モラハラ加害者と話をしていると、「自分は人間として扱われていない」と感じます。
それは、モラハラ加害者のある行動が原因です。モラハラ加害者が被害者を道具か何かだと思っているため、普通の人間では当たり前のことを決して認めません。そして、それは被害者にとってかなりの苦痛です。
モラハラ加害者の完全否定行動を私の実体験をまじえて紹介します。
モラハラ加害者がなぜ人格否定をするのか
モラハラの本を出されている谷本惠美先生の御本の中にモラハラについてこのような言葉が出てきます。
「モラハラは人格に対する暴力」
この言葉を見たとき、涙が止まらなくなりました。
モラハラがモラルを守らない人による程度の低い嫌がらせではなく、被害者の人格がボコボコに壊され、破壊される暴力であるということハッキリと言葉にしてくださったからです。この言葉にどれだけ救われたか分かりません。↓こちらの本です。
モラハラ加害者はこの様に被害者の人格へと執拗に攻撃を仕掛けてきます。それはなぜでしょうか。
被害者の『価値観』を決して認めないから
モラハラ加害者が使う典型的なモラハラ言語に「お前は(頭が)おかしい」という一文があります。
被害者の持つ価値観は彼らにとっては到底認めることができないものです。自分の配属化にいると思っている人間がいきなり自分に対して意見を言うことなどありえないので、被害者が自己を主張すれば当然、潰そうとします。その結果の言葉が「お前はおかしい」なのです。
これを言われてしまうと、「おかしいのはあなたの方よ!」と言って、幼稚な言い争いになるか、被害者自身が対話をあきらめ、黙り込むしかありません。それだけ意味のない言葉ですが、モラハラ加害者はこの言葉を巧みに使うことで、被害者が自分の価値観を疑うように仕向けて行きます。
黙り込めば認めたのだと勘違いしたモラハラ加害者が、批判を強め、さらに否定してくることもあります。
被害者の価値観を潰すことは、被害者が一人の人間であることを否定する心理からきます。
この言葉は何度言われたか分かりません。夫と衝突するたびに、「お前の頭がおかしいのだから、すべての俺の言うとおりにすべき」と言われて終わりました。夫は、絶対的に自分のやり方を貫かなければ気が済まず、その価値観自体も理由があるものではないため、私の価値観を否定することでしか反論が出来なかったのだと思います。あとは、同じ言葉の繰り返しです。夫が同じ言葉を繰り返すときは、こちらの言うことを一切聞く気がないときです。夫にとって話し合いと言うのは一方的な自分の意見を貫く場であり、互いに価値観を寄せて行ったり、折衷案で解決するということは認められませんでした。こちらがいくら理論的に説明をしても、全く通じませんでした。
被害者の『感情』を決して認めないから
モラハラ加害者は、被害者が感情を表に出すと、「お前が感情的になるからまともな話し合いができない」と言い出します。
しかし、嫌なことをされて感情が出ないことの方がおかしいです。私の場合、話し合いが出来ないほど感情が表に出ていなくても、「お前の目がすでに感情に支配されている」などよく分からない理屈で話し合いを拒否されました。子どもを叱るシーンでは、少しでも感情を出せば、「子どもの前で泣いたり怒ったりするなんて母親失格だ」と言って貶めることもします。
彼らは被害者を否定し、攻撃し、あえて感情的にさせようとします。
モラハラ加害者が問題を被害者の感情のせいにするのは、被害者が一人の人間としての感情を表に出すことが許せないからです。
本来の問題の解決のための話し合いであったはずなのに、いつの間にか「被害者の感情」が一番の問題になってしまうのです。こうして、全く本質的な話し合いが出来ずに終わります。
夫からよく言われた言葉に「お前はいつもにこにこしていればいいんだ!」というものがありました。この言葉を言われるのは、私が怒りや悲しみの感情を表に出したときでした。
夫は決して私が怒ったり悲しんだりすることを許しませんでした。
私が怒ると、「お前が怒るから俺が怒鳴らなければいけないんだ!」といって、怒鳴りつけられました。私が怒りの感情を表すことがいかに悪いことなのかを語っていました。
夫いわく、「お前が怒ると、俺の仕事がうまくいかなくなる」「仕事で疲れてきて、家は唯一の安らぎの場なのにちっとも休めない」と言うことらしいです。私自身、沸点が高い方なので、怒る回数はそんなに多くありません。しかし、その1回、2回の怒りすら認めてもらえませんでした。
いつもにこにこしている人間なんかいるでしょうか。人間ですから、怒ったり、泣いたり、凹んだり、マイナスの感情だって当たり前に持ちます。そして、それは決して悪いことではないはずです。
むしろ、本当は悲しい、本当は怒っている、それなのに感情を無視して笑顔でいるほうがよっぽど不健康です。
被害者を一人の人格ある人間だと認めないから
モラハラ加害者の中には、「自分」しかいません。
自分以外の人に対して持つ感情と言えば、「この人は利用価値があるだろうか」です。
利用価値のある人であれば、利用できる部分を根こそぎ使われ奪われます。利用価値のない人間はそもそも相手にしません。利用価値があろうがなかろうが、モラハラ加害者にとっては、自分と同じ一人の人間であるという認識がないのです。
モラハラ加害者にとって自分の思い通りに動かない人間は「利用価値のない」「役に立たない」存在に成り下がります。モラハラ加害者が人格否定の言葉を使うときは、被害者が自分の思い通りにいかなかったときです。人格否定の言葉は売り言葉に買い言葉でうっかり出てしまった失言ではなく、彼らが被害者に対して心の底から思っている本音であると私は思います。
3.モラハラ加害者と家族の関係
(1)モラハラ加害者は家族を道具だと思っている
モラハラ加害者にとって、妻(夫)は自分の「便利な道具」か「見栄を張るためだけの飾り」です。自分にとって使い勝手が良く、人からうらやましがられるとなおいいと思っています。自分がどんな優れた人間であるかをアピールするためにも利用します。
(2)モラハラ加害者は家庭をストレス発散の場だと思っている
そして、モラハラ加害者が「家は憩いの場だからその場で怒ったりするな」と言いますが、「家が憩いの場」というのは詭弁であり、本当は、「自分だけがストレスを発散する場」だと思っています。そのため、加害者本人は家の中で怒鳴る行為を普通に行います。
そして、「家が憩いの場」でなくなるのはすべて妻(夫)のせいであり、家で休めないのは、妻(夫)の努力が足りないから、とされます。
すべて御膳立てして、いい気分でいられるような環境を保つのが、妻(夫)の役目です。職場でなにかあってイライラを家庭に持ち込んだときは、それを受け止めて、自分のストレスを無くしてくれなければいけない、時には、絶大な賞賛を贈って自分を励まさなければいけない、そう思っています。そして、それは当たり前のことだとも思っているので、妻(夫)がいくら努力をしたところで感謝はされません。
自分の都合の為だけに、家庭内に問題や負の感情があることを許さないのです。
(3)一方的に搾取される関係は続かない
片方の努力だけで成り立つ人間関係は、どんな関係でも決してうまくはいきません。
愛情や優しさに見返りは求めていませんが、「労り」や「ねぎらい」は求めています。
粗末に扱われれば、愛情が消え去ることもあります。あなたがひどい人なわけではありません。人間とはそういう生き物です。
4.モラハラ加害者との話し合いは時間のムダ!
モラハラ加害者は、いくら言葉を尽くしたところで相手は何も変わることはありませんし、本人も変わりたいと思っていません。
言い争いをすること自体がすでに、向こうのペースにはまってしまっています。
一番いいことは「相手にしないこと」です。
しかしあまりにも近しい関係で、それすらも辛いようであれば、関係を一度考え直したほうが良いでしょう。相手の機嫌を伺いながら過ごさなければならないのは、普通の関係ではありません。
話し合いで、相手に分かってもらおう、解決しようと思っても、時間と感情の無駄遣いで、無駄にあなたが傷つくだけです。
伝えようと努力する根底には、何よりも相手のことを思う気持ちがあることでしょう。しかし、残念ながらその想いが届くことはありません。
なによりも一番、自分を大切にしてください。
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