モラハラ加害者の抱えるジレンマ

モラハラ加害者の抱えるジレンマ

前回の記事でも書きましたが、モラハラ加害者やモラハラ夫はモラハラをすることによって自己肯定感と自己否定感が高まるという不思議な心の動きをします。

それは、モラハラ加害者たちはみな、被害者と加害者の両面を持ち合わせているからです。モラハラをすれば、加害者としての自分を肯定し、被害者としての自分(インナーチャイルド)を否定するという2つの心の働きをします。

肯定と否定を同時に受けるため、モラハラ加害者は2つの感情の板挟みになっていると考えられます。

目次

モラハラ加害者は「インナーチャイルドを癒してほしい」と思っている

モラハラ加害者は幼いころにモラハラを受けたことによって傷ついた体験をしていると私は考えています。そして、その傷は大人になってからも癒えておらず、さらには本人が心の傷に無自覚です。

しかし、いくら本人が自覚をしていなかったとしても、心の傷は確かに存在して、本当はその傷を癒してほしいと思っています。

なぜ自分の受けた「嫌なこと」を人にしてしまうのか?

モラハラは連鎖しやすいと言われています。

DVや虐待も次の連鎖率は高く、虐待をしてしまう親を調べたところ、かつて自身も虐待を受けていたという人は7割もいたそうです。このように自分がされたことを、今度は人にしてしまう連鎖はあらゆる場面で起こります。

しかし、自分がされた時にはそれを「いやだ」と確実に感じていたはずです。

自分がされた時に「いやだ」と思っていたのであれば、

被害者の心が分かるわけですので、

されたことの痛みが分かる被害者が加害者に転じることはおかしなこと

のように思えます。
ですが、実際は被害者の方が加害者に転じやすいということが虐待の連鎖率が高いことからも分かります。

なぜ自分が受けた嫌なことを今度は人にしてしまうようになるのでしょうか?

それは、

被害を受けたときに「誰も自分のことをかばってくれなかったから

だと考えられます。

モラハラ、DV、虐待が肯定される環境は次の加害者を生む

今の加害者の立場の人がかつて被害を受けたときには、彼らはモラハラ、DV、虐待が正しいとされる環境にいたと考えられます。モラハラ、DV、虐待が正しくないとされる環境では、継続的に被害に遭い続けることはないからです。

親に当たる人やその周囲の人が「それは正しいこと」であるという認識をしていたため(もしくは被害を受けている間だけでもそういう認識があったため)、長期間にわたる被害があったわけです。

もし、一方の親がモラハラ親でもう一方の親が非モラハラ親(モラハラをしない親)だった場合はどうでしょうか?

非モラハラ親は最初はモラハラに抵抗をしたり、モラハラを受けたときに子どもをかばっていたでしょう。しかし、モラハラはエスカレートをしていくので、加速する被害や長期間の被害を受け続けるうちにモラハラに抵抗する力を無くし、自分自身や被害者(子ども)をかばうことをしなくなることがあります。そういった場合も同様にモラハラが正しいとされる環境だと言えるのです。

幼いころ、

自分がされて嫌なことは人にしない

と教えられたことがある人も多いでしょう。

しかし、私たちの心理はそのようにはなっていません。

たとえ、「自分がされていやだ」と思ったことであったとしても、周りが「それは正しいこと」だと言えば、

自分の想いを押し殺し、

周りが言う通り「正しいこと」だと思い込もうとしてしまうのです。

そして「(モラハラ、DV、虐待が)正しいこと」だと言われて育ったことで、それを正しいとする価値観の人が生まれ、新たな加害者ができてしまうのです。

「いやだ」と思っていたインナーチャイルドに訴えかければ、加害行為は収まる可能性もある?

しかし、幼いころ被害を受けて「いやだ」と思っていた自分はいなくなってしまったのでしょうか?

実は、そうではありません。

「かばってほしかった」

「嫌だといったときにやめてほしかった」

「嫌だという価値観を認めてほしかった」

「被害を受けたときに癒してほしかった」

そういう思いは、本人が無自覚のままでいつまでも残り続けているのです。

虐待をする人の中には「自分を止めてほしい」と思っている人もいます。その人たちは、コントロールできない自分を止めてほしいだけではなく、圧倒的な力で虐待を否定して欲しいと考えているとも言えます。

加害行為をしながらそれを止めてほしいと思うような相反する心の動きには、

かつて被害を受けてそれを嫌だと思っていた被害者の側面

と、

環境によって正しいと思わされてきた外からの圧力

の板挟みが原因だと考えられます。

私は、加害者であったとしても「かつて自分が被害者であったことを、多くの場合覚えている」と思ってます。

だからこそ、虐待をする場面においてもそれがダメなことだという自覚があり発覚しないように隠そうとする心理が働くのだと考えられるからです。本当に正しいと思っているのであれば、「隠そう」とはしないはずです。

本当はダメなことだと分かっている、それは幼いころの自分が必死に「嫌なこと」「ダメなこと」だと訴え続けている結果でもあるでしょう。

つまり、被害者であった頃の加害者に訴えかければ、モラハラ、DV、虐待が改善していく可能性があるのではないかと考えます。

しかし本人は心の傷には無自覚ですので、どういった手段で訴えるかについては慎重に考える必要があります。

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