒的に多いです。一見、普通の人に見えていても、結婚した後、同居した後などに変貌する可能性があります。そのため、モラハラ加害者の親との同居は、絶対にやめましょう。加害者が集団になることでモラハラ行為は加速します。
(2)親や友人とこまめに連絡を取る
モラハラ加害者は、被害者を孤立させ、無力化させようと働きかけます。モラハラ行為がしやすい環境を整えるためです。そのため、人間関係や社会から孤立しないことが大切です。自分の親や友人などとはこまめに連絡を取りましょう。会話の中で、親や友人の名前を出すのも効果的です。モラハラ加害者は自身のモラハラ行為が周りに露呈することを恐れていますので、外と頻繁に連絡を取っていることで抑止につながります。
(3)長い時間一緒に過ごさない
モラハラは、モラハラ加害者にとって近い存在に対して行われます。そのため、一緒にいる時間が長い人ほど標的にされやすくなります。休日はいつも一緒に過ごす、家の中でも同じ空間にいる時間が長い、食事は必ず一緒にとるなどを続けているとモラハラが加速します。
休日に自分だけの予定を入れる、家の中でも違う場所で過ごす、たまには友人と外食することはモラハラ抑止に効果的です。
(4)証拠を集める
あなたが今、離婚を考えていなくても、将来、離婚する可能性はあります。子どもの手が離れたとき、夫が退職したとき、など環境が変わると離婚を考える可能性もあるからです。
モラハラを受けていたという事実が客観的に分かるよう、証拠を残しておきましょう。
具体的には、ボイスレコーダーを使った録音、いつに何を言われたのかが時系列でわかるような日記、相手からの手紙やメール、病院にかかったのであれば診断書等です。
モラハラ行為を受けていた時のことは、あとで思い出すとぽっかりと記憶が抜けていることがあります。私自身も、確実にモラハラ行為があったのは覚えているのに、具体的に何を言われたのかが思い出せない、と言った経験があります。脳が精神を守るために記憶を削除したのでしょう。このように陳述書を作成しようしたときに、あとからだと思い出せずに困ることがあります。出来るだけその場その場で証拠を確保することをオススメします。
まとめ
モラハラ対策には、モラハラをしにくい環境をつくる他ありません。
間違っても、本人にモラハラを自覚させようとか、モラハラを治そうと努力してはいけません。あなたが疲弊するだけで、解決には至らないどころかモラハラ加害者からの加害行為が加速する恐れがあります。
モラハラを進行させないよう、環境を整えるとともに、証拠を集め、いざというときに使えるように準備をしておくのが大切です。
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