私はモラハラ被害に遭ったことがきっかけで、モラハラについて調べ、本を読み、そこから得た情報やヒントをもとに「モラハラとはなにか」を自分なりに結論付けようとしています。しかしまだモラハラについての確かな情報は少ないと感じています。
私自身も、かつて夫がなぜあんなことをしたのか分からないことがたくさんあるのです。まさか本人に聞くわけにもいきませんから、自分で不可解な行動をコナンくんのように推理するしかありません。
今回は、私が夫の不可解な行動を「恐らくこういう意味であったのではないかと」「こういうことが原因なのではないか」と勝手に解釈した話です。ただの推理にすぎないので、お暇な方だけご覧ください。
私の体験談 ~習い事の教室を変える邪魔をしてきた夫の意図とは?~
子どもは、婚姻期間中にとある習い事をしていました。ですが、別居によって車で数時間も離れた実家に戻ることになったため、その教室に通うことは物理的に不可能に…。
しかし、幸いにも習っていたところが大手であったため、実家の近くにも教室がありました。ここでまた習い事が続けられるかも!
調べてみたところ「退会にしなくても手続きをすれば、通う教室を変えて続けられる」ことがわかりました。そこでさっそく、以前通っていた教室に電話をして手続きをしてもらうことにしました。
順調に手続きができると思っていた矢先に、ここで突如問題が。
習い事に申し込んだとき、連絡先を夫の電話番号にしていたため、夫に変更の意思を確認する電話が入ったようです。夫からの返事は「変えさせないでください」だったそうです。
教室の先生からは「申し訳ございませんが、両親間で意見が違う場合は、手続きを行うことができません。」と言われて教室変更が不可能になってしましました。そうですよね。片方の親が教室を変えてと言っていて、もう片方の親が変えないでと言っていたら、片方の言い分に従えば、もう片方の言い分に反対するということになってしまいます。先生たちにはどっちの言い分に従えばいいのか判断できないので、どっちの意見にも従うことができなくなります。
こうなってしまえば、たとえ物理的に通えないのが分かっていたとしても、手続きをするわけにはいかないのです。
結局、月謝は発生しない「一時休会」にすることになりました。
お金は払わなくても良くなったものの、このままでは新しい教室に通うことはできません。
夫は、なぜ子どもの習い事の教室変更をさせなかったのでしょうか?これにはただの嫌がらせだけではない理由があったのではないかと推測しました。
夫は、おそらく子どもを離婚後も元の教室に通わせ続けたかったのではないかと思います。のちの離婚調停でも夫は親権を主張しており、自分が親権を取れると疑わずに、そのときのマイホームから子どもが同じ教室に通い続けられる未来を思い描いていたのではないかと考えられるのです。
離婚調停では、妻である私が子どもを虐待していたことにされていました。私の弁護士からは「親権者は99.9%あなたです。しかし、あなたが本当に虐待をしていたのであれば、話は別です。」と言われました。
虐待をしていた場合は親権者になれる可能性は非常に厳しいです。
夫はそれを知っていたからこそ、私を虐待親に仕立て上げたのでしょう。そうすれば確実に自分が親権者になれると思っていたのだと思います。
ただし、嘘の証言をすれば、自分の言い分が丸っと通った未来を手に入れると考えるのは早計すぎると思いませんか?普通の人であれば、それで安心するには材料が足りなさすぎることに気が付くはずです。
自分に都合のいいストーリーを信じて疑わないモラハラ加害者
モラハラについて調べていたらこんな一文を発見しました。
彼らは自分の思うように事が進まないとすぐにキレますが、これは彼らの頭の中で自分の都合のいいようにストーリーが出来上がっていて、そのとおりに なると堅く信じているからです。
(引用:モラルハラスメント被害者同盟)
この通りであれば、夫は私を虐待親にでっち上げさえすれば、私から親権を奪えると本当に信じていたのだと思います。
まさに夫にだけ都合のいいストーリー過ぎてあきれ返ります。
しかし、このことから分かるのは、モラハラによくみられる「自分だけが絶対に正しい」「自分が正義だ」といった単一的な価値観は、自分のことを客観視できないだけではなく、あらゆる可能性や、いろんなパターンの未来を想定する多角的な視点が普通の人とは比べられないレベルで欠落しているということです。
モラハラ加害者に多角的視野がない原因は?
なぜモラハラ加害者にこのような特徴が見られるのでしょうか?
それは、他人から圧倒的な力で抑圧されて、自分を押し殺さなくてはならなかったことが原因だと考えられます。感情や価値観の抑圧は大きなストレスです。そのストレスから自分の心を守るために、彼らは幼いときから「思考停止」をすることを選択しました。
何も考えなければ、ストレスを感じることもないからです。
かかりすぎる負荷に耐えられずに、考えることを放棄した彼らの頭の中には、
- 人生にはあらゆる選択肢があり、未来は選択によって変わること
を認識する力が不足しているのだと考えられるのです。
未来のことを考える力は人間にしかない
子どもの言葉の発達をみていると、次のことに気が付くと思います。
まず子どもは、「今」のことを真っ先に話し始めるようになります。たとえば目の前にいる犬を指して「ワンワン!」ということです。
次に「過去」のことを話し始めます。「今日は○○したね」「〇〇して楽しかったね」といったことです。
そして最後に「未来」のことを話すようになります。「大きくなったら○○になりたい」と将来の夢について話し始めることができるようになるのは、だいたい3~4歳ごろからでしょう。
この話す内容の発達は、言葉の発達だけではなく、そのまま脳の発達とも関係していると考えられます。
つまり、脳の中で「未来」を考える分野は一番後に発達するということです。それは、今や過去は「すでに起こっていること」であり、目の前のことや記憶に残っていることから情報を引き出せば話すことができるのに対し、「未来」のことだけは、頭の中にしかない=想像するしかなく、難易度が最も高いからだと考えられます。そしてこの未来を思い描く力というのは、人間にしかないそうです。
さらに、未来のことを想像するのは、今現在が安定していないとできないと言われています。離婚問題で現在が不安定な人が、将来どうなるかの想像が全くつかないのはそのためです。また、今現在食べるのにも困っている人が5年後、10年後のことを考えられるはずがありません。
未来のことを考える力を身につけることができたのは、脳の発達とともに、人間が安定した暮らしを手に入れることができたからなのです。
モラハラ加害者が単一的、短絡的な思考しかできない理由
モラハラ加害者は、幼いころから不安定で自分自身が脅かされるような経験をしてきています。今現在が安定していないので、「未来」のことを考える力が育ちません。今を何とかして生き延びないといけないので、「未来」のことまで考える余裕がないのです。
そのため、彼らの思考の大部分は「今」もしくは「過去」のものになります。そこで「今さえ良ければいい」といった短期的な思考になり、長期的な視野を持って物事を考えることができなくなります。
今の目の前の勝ちだけにこだわり、他人と争います。それによって、将来どんな不利益が被るかといったことまでは考えることができないのです。
なぜなら、それはまだ起こっていないことなので、思考の大部分を占める「今」や「過去」にはないからです。
「未来」は想像するしかありません。しかし、想像力が育ってきていない彼らは、長期的、多角的視野を持ってあらゆるパターンの未来を想像する力を持っていないのです。
まとめ
モラハラ加害者の行動を分析していくと、彼らの異常行動の中には「能力的に普通の人と同じレベルでできないこと」があるように思います。
幼いときに発達しなかった能力は大きくなった後では挽回できないことがあります。モラハラ加害者に見られる特徴は、能力の一部が明らかに未発達のまま止まっているということです。
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