私は、夫から「お前のせいで病気になったんだ!」「おまえが俺を怒鳴らせるんだ!」と言われていました。
夫は付き合っているときには全く怒鳴らずに温厚な人柄だったので、この言葉は真実のような気もしていました。しかし同時に、付き合っているときに夫から聞いた「友人と一方的に絶縁した話」や職場上司から聞かされた「ニコニコと穏やかな彼の様子が職場のときと全然違う」といった言葉が頭に引っかかってもいました。
夫の言っていることが正しいのか、それとも本当は以前からこういった行動を私の前以外ではしていたのかが気になり始めたのです。夫を信じたい気持ちがある中で、違和感を隠し通すことができませんでした。
そこで私は義父母に相談をしてみることにしました。
うっかりと口を滑らせた義父
私は夫の様子がおかしいこと、そして処方された薬を飲んでいても改善されないため、何かあった時に義父母の手助けが欲しいということを伝えました。
しかし義父母の反応は「夫婦間のことは夫婦で解決しろ」でした。
私はあまりにも夫の様子がおかしいので、これが夫婦間の問題ではないことと、そのおかしな様子を事細かに説明しました。そして、夫の昔の様子と比べて明らかに変わっていることも伝えました。
すると義父はこういったのです。
「そういうのは、息子は昔っからしていた。息子はこういう性格だ!なにもおかしくはない!」と。
そうしてこうも続けました。
「それが受け入れられないのであれば、あなたに妻の資格はない」
義父は恐らく、夫にとってマイナスになる発言をうっかりと言ってしまったとは気付いていなかったと思います。それよりも「夫は正常である」ことや「妻として夫のことをすべて受け入れ従え」ということを強調したかったのでしょう。しかしいくら義父が「正常だ」といっても明らかに異常行動を取っているので、その言葉で夫の行動を無かったことにはできません。
義父母は夫におかしなところが見当たらないので、私が一方的に夫を批判している=夫婦間の問題だと思っていたのでしょう。そして、なにがなんでも私の方を悪者にしたかったため、夫が正常であることを証明するためにうっかりと「昔からそういう性格だ」と発言してしまったのだと思います。
義父のこの発言のおかげで、夫の異常行動は私のせいではなく、元々の性格であり昔から行っていたことがわかりました。結果的にはこの発言に救われることになったわけです。
これを聞いたときには驚くことはなく、むしろ「やっぱりな」と言う気持ちでした。自分の感じていた違和感の正体がハッキリとして、なんだかすっきりした気分にすらなっていたのです。
逆に治らないという絶望
そして、この話が裏付けたのは夫のモラハラや異常行動は「病気のせい」ではなく、幼いころからの性格が元になっていたということでした。
病気であれば、病気から回復すればモラハラ・異常行動は治ったでしょう。
性格が原因だということが確定したということは、同時に「夫のモラハラ・異常行動は治らない」ということが確定したということでもありました。
夫のモラハラが自分の責任ではないことが分かって安心したのもつかの間、夫を治す術がないという次の問題がやってきたのです。
[originalsc]
事実を知ったことを知らない夫
この話は夫がいないときにしたため、私が義父から夫の過去の様子を話されたことを夫は知りませんでした。
私もなんとなく話す必要はないと思って黙っていました。
夫は私に対して「別の人と結婚していれば、こんなことにはならなかったのに」とつぶやきました。
優しく真面目なゆえに病気で苦しんで、夫のことを可哀そうだと思っていた…。
でも本当はそうではなかった。
この人はいったい何を考えているんだろう?
病気ではないのであれば、なんであんな異常行動をするんだろう?
なんのために、嫌なことを言ってくるんだろう?
そして、どうしてそれを人のせいにできるんだろう?
夫が何を考えているのか分からなくなって、可哀そうだと思っていた夫はいなくなりました。
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