離婚した後の、別居親と子どものつながりは複雑です。親子ではあっても、家族ではないからです。(家族とは、同じ家に住む血縁関係のある人のことを言います。)
子どもと別居親の交流が上手くいかなかった場合、子どもは別居親のことを忘れてしまうのでしょうか?
どのくらいの時期に離婚をすると子どもは別居親のことを忘れてしまうのかまとめました。
自分の一番古い記憶を思い出してみる
記憶力も遺伝の要素が強いと言われており、親からの遺伝が80%、環境が20%影響して記憶力が決まると言われています。親の記憶力はほとんど子どもの記憶力と同じだとすると、自分自身の一番古い記憶の時期が子ども自身が覚えている一番古い記憶であると推測できます。
あなた自身が何歳のころのことまで覚えているか思い出してください。
幼稚園の頃でしょうか?
3歳の記憶はどうでしょうか?
2歳の記憶はどうでしょうか?
私自身、ハッキリと記憶が残っているのは、だいたい5,6才ごろからです。年中の記憶はほとんど残っていませんし、友人も覚えていません。年長のときの友人は、卒園以来会っていない子のことでも特に仲の良かった子のことは覚えています。年中以前の記憶というのは定着しにくく、この時期が記憶に残るか残らないかの境目になると考えられます。
一般的には3歳前後に離婚してそれ以降会っていないと、子どもは別居親のことを忘れてしまう
一般的に別居親のことを忘れてしまうのは、子どもが3歳より前に離婚した場合であると言われています。
3歳に離婚して、その後再婚した場合、育ての親を本当の親だと思って育つケースも多くあるそうです。
特に今ほど面会交流の重要さが叫ばれていなかった時代には、離婚をしてしまえば別居親と子どものつながりはそれまでで、一切手紙も電話もしないというケースは非常に多かったようです。過去の記憶はどんどんと風化していくので、新しい記憶の中に別居親がいなければ忘れてしまうのも無理のないことです。特に再婚して新しい父親ができた場合は、父親という存在が上書きされるため記憶に残りにくくなると考えられます。
子どものフォローは離婚した直後に最も必要である
子どもは柔軟です。記憶も時が経てば上書きされ、昔の記憶はおぼろげに今の新しい記憶の方が鮮明に残ります。
しかし、離婚直後には相当のストレスがかかることもあります。離婚が良いケースである場合でも、悪いケースである場合でも同様に子どもは大きな不安を抱えるのです。その時には、しっかりと子どもの不安を減らしたり寄り添えるようにフォローする必要があります。
離婚直後や別居直後のときのフォローのしかたによって、今後の親子関係のみでなく、子どもの人生そのものにも多大な影響を及ぼします。
年齢によって、離婚時の影響は異なります。少し大きいと表面上には全く影響が見られないよう演技する場合もあります。
別居親ともう会えない場合には子どもにはどう伝えたら良いのか
中には、別居親の方から子どもと会うことを拒絶し、面会交流を実現しないケースもあります。
その場合、子どもは「親から捨てられた」というイメージを抱きやすくなります。
子どもには「別居親が子を捨てた」ということは伝えずにいるほうが望ましいでしょう。子どもが別居親の話をしたときには話を聞いてあげたり、子どもが「会いたい」というときにはその気持ちを受け止めてあげましょう。
また、過去のものでもいいので、別居親が子どもに用意してあげたプレゼントやオモチャなどを見せ、「これは、あなたのお父さん(お母さん)があなたのために用意してくれたものだよ」と別居親が子どもを愛していたことを伝えてあげましょう。思い出の品があれば、少しでもいいので取っておいてあげてください。
親から愛されていたという記憶や、愛されていたという証拠は子どもが強く生きる上での力になります。
間違っても、別居親への執着を無くそうとして「あなたのお父さん(お母さん)は、あなたのことが嫌いなのよ」とは伝えることがあってはいけません。子どもは「自分は愛されなかった子ども」と思い込み、自尊心が低下したり自己否定をしてしまうことにつながります。子どものパーソナリティにも重大な悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
※こちらは子どもが別居親に会いたがっているケースの話です。別居親に会いたくないケースでは違った対応が必要となります。
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まとめ
- 3歳前後に離婚して、その後会っていない場合は別居親のことを忘れてしまう可能性が高い
- 離婚で子どもは不安になる。子どもへのフォローを忘れずに
- たとえ別居親と子どもの交流が持てなくても、子どもには「別居親はあなたのことを愛している」と伝えてあげたほうがいい
夫婦は離婚して他人になったとしても、親子には変わりありません。
別居親も同居親も、子どものことを一番に考えて行動できることが望ましいですね。
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