子どもへのモラハラ被害を少なくしたいときにやるべき5つのこと

子どもへのモラハラ被害を少なくしたいときにやるべき5つのこと

家庭で行われるモラハラは、配偶者だけではなく、必ず子どもも被害者になります。

そして、モラハラ家庭で育った子が、将来モラハラ加害者へと転じる可能性は普通の家庭で育った子よりも何倍も高くなります。しかし、さまざまな理由で、簡単にモラハラ加害者と離婚をしたり、別居をしたりできない場合もあります。

モラハラ被害は毎日のこと。

家族として一緒に暮らしている以上、雨の日も晴れの日も、病気の日も、モラハラ被害に遭う可能性があります。

モラハラ被害から、子どもを守るためにはどうすればいいのでしょうか?

そして、我が子へのモラハラの実害は、なにも次のモラハラ加害者を生むことだけにとどまりません。子ども自身もモラハラによりマインドコントロールされ、「自尊心が低くなる」、「精神的に不安定になる」という悪影響もあります。

子どもが生きづらさを抱え、今後の人生において大きなハンデを背負わせることになります。

では、そんな毎日のモラハラから逃げられない場合、どうすれば子どもへの被害を少なくすることができるでしょうか?

目次

子どもへの影響を完全になくすには「別居」か「離婚」しかない

モラハラ被害を完全になくすためには、別居や離婚をし、モラハラ加害者を生活から排除するしかないと私は思っています。それほど、モラハラ加害者からモラハラをなくすことは難しく、切っても切り離せないものだからです。

モラハラ加害者はモラハラとセットであり、バラ売りはしていません。だからこそ、家にモラハラ加害者がいれば、必ずモラハラ被害もついてまわります。

モラハラを完全になくすことはできませんが、その被害を少なくすることは努力次第で可能です。

ただし、すべてのケースでこの方法を使うことは推奨していません。次のようなケースでは、間違いなく逃げ出すことをオススメします。

まずは逃げなくてはいけない環境を見極めよう!

1.モラハラ加害者の人数が多い場合は逃げ出すこと一択!

まず、モラハラ夫とモラハラ義両親と同居している場合など、モラハラ加害者の人数が多い場合(夫だけではない場合)、逃げ出す以外の選択肢はありません。こういう環境では、モラハラは良しとされ、それを見た子どもも必然的にモラハラを身につけていきます。そして、圧倒的多数によりモラハラが賛同される環境では、よりモラハラの影響が強く、根深く出てしまいます。多くの場合「モラハラが当たり前」「モラハラは正しい」という価値観が生涯にわたり続き、直すことが困難になります。

2.モラハラ加害者が鬼のような怒り方をする場合も危ない!

モラハラは、親がモラハラ加害者であると継承しやすくなりますが、単に親が「古い価値観」を持っている場合では継承しにくいと考えられます。

これは一つの仮説ではありますが、「古い価値観」を継承し続けた家庭では、親が異常な怒り方をするために、恐怖により子どもが支配され、親の考え方を強く受け継いだのではないかと考えられるのです。

この異常な怒り方とは、たとえば「暴力をふるう」「殴る真似をする」「大声を出す」「ものを壊す」「大きな音で威嚇する」「凶器を持ち出す、ちらつかせる」「自傷行為をする」というような普通の人にはない怒り方です。

そして、前触れもなくいきなりキレるという特徴があります。

モラハラ加害者がキレたことで周囲が委縮するような場合、恐怖によって支配されやすくなり、支配があるためにモラハラが継承されやすい環境であるといえるでしょう。

あなたの配偶者がこのようなキレ方をする場合、モラハラが子どもに連鎖する確率はより高くなります。

子どもへの影響を少なくする方法

1.いろんな人と触れる機会を作る

マインドコントロールを解くには、外の情報を入れることがカギだといわれています。

閉鎖的な環境では、一定の価値観が「すべてである」と思い込みやすく、モラハラも例外ではありません。家庭が閉鎖的であればあるほど、モラハラは普通のこと、モラハラは当たり前のことであると思い込みやすくなります。

子どもには、モラハラをしない人と触れる機会を多く作り、モラハラが普通ではないことだと本人自身が気づけるような環境を整えてあげましょう。

モラハラ環境で育った人は、学童期になるまで「モラハラがどの家庭でも行われている一般的なこと」だと思っていたというケースは少なくありません。そして、友人の親がモラハラをしないことで、モラハラが普通ではないことだとようやく気づくことができたという体験が多いそうです。

モラハラはしてはいけないことだと言葉で伝えるだけでは足りません。なぜなら、「してはいけないことなのに親はしている」からです。それよりも、実際にモラハラをしていない親を見せるほうが何倍も説得力があります。

正しい人間関係の在り方を見せてあげてください。

そして世の中にはモラハラをしない人が圧倒的に多いという事実を、人生の早い段階で気づかせてあげる必要があります。

2.趣味をもたせてあげる

趣味は、自然と興味のあるものに惹かれ、長いこと続けているうちにいつの間にか趣味になっていたという形が望ましいでしょう。

趣味を見つけるために、スポーツ、芸術、文化などいろいろなものに触れさせてあげる機会を作ってあげましょう。

また、親が楽しそうにやっている姿を見せることで、自然と興味を持ったというのが趣味の始まりのケースもあります。

親と子どもは別の人間ですが、興味のある対象が似ているということは多いものです。自分の好きなものを教えてあげるような感覚で、子どもにも始めさせてみるのもいいかもしれません。

趣味を持つことは、モラハラ被害を少なくするのに役に立つと考えられます。

多くのモラハラ加害者は無趣味の人が多く、自分のストレスを発散する手段を持っていません。そのため、ストレスを発散する手段として「モラハラ」を使ってしまうのです。

さらには、多感な時期に逃避する先として趣味があることもモラハラ被害をまともに受けなくて済むことに繋がります。

芸人であるオードリーの若林さんは、「ネガティブを潰すのはポジティブではなく没頭」という名言を著書の中で書かれています。

モラハラ被害(ネガティブ)も趣味に没頭することで、頭の中から追い出すことができると思います。

かつて「ネガティブモンスター」だったと言われる若林さんの本には、モラハラ被害でネガティブになっている心に響く言葉がたくさん載っています。

特に、モラハラから回復する過程では、いろいろとあれこれと悩むことがあります。そして、悩みすぎて負のスパイラルから抜け出せなくなることも…。

この本からは、ネガティブとの向き合い方を学ぶことができます。

3.子どもの話をよく聞き、共感する

子どもは「お母さん見てみて~」といろいろな報告や成果を見せてくれようとしますよね。その一つ一つが些細なものだったとしても、それを見て、共感してあげることは、子どもの自己肯定感を高めるのにとても効果があるといわれています。

自己肯定感は、「自分はすごい!」という意識を持つことではありません。

「じぶんがありのまま、ここにいてもいい」という気持ちが自己肯定感を育みます。

つまり子どもは、ありのままの姿を親に見せ、それを見た親から共感をもらうことで、自己肯定感を育てる基盤を作っていくことができるのです。

このときに、子どもの方に顔だけではなく体全体を向け、子どもと向き合う時間を作ってください。子どもは親が自分のために時間を使ってくれることで、自分にその価値があると受け止めることができます。

そして、何も常に褒める必要はありません。

「これは何を作ったの?」とか「ここは赤色で塗ったんだね」のように問いかけたり、目で見たものを言葉にしてください。

子どもは自分に興味を持ってくれているということが何よりもうれしいことです。褒められることをしていなかったとしても、自分に興味があり、自分を見てくれるということが「価値のある自分」を作り出します。

4.モラハラ親をかばわない

モラハラのあと、傷ついた子どもをフォローしようとして、「お父さんにもいいところがある」「根は悪い人ではない」のようなモラハラ親をかばうような言葉は決して言わないでください。

これは、傷ついている子どもをさらに傷つける言葉に他なりません。

頭の中で「いい人なのに暴言を言ってくる」「いい人なのに悪いことをしている」と矛盾した事実に混乱し、ものごとをうまくつかめないようになります。

さらに「いい人に対して怒っている」「いい人のことを恨んでいる」と、子どもが自分自身を責めてしまうことになります。

モラハラ親をかばう言葉をいうくらいなら、モラハラをする人は悪い人だときっぱり言われた方が、子どもの傷は浅くて済みます。

また、「お父さんはあなたを愛しているのよ」といってモラハラが愛情表現のように伝えると、子どもは「愛=モラハラ」だと学び、将来的に付き合う相手にもモラハラ加害者を選んでしまう危険性が高まります。

将来モラハラを受けたときに、モラハラを「私を愛しているからだと」誤認し、被害から抜け出せないマインドを植え付けることになります。

反対に加害者になった時には、「愛情表現だ」とモラハラを正当化する可能性もあります。

モラハラは間違っても愛情表現ではありません。そのことは、むしろ子どもへ正しく伝えておかなくてはいけないことです。

5.たった一言でも幸せを奪うことがあることを理解しておく

モラハラ加害者は、長時間の説教をしたり、人格否定をしたり、あらゆる手で被害者の肯定感を奪ってきます。「何をやってもダメ」「何の価値もない」と思わされ、みじめな自分を作り出します。モラハラ加害者の言葉は聞く意味も価値もないものです。

しかし、幼い子どもは親からの言葉を無視することはできませんし、その傷でトラウマを生み出し、たった一言で子どもの人生の幸せを奪うことさえもあります。

私の体験談

私は、結婚後すぐに義両親から私の容姿について否定される言葉を言われました。それはたった一言。「障がい者みたいな顔をしている」というものでした。厳密にどういう意味で言ったのかは分かりません。おそらく「お前の顔はおかしい」と言いたかったのでしょう。その一言で、私は今でも人と会った時に自分の顔を見られるのが怖いのです。それまでは、人の目を見て話すことは普通にできていました。しかしこの一言を言われてから、人の目を見て話そうとすると、表情もこわばり、うまく視点を定めることができなくなりました。たった一言で、その後の人間関係全てに影響が出てしまうケースがあることを、理解しておかなくてはいけません。

モラハラをする人は、普通の人では決して言葉にできないようなことを平気で言ってきます。

「こんなことはさすがに言わないだろう」「こういうことはやらないだろう」という楽天的な考え方は捨てましょう。

毒親に育てられた人の中には、親から「醜い」と言われてきたために醜形恐怖症になってしまったケースもあります。背中の形がおかしいといわれ、人が背後に立たれると恐怖を感じることになってしまった人もいます。

相手は何の気なしについた言葉であっても、子どもの心に何十年も残り、その傷のせいで生きづらさを抱える可能性があること。

この事実を無視することはしないでください。

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