モラハラは肯定も否定もしてはいけない!その理由と正しい反応

モラハラは肯定も否定もしてはいけない!その理由と正しい反応

モラハラをする人にとっても、モラハラの被害を受けている人にとっても、永遠のテーマ。

「モラハラ加害者をどうすれば治すことができるのか」

私自身は、モラハラを治すことはほとんどできないと考えています。しかし、モラハラをエスカレートさせないようにするための適切な方法は恐らくこれだろう、というものがあります。(というか、それしかないと思っています。)

今回は、モラハラをする人の心の動きに着目して、ふさわしい反応についてまとめてみました。

また、被害者がやらなくてはいけないことについても言及していますので、被害者の方はぜひ覚えておいて欲しいと思います。

目次

モラハラ加害者がモラハラをしたときの不思議な心の動き

モラハラ加害者たちはモラハラをすると、支配欲所有欲を満たし、自己肯定感が高まります

  • 誰かを支配している自分
  • 誰かをコントロールしている自分
  • 自分がいないと存在することができない人がいる

そう感じることによって、自分の存在意義を感じることができるからです。

しかし、一方で、幼いころにモラハラによって虐げられてきたインナーチャイルド(幼いころの癒えていない心の傷)を刺激し、自己否定感も高まります

モラハラ加害者は、かつて被害者の立場であり、モラハラを受け続けていた期間があります。そしてその時に、必ずモラハラによって傷つけられる体験をしてきています。

自分自身がモラハラをするときには、モラハラ行為によって傷つけられた幼いころの自分を呼び起こします。それは、自身が抱えているモラハラへのトラウマのメンタルタイムトラベルでもあります。

つまり、モラハラ加害者たちは、モラハラをすることで自己肯定感が高まると同時に、自己否定感も高まるという不思議な心の動きをします。

メンタルタイムトラベルは私たちも日常的に感じている

この体験は、例えば子育てをしていることのある人であれば、日常的に感じることがあると思います。

子育てをしていると、自分自身が今まで忘れていた幼いころの記憶がふと蘇ることがありませんか?たとえば、子どもが泣いているときに、自分自身が大泣きした記憶がよみがえってきたり、子どものしぐさや癖などから、幼いころの自分がそれをやっていた時のことを想い出したりします。

しかも、そういった記憶は、子どもが生まれるまではすっかりと記憶の中から抜け落ちていたようなことばかりです。子育てをきっかけに何十年も前の記憶がよみがえってくる、なんとも不思議な体験ですよね。

人間は、意識に残っていない記憶でも案外覚えているという証拠ではないでしょうか。

このように子育てをきっかけにして幼いころの記憶がよみがえってきたとき、その中に思い出したくない記憶が含まれていることがあります。そして、子育てをし始める前はすっかりとそのことが抜け落ちていることもあるのです。

もし、あなたのパートナーが「結婚」「出産」を機にモラハラが始まったとするのであれば、癒えていないモラハラの記憶が家庭を持ったことや子育てをきっかけに呼び起こされてしまったのかもしれません。

そしてその思い出の中の無力な幼い自分自身を否定するために、モラハラをしてしまっている可能性もあるのです。

モラハラ加害者は、モラハラを肯定しても否定しても傷つく

もし、あなたがモラハラ加害者のモラハラに屈し、相手の言いなりになったりモラハラをさせまいと機嫌を取ったらどうなるでしょうか?モラハラ加害者は支配欲を満たし、満足するでしょう。しかし、彼らはまた、モラハラ被害者でもあるので、幼いころにモラハラによって傷ついた自分が「傷つけられると感じたのは間違っていた」「自分ではなくモラハラ親が正しかった」と再度思い込むことになります。

モラハラを受けて傷ついた幼いころの自分というのは、モラハラをしない頃のモラハラ加害者です。つまり幼いころの自分を否定するということは、モラハラをしないことを否定することだと言えます。

インナーチャイルドを否定すればするほど、モラハラは正しい、自分が傷つけられた行為は正当だと強く思い込もうとし、モラハラはエスカレートしていきます

反対に、モラハラを「それはやってはいけないこと」と批判したらどうでしょうか?モラハラ環境で長年過ごしてきたモラハラ加害者にとって、モラハラが否定されることは自分自身の人生そのものを否定されることです。

モラハラを受けてきたり、モラハラをしてきた人生をまるごとひっくり返され、自分のアイデンティティが崩壊するような危機的状況になります。

何としてでも、モラハラを否定されるわけにはいかないと強く反発し、モラハラを肯定してもらうためにより支配を強めていくのです。

モラハラ加害者にとって、モラハラは肯定されても、否定されても

いずれにせよいい結果にはならないのです。

モラハラに対して、どう対処するのが正解なのか?

モラハラを否定すれば強く反発し、モラハラを肯定すれば、幼いころの心の傷を刺激し、どちらも悪い方にエスカレートしていきます。

つまり、モラハラに対しては、肯定も否定もどちらも正しくないということになります。

では、どうすればいいのでしょうか?

モラハラには、「スルー」が正解

モラハラ加害者への正しいモラハラ対処法。

それは、モラハラをスルーすることです。

モラハラを受けても動じず、言うことをきかず、普段のままの自分でいることです。

しかし、スルーというのは、モラハラを見過ごすということではありません

あなたのやっていることは、意味がないことだと意思表示をするこいう意味です。

モラハラをしたところで

何も周囲は変わらないし、何の力も影響力もないことだ

と態度で示すこと。

それがモラハラへのスルーです。

否定も肯定も、勝負や勝ち負けにこだわるモラハラ加害者を刺激し、改善されるどころか躍起になってモラハラを加速させます。しかし、スルーすれば、そこには勝ち負けが存在しなくなります。

モラハラ加害者自身が、「モラハラはやっても意味のないこと」だと分かれば、モラハラはエスカレートすることなく終息していきます。

心理学的には「共感」で改善されるとされているが…

また、コフートが提唱した自己心理学においては、彼らの怒りの原因を見つけ出し、共感することで改善されるとしていますが、これは専門家ですら難しく、安易に素人が手を出してはいけない領域です。

もし、本人が治したいと強く思っていたのであれば、自己愛性パーソナリティ障害を治療対象としているクリニック、DV加害者の自助グループ、DV更生プログラムなどに参加し、専門家を頼ることが治療の第一歩です。

あなたにできることは何か?

もし、モラハラ加害者たちのインナーチャイルドを癒そうと思ったら、タイムスリップをして、幼少期のモラハラ加害者の盾となり、モラハラ親から身を挺して守ってあげることが必要です。

しかし、現実にそんなことはできません。

できるのは、今のモラハラ加害者をどうにかすることではなく、次にモラハラ加害者となろうとしている我が子を、モラハラ被害から守ってあげることだけです。

過去を変えることはできません。しかし、未来を変えることはできます。

モラハラを連鎖させないこと、それが被害者にできる唯一のことだと私は思っています。

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