子どものこと、お金のこと、住む場所のこと、離婚において決めなくてはいけないことはたくさんあります。
それぞれについてどのような条件で決着がつくのか、なるべく、自分の望んだ形で離婚になるのが望ましいですよね。
そのためにやるべきことがあります。
様々な情報を手に入れることでしょうか?
証拠を用意することでしょうか?
それも間違いなくYESですが、一番は何と言っても早くに動き始めること。
私の経験上、離婚条件が有利になるのに必要なことは、なによりもスピードです!あとからだと取り戻せないものもあるので、離婚を決意したら、早めに準備、早めに弁護士に相談に行きましょう!
離婚に向けて準備すること
別居前にやるべきこと① 証拠を集める
証拠と言うのはモラハラの証拠に限りません。例えば、財産分与の場合、財産があった証拠が必要になります。
・通帳のコピー
・家など不動産登記簿のコピー
・有価証券、保険証券などのコピー
・貴金属などの写真
・家具、家電などの写真
事前に財産を証明できる証拠を確保しましょう。できれば、離婚の話し合いの前に確保しておくことをオススメします。離婚となると、相手に隠される可能性もあるからです。
手続きを踏めば、隠された財産を照会することはできますが、それには高い費用がかかります。費用対効果を考えたとき、財産が少なければマイナスにもなりえますので、できるだけ自分で財産を把握し、証拠を取っておくことが望ましいでしょう。
別居前にやるべきこと② 配偶者の所得証明書を取得する
また、相手の年収がいくらなのかも把握する必要があります。婚姻費用や養育費などはお互いの年収から算出されるからです。
相手の年収の証明は、『所得証明書(もしくは課税証明書)』と言う市役所で発行される証明書が必要になります。注意点は、この書類は、『本人もしくは同居の親族』しか取得することができないこと。別居してしまうと、本人からの委任状がなければ取得が難しくなります。しかし、相手が素直に委任状を書いてくれるかどうかは人によりますし、紛争状態であれば交渉が困難なことは明白です。
住民票を移動する前に必ず『配偶者の所得証明書』を取得しておきましょう。
なるべく早めにやるべきこと① 離婚届不受理申出を提出する
離婚は、親権さえ決まっていれば書類を一枚出すだけで完了してしまいます。
いつ、離婚届を出すか、早いほうがいいのか、遅いほうがいいのか、判断に迷いますよね。
離婚届を出すのは、離婚の条件がすべて決まった後がいいです。
離婚後も財産分与は養育費などは請求することが可能ですが、すでに離婚が成立している状態であると、相手が誠実に離婚の協議に応じてくれる可能性はぐっと下がります。調停を起こしても、何かと理由をつけて欠席し、全く話し合いが進まないということもよくあるようです。下手をすれば、勝手に仕事も辞めて引っ越しをし、行方が分からなくなってしまうということすらありえます。そうなると、請求の訴えを起こすのも簡単ではありません。
また、相手が勝手に離婚届けを出してしまうこともあります。
離婚届けは筆跡を確認することはなく、書類さえ不備がなければ受理されてしまいます。一度受理された離婚を覆すには、様々な手続きをしなければならず、容易ではありません。
そして、勝手に親権者を決められてしまうと子どもの生活にも影響が出てしまいます。
別居時や離婚の話し合いの前には必ず『離婚届不受理申出』を市役所に提出しましょう。
これを出しておけば、窓口に『離婚届不受理申出』を出した本人が来た時以外は離婚届が受理されなくなります。
なるべく早めにやるべきこと② 住民票を移動する
別居の際に、市外へ引っ越した場合、住民票を移動しなければなりません。
住民票を移動しておくと、『別居日』が明確になります。財産分与はこの『別居日』を基準として、金額が算出されます。
『別居日』が証明できないと、その期間にもし相手に共有財産を処分されてしまった場合、財産分与できるお金が減ったり無くなってしまいます。また、別居をしている期間も離婚の成立の有無に関係してきますので、なるべく早めに手続きを行いましょう。
引っ越してから、2週間以内に届出を出さなくてはならないことになっていますので、期限内に提出しましょう。
また、住民票が移動していないと、引っ越し後の市町村の保育園に入ることができない、新しい学校に通えないなど、制度面でも不利益を被ります。
親権で争いがある場合は、相手から子どもの住民票を移動させないようにストップがかかることもあるそうなので、できるだけ早めに手続きを済ませておくと安心です。
なるべく早めにやるべきこと③ 早めに弁護士に相談する
私たちは、離婚に関しては素人です。いくらインターネットでいろんな弁護士からの回答を調べたところで、個々のケースによって結果も変わりますし、周りに離婚を経験した人がいたとしてもおそらくその人自身の一例だけです。弁護士は、さまざまなパターンの離婚を経験しています。私の依頼した弁護士は、離婚の専門の方ではなかったですが、それでも過去に何度も離婚調停や訴訟を経験されていました。
弁護士からの適切なアドバイスは自分の未来を大きく変えます。
揉めていないケースでは、弁護士に高いお金を払ってまで雇う必要もありませんし、わざわざ離婚調停をすることもありません。
お互いの言い分が全く違い、争うことが目に見えているケースでは、弁護士に相談して、適切なアドバイスを受けるのがいいでしょう。
そしてその判断はできるだけ早めの方がいいです。
親権が取れたはずなのに、取れなくなった、相手に財産を隠されてしまった、慰謝料を支払う羽目になった、など、もうどうにも行かなくなって弁護士に相談に行くとき、弁護士のところに来た時にはもう何の手も打てなくなっていた、と言うこともよくあるそうです。1か月早く来てくれれば状況は変わっていたのに、と言われることもあります。しかし、時間を巻き戻すことはできません。
後悔しないためにも、弁護士の知恵を借りることも事前に考えておきましょう。
料金は、一定の収入以下であれば『法テラス』と言う制度を利用することができます。『法テラス』を利用すると、弁護士費用が安くなる、分割払いができる、3回までの無料相談ができる等のメリットを受けることができます。お金がなくて弁護士を利用することをためらっている場合は、『法テラス』の利用を考えてみてもいいでしょう。
やっておくといいこと① 家計簿をつける
別居している間の生活費は、婚姻費用を請求するときの根拠になります。何にいくらかかっているのかを証明するために、領収書やレシートを取っておき、家計簿をつけておくと良いでしょう。
特に、幼い子どもを抱えての生活はすぐに仕事も見つけられず、経済的に困窮することが非常に多いです。
そのため、すぐにでも婚姻費用を請求し、生活費を一部でももらえる状態にすることが望ましいです。
やっておくといいこと② 仕事を探す
離婚が成立するまでは平均して3~6カ月ほどかかるそうです。抱えている問題が多ければ多いほど、協議や調停にも時間がかかります。ましてや裁判になれば、最低でも1年、2年以上かかることさえあります。
その間、ずっと無収入では、離婚を争うエネルギーが枯渇してしまいます。
まずは月に5万円ほどでもいいので収入を確保する必要があります。
子どもが小さい場合、シングルマザーでも働ける在宅の仕事から始めてみるのがいいでしょう。
実際に私が利用していたクラウドソーシングはこちらで紹介しています。
必要に応じてやること① 保育園を探す
子どもが小さい場合、預け先を確保しなくてはなかなか仕事をすることが難しいです。
保育園にいつから入れるかは、自治体によって異なりますので、まずは市役所で相談をしましょう。
その際に、離婚協議中であることなどの事情を説明すると、最短で保育園に入れてくれる自治体もあります。
シングルマザー(シングルファザー)生活状況は厳しいと言わざるを得ません。仕事が見つかるまではなおのことです。
生活が苦しいときには、行政の援助を受け、生活基盤を整えることが大切です。
必要に応じてやること② シングルマザー(シングルファザー)が活用できる制度を利用する
離婚協議中であると、離婚後からでしか利用できない自治体も多いため、実際に手当が支給されるかどうかは分かりません。
まずは、お住まいの市役所でどのような制度があるのか、いつから利用できるのかを確認しましょう。
まとめ
離婚で必要なのは、スピードと情報量です。
どちらもものすごく大事で、それが別居中や離婚後の生活を左右します。
行政の制度については、自治体でも大きく異なるため、市役所等で相談するのが確実です。(インターネットに書いてあることは、自分の住んでいる地域では利用できない、と言うこともよくありました。)
私も別居から離婚まで何度、役所に足を運んだか分かりません。
そして、行政の援助のおかげで今の生活があります。
本当に困っている人のための制度ですので、正しい知識を得て、積極的に活用しましょう。
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