モラハラ夫は出会った頃はモラハラをする人ではなく、結婚後に豹変してモラハラをするようになったケースが多いといわれています。元夫もこのタイプのモラハラ加害者でした。
しかし、このタイプのモラハラ加害者の場合でも結婚前に「違和感があった」と感じている方も多いように私は思います。そして、この言葉で表せなかった、スルーしていた違和感があったという事実は、配偶者が隠していたモラハラの本性を少なからず事前に感じていたのではないかと思うのです。
モラハラをする人だとは思っていなかった、あるいはそもそもモラハラという言葉すら知らなかった。
でも相手に違和感を覚える瞬間があった。私たちは相手からの非言語的なモラハラについては、結婚前に違和感を覚え、「他の人と違う」ことを感じ取っている可能性があります。
この違和感を感じたときにさっと逃げることができていたら、結婚生活で嫌な目に遭うことはなかったかもしれません。
さて、この違和感はどういうときに生まれるのでしょうか。
私のケースに当てはめてこの違和感の正体を分析してみました。
1.モラハラをする人は「いい人」に擬態しているがボロが出ることがある
結婚前にモラハラをしない人は、モラハラをしない人だったわけではありません。彼らはモラハラをする自分を巧妙に隠し、「いい人」に成りすましています。
彼らの目的は自分から逃げて行かない被害者を見つけることなので、結婚前に逃げられてしまっては元も子もないからです。
彼らの結婚前(もしくは出産前など)の姿は「擬態」した姿であり、「優しかった時の彼の本当の人柄」ではありません。彼らは、明確にターゲットを騙すため、慎重に行動しています。付き合っている間が長くても自分の正体を執念深く隠し続けることができます。
しかし、彼ら自身は、自分のモラハラ行為のすべてを把握していません。
無自覚の部分については隠すことができないためボロが出る時があり、長く一緒にいると違和感を感じることがあるのだと考えられます。
2.結婚後に支配できるかどうか「試し行動」をする
私は、夫と付き合っていた時、出先で夫が急にどこかに行ってしまうことを数回経験しました。特に前後でいさかいがあったわけではなく、本当に脈絡なく姿を消すので「急ぎのトイレだったのかな」くらいに思っていました。(夫が戻ってきたときも怒っている様子はなく普段どおりでした。)
DVをする人は、結婚前に試し行動として「殴る真似をする」人が多いと言われています。
そして、相手がその行動をしても離れていかない(怒ったりしない)人かどうかを見極めて、結婚相手を選んでいるのではないかと考えられています。
DVをする人は、DVが生活必需品です。結婚生活においてDVができる相手かどうかは、結婚相手を選ぶ指標になっていると考えられます。
そのため、DVもモラハラも被害者本人が気が付いていないうちに、相手から「試し行動」を受けている可能性が高いですし、その「試し行動」をクリアした人をターゲットとして選んでいると考えられるのです。
おそらく夫は自分がふらっとどこかに消えてしまったときに、私がどんな反応をするのかを見ていたと思います。そして、私が怒ったり、夫の行動をいさめたりしなかったことで夫のテストに合格したのでしょう。
この「試し行動」は、DV・モラハラに知識がある人でなければ「冗談」という言葉で煙に巻かれ、違和感を覚えてもスルーできてしまいます。
3.支配されていないときは、相手の行動の一部から恐怖を感じたりしないが、相手の非言語モラハラに違和感を覚える
モラハラ加害者に恐怖を感じるようになった被害者は、モラハラ加害者の気持ちを憶測して動くようになります。そこには相手から明確な罵倒や命令、指示が無くても成り立つ支配関係があります。
一例をあげます。
『モラハラ夫が自分の湯飲みを持って机をコツコツと叩く』
これが何を意味しているか分かるでしょうか?これは一種の「非言語モラハラ」であり、被害者にだけ分かる恐怖のサインです。
このとき被害者はそのコツコツという合図が夫がお茶が飲みたいのに湯呑にお茶が注がれていないサインであり、すぐにお茶を入れなければ夫が怒り出すことが分かるでしょう。
被害者は、相手の怒りは自分の行動によって起こるという間違った認識を植え付けられているため、その怒りを避けるために迅速に行動をとります。
でも、明確な言葉による指示はありませんから、この合図を知らない相手から見れば、それが何を意味しているか分かりません。この合図を見たり聞いたりして恐怖を感じるのは被害者だけです。
恐怖による支配が完了すると「あの時の行動はこういう意味だったのか」とようやく気が付くことがあります。
その時にはすでに結婚していたり、子どもが生まれていたり、新居の準備を進めているなどし、容易に逃げれる状況ではありません。
まとめ
モラハラ夫への違和感の正体
- モラハラ加害者が隠し通せなかった本性がボロとして出た
- 結婚相手を選ぶときに行う「試し行動」
- 「非言語モラハラ」に違和感を感じている
私はモラハラをする人を結婚相手に選んだわけではありません。普通の結婚、普通の家庭を築くことができると信じた相手と結婚しました。もし、違和感の正体が分かっていたら、夫との結婚は選びませんでした。
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