モラハラを治す画期的な治療法はありません。
最近、私は「夫婦カウンセリング」について調べていましたが、パーソナリティ障害を受け入れているクリニックですらサイトに「自己愛性パーソナリティは治らないので逃げましょう」と書かれていて、苦笑してしまいました。
専門医ですらハッキリと「治らない」と宣言できるほど、彼らのパーソナリティを改善させることは難しいのでしょうね。
さて、今回はもしあなたがモラハラ夫に「あなたのしていることはモラハラよ」と真実を伝えた場合、どうなるかについてまとめてみました。
モラハラ夫に「モラハラだ」と指摘してもいいの?
実際に、モラハラ被害に遭われた方の中には、ハッキリと「あなたのやっていることはモラハラだから!」と伝えたことがある方もいらっしゃるようです。
なかなか勇気のいる行為だと思います。おそらく、パートナーのためを思っていたからこそ、誤魔化すことなく真実を伝えたのではないかと推測します。
その方の場合は、指摘したことで夫が今まで無意識にやっていたモラハラ行為を自覚し、モラハラを改善させていくよう努力してくれるようになったそうです。そして、一時期は離婚を考えるほどだったのが今は夫婦仲は回復し、普通の夫婦以上に仲のいい夫婦としてやれるようになったそうです。
しかし、このようにモラハラを指摘した結果モラハラがなくなりよくなるケースは稀であり、ほとんどの場合失敗に終わるのではないかと私は考えています。
私の場合、別居をした後に夫のしていたことがモラハラだったと気づいたため、残念ながら検証することはできませんでした。ですが、私は別居前に気づいていたとしても、おそらく夫には「モラハラだ」と指摘しなかったと思います。(今も相手には伝えていません。)
それには理由があります。
モラハラだと指摘する目的は?
まず、モラハラ夫に「あなたがやっていることはモラハラだ」と指摘する目的は何でしょうか?
それは、モラハラ夫にモラハラを自覚してもらい、改善してもらうためです。
モラハラ夫にモラハラだと指摘するのはとても勇気がいることです。
勇気を振り絞ってまで指摘するのは、夫のモラハラを治し、離婚という選択をしなくて済む幸せな未来を手に入れたいからなハズです。
モラハラ夫にモラハラを指摘できるのは妻くらいしかいない
そして多くの場合、モラハラ夫が外でもモラハラ行為をしていたところで、周りには「モラハラだ」と指摘してくれる人は少ないということです。
モラハラを指摘するのは、改善することを期待できる立場の人であり、多くの人はそういう関係になる前に離れていきます。
モラハラ夫は昔からモラハラをしていますが、いままでに被害に遭われた方も、モラハラだと指摘しないまま関係を切って逃げていくことが多かったのではないかと思っています。関係を断ち切ることで被害を無くすことができる立場の人(友人、同僚、先輩、後輩など)であれば、更なる被害を受けることが予想される相手に、わざわざ勇気を出してモラハラを指摘するほどの労力をかけたりはしないからです。
そのため、パートナーくらいしかモラハラを指摘してくれる人がいないのが現実です。
モラハラ夫の心の弱さとは?元妻が感じたモラハラ夫の不安定さ
ここからは、すべてのモラハラ夫に対してではなく、私の元夫に対してのみ当てはまることとして書かせていただきます。
元夫は、傍から見て精神的に不安定だと感じることが多い人でした。
人に過度に遠慮して自分の意見を言えなかったり、周りにやたらと気を遣い、反面、誰からも気を遣われることなく、ひとりで疲弊することが多かったのです。
そしてため込んだストレスを、モラハラという形で家庭内で発散をしていたのでしょう。
私がモラハラ夫に対して感じていることは、モラハラ夫は、自己を安定させるためにモラハラをしていてもなお、精神的に不安定のように見えるということです。
ため込んだストレスをモラハラという形で発散をさせる人というのは、言ってみれば、ストレスに弱く自分で自分のストレスを自己消化することができない人です。精神がタフであり、人から言われたことを気にしない人や、精神はタフではなかったとしてもストレスを自分の中で解消できる人は、八つ当たりで怒りを解消する必要はありません。
つまりモラハラをする人というのは、ストレスに対して脆弱だと考えられます。
私はモラハラをしてしまうような人にモラハラを指摘しても、それを受け止めるほどの精神力はないと思っています。
モラハラをしていることを受け止められないモラハラ夫はどうなる?
「お前の方がモラハラだ」と言い返されるだけで終わる
夫も含めて多くのモラハラ加害者は、指摘された内容を受け止めようとせずに相手に跳ね返すことしかできないのではないかと推測します。
人から言われたどんなことも突っぱねて「誰かが」「誰かのせいで」と言い続けていた元夫。
「モラハラ」と指摘したところで、「それはお前の方だろ!」と言い、一瞬たりともこちらの指摘を頭や心に入れることなく跳ね返してくることが予想できます。
モラハラ夫にモラハラだと伝えるのは、ハイリスクローリターン
モラハラを指摘するというのは、その人の人となりや人格そのものを否定することです。それを受け止めたときには、アイデンティティが一旦すべてバラバラに崩壊するほどの強いショックを受けるでしょう。
そして、粉々に砕け散ったアイデンティティを再び自分の力で構築しなくてはいけませんし、そのときには元の形に戻すのではなく新しく「モラハラをしない人格」を作らなくてはいけません。
それは大変な作業であり、時間も、労力も、精神力もものすごく必要になるでしょう。
もしかするとバラバラになった自己が再構築されずに、砕けたままになってしまうかもしれません。
改善されることがほぼ見込めないのに、相手にモラハラと伝えるのは高いリスクを伴います。「相手にモラハラだよ」というのは自分がすっきりするためではなく、相手に改善してもらうためです。言っても改善されないことを伝える意味はありません。
今より悪くなる可能性の方が高く、言わない方が得策だと私は考えます。
モラハラ夫は孤独であり、だれも彼らを改善させようとしない
モラハラの他にも、店に来るクレーマー、無理難題を要求するモンスターペアレントなど彼らはみんな同じような思考が元になっていると考えられます。
そういった人たちのことをあなたは好きでしょうか?
側にいれば暴力や暴言の被害にさらされるかもしれません。多くの人は、距離を取り、向こうから近づいてきたら関わりたくないと逃げ出すでしょう。
モラハラ夫は暴言は束縛で妻を支配下に置きます。妻がモラハラ夫に従わざるを得なかったのは恐怖に支配されていたからです。
暴力や暴言を使って人を従わせたとき、「誰も彼らと心を通わせることをしなくなる」ということです。
私は、モラハラ夫は自らの行いの結果、自ら孤立する道を歩んでいると感じています。
逃げ出すか、
支配されるか、
そこには心を通わせる人間関係はありません。
モラハラをすることで人を従わせることができ、支配欲を満たしてくれるでしょう。でも本当の意味では、モラハラ加害者はみな孤独です。
専門医ですら匙を投げ、助けるために力を貸してくれることはありません。誰もかれもが関わりたくないと、縁を切り去っていきます。
他人を尊重できないモラハラ夫の末路は、それでいいとさえ思います。
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