モラハラ夫からの暴言に耐えられない…。
そうは思っていても子どもから父親を奪うことになっていいのだろうか。
子どもにとっては良き父親、良きパパだから、私さえ我慢すれば、シングル家庭より良い環境なんじゃないだろうか。
子どものことを考えると、なかなか離婚を決心できませんよね。
しかし子どもにとってモラハラ夫は果たして良い父親なんでしょうか?
子供には優しいモラハラ夫 それは本当に愛情か?
私の元夫は、休日になると子どもを連れて公園に行って遊んでくれる、傍から見れば子煩悩は父親のように見えていたと思います。
しかし、子どもを公園に連れて行くときに、子どもが違う公園が良いと言えば、「お前のためにこの公園に行こうとしているのになんていう態度だ!」と言って道中で怒り出し、公園についてからも数時間、子どものことを無視することもありました。気に入らないことがあれば、子どもが乗っている車でも関係なしに、急ブレーキ急発進を繰り返し、命の危険を感じるときもありました。
周囲には、家族のために休日を使う理想的な父親としてふるまっている一方で、行き帰りの車の中や、家の中ではまた別の側面もあったのです。
夫が子どもたちのことを愛していたのかどうかは正直に言って分かりません。
良い父親をアピールするためだけのアクセサリーだったのか、子どものためを思っての外出だったのか?
追い出される形で別居したため、必要最低限の荷物しか運び出せませんでした。残してきたものの中には、子どものものも多くありました。再び家に入れた時にはもう処分された後でした。
あんなに大げさに子どもを可愛がっていたのに?子どもの大切なものを捨ててしまうの?
子どもから「返してほしい」夫に伝えましたが、返ってきませんでした。本当に捨ててしまったのでしょう。同じものを用意して欲しいと頼んだら、全く別の子どもが要求していないものを贈ってきました。
もし私がその立場であれば絶対にできないことをしてきました。
「俺から離れていくなら、親権が取れないなら、嫌がらせをしてやる!」
夫はそんなような気持ちでいたのかもしれません。
モラハラをしていても良いパパ?それって本当?
私の子どもが話した「お父さん、実は〇〇してたんだよ」
ここからは実際に離婚をした後、子どもの意思で父親と会っていない我が子の話になります。
別居前は、とても父親によく懐き、怒鳴ることもあるけれど「父親のことを大好き」だと言っていました。
その姿を見ていた私は、離婚となってしまって子どもが父親と離れて暮らさなくてはならなくなったことをとても申し訳なく思っていました。
しかし、1回目の面会交流を行った後、子どもは体調を崩し、さらには次のようなことを言い出しました。
「(面会交流に)行ったのは、行かないとお母さんが怒鳴られると思ったからだよ」
「お母さんがいないとき、実はお父さんは、お母さんの悪口をいつも言っていたよ」
と。
そのとき私は初めて子どもの本心に気が付いたのです。
子どもは一緒に暮らしている間は仲の良さそうな振る舞いをしていましたが、心の内では実は違う気持ちがあったことに。
そしてようやく今まで子ども自身が話せなかった「父親から言われた母親の悪口」のことを教えてくれたのです。
私の場合、離婚調停は1年にも及びました。そのため、面会交流が実現したのは別居から1年以上後。それまでもずっと子どもはこのことを黙っていたのです。
おそらくそれまでは子どもの中で父親との約束「秘密だよ」を守るために、私に言わなかったのでしょう。
それが今までどんなに子どもの中で負担になっていたのかと思うと胸が張り裂けそうな思いになりました。
子どもは小さくても両親のことをよく見ています。両親がどういう力関係で、お互いのことをどう思っているのか。実によく分かっています。
そして、ある程度の年齢であれば、分かっていない演技をすることができるということです。(この時、子どもは未就学児でした)
実際に、私は子どもの前でも夫から怒鳴られていました。子どもはそのことをよく覚えていて、だからこそ私をかばうために面会交流に行ってくれたのです。そして、そのことを面会交流に行って帰って体調を崩すまで私に黙ってくれていました。子どもが体調を崩した原因は、父親との仲だけではなく、「親をかばうために、自分の辛い思いを言い出せなかったこと」も関係しているでしょう。
両親の対立を見ている子どもは、その場の雰囲気をよくするためにとりつくろったり、両親の仲を取り持つような行動を積極的にすることだってあります。その姿が親を慕っているように見えたとしても、子どもの本心は別のところにあるのです。
私は、この時に「子どもにとっては良いパパ」は実は私の思い込みにすぎなかったということに気が付きました。
親が怒鳴るシーンは大人になっていてもよく覚えている
あなたの幼少期の記憶に、誰かから怒られた思い出が鮮明に残っていたりしませんか?
実は、ネガティブな思い出ほど記憶に残りやすいといわれています。
怒鳴られた記憶がトラウマになって残っていると、大人になってから別の人が怒鳴られる場面に遭遇した時ですらフラッシュバックし、子どものときに怒鳴られていたことを思い出してパニックになることがあるそうです。これをPTSDといいます。
モラハラ加害者の中には怒鳴られると逆切れをする人がいますが、怒鳴られることが引き金となり幼少期のネガティブな思い出がフラッシュバックしパニックになっていることが原因である場合があります。
モラハラ家庭で育った子どもも、子ども自身がモラハラを受けていなかったとしても、父親が母親に怒鳴るシーンが頭の中から離れなくなることがあると言われています。
モラハラ家庭で育ったからと言って必ずしもモラハラ加害者になってしまうわけではありません。
しかし、モラハラを間近で見続けながら成長した子どもは、大人になってからも「人を信頼できない」「人から傷つけられる気がして、人付き合いが怖い」「何に対しても消極的である」といった別の後遺症が残ってしまうケースも非常に多いのです。
まとめ
モラハラ夫が本当にいいパパなのかどうか。
いいパパというのは、なにも子どもとよく遊んでくれ、子どもから慕われている人のことだけを言うのではありません。
子どもをよく褒め、
子どもが悪いことをしたらちゃんと叱り、
子どもが安心して社会に出れるように育み、
家族の幸せを守ることができる人。
それが良き父親、母親のはずです。
子どもの目の前で母親をけなし、家族の仲を引き裂く人。
さらには、母親を泣かし、子どもが怯える不安定な家庭を作る人。
子どもが生涯にわたって「生きづらさを抱える」原因を作る人。
もう一度、よく考えてみてほしいと思います。
本当に、モラハラ夫は良いパパですか?
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