モラハラ夫に対しては、「夫を立てる」をしてはいけない理由

モラハラ夫に対しては、「夫を立てる」をしてはいけない理由

褒められると嬉しいですよね。また、褒められることは認められるとイコールで、自己肯定感が上がることにもつながります。

しかし、モラハラ加害者は残念ながら、褒められることの効果があまりありません。

その理由を説明するとともに、なぜモラハラ被害に遭っている妻はモラハラ夫を立ててはいけないのかについて説明します。

目次

モラハラ夫にとって「褒める」は逆効果!?

このサイトでは、何度もモラハラ加害者は自己肯定感が低いという話をしてきました。では、モラハラ加害者の自己肯定感を高めるために、ほめて伸ばしていったらいいと思う方もいらっしゃるかと思います。

モラハラ加害者は、「愛着障害」という親子の触れ合いを通じたアタッチメントを形成できなかったことに加え、そのあとの生育環境でありのままの自分を認めてもらうことができませんでした。それゆえに自分を自分で認められずに、いつも空虚な思いを抱えています。それならば、その空虚な心を褒めることで満たしてあげれば、モラハラは改善していくと思うかもしれません。

しかし、残念ながらこれは逆効果です。

「自分」がないため褒められても「自分」を満たすことができない

なぜ、褒められたことがそのまま自己肯定感につながらないのでしょうか。

それは、モラハラ加害者には「自分」が存在しないからです。幼いころから、人から認められるために「自分」を押し殺し、人の望む姿を演じてきたので、「本来の自分が望むこと」や「ありのままの自分」がない、もしくはほとんど自覚できなくなっています。

モラハラ夫は、自分というものがないので、人からの評価のみが自己評価につながります。

褒められた時も同じです。褒められた時に嬉しくなるのは自分が認められたという喜びがあるからですが、自分というものがないモラハラ加害者は、自分が認められたとは受け取ることがありません。そのため、褒められても自分を満たすことにはつながらないのです。

褒められる=相手よりも立場が上だと認識する

普通の人が褒められた時に、自分の能力や長所を誉められたと感じるのに対し、モラハラ加害者は、褒められた時にこのように受け取ります。

「この人よりも立場が上だから褒められる」

「この人は自分のことが好きだ」

「この人よりも能力が高い」

モラハラ加害者は、相手と比べて立場や能力が高いから褒められる、何らかの好意があるから褒められると受け取るのです。このようにモラハラ加害者の中には、自分に対する絶対評価ではなく人と比べたときの相対評価しか存在しません。

つまり、妻がモラハラ夫のことを誉め続ければ、夫は「妻よりも能力が高い」「妻よりも立場が偉い」「妻は自分に惚れている(だから何を言ってもいい)」と思い、どんどんと妻の立場を下げていくことにつながります。

これはモラハラ加害者の行動を見ているとよく分かります。モラハラ加害者は、自分よりも立場が上の人に対しては賞賛するのに対し、立場が下の人に対しては貶める発言をします。

モラハラ加害者の使う賞賛は相手のことを本当にすごいと思っているわけではなく、自分より立場が上だからという理由のみで褒めます。そして、他の人も同じだと思っています。他の人が自分を褒めるときも自分の立場が上だから褒められると思っています。

モラハラ夫を褒めているつもりが、自分を貶める結果に…

普通の人であれば、妻から「パパに抱っこされて子どもが喜んでいるわよ」といわれたら、子どもから好かれて嬉しいと感じます。

しかしモラハラ加害者は相対評価しかないので、「母親よりも父親の自分の方が好かれている」と解釈します。すると、「いつも一緒に過ごしている母親よりも、たまにしか一緒にいない自分の方が好かれている」→「それは母親の能力が低いからだ」→「お前はダメな母親だな」と変換されてしまうのです。

また、家事の一部をお願いすれば「妻の仕事である家事を夫である自分がやらなくてはいけない」→「家事もろくにできない妻」→「要領が悪い、時間配分が下手」となります。

こうして「何にもできない妻」「能力がない妻」を生んでしまいます。(実際にはそうでなくても、モラハラ夫の中ではそう結論付けられます。)

まずやらなければいけないのは、「認知の歪み」をモラハラ夫自身が自覚すること

残念ながら、褒めることでモラハラ夫の心が満たされ、モラハラが改善されることはありません。妻がどんどんと下の立場になり、モラハラが加速するだけです。

モラハラ夫に対しては、「夫を立ててうまく付き合う」ことはできないということをよく覚えていてください。

さらに、いつも褒められている妻から何か批判をされると「俺のことを嫌いになった」とか「俺を貶めようとしている」と受け取られてしまいます。

褒めることは上下関係や好意があると思っているモラハラ夫は、批判は上下関係をひっくり返そうとする意図があるのではないか、また自分に対する好意がなくなったのではないかと受け取ってしまうのです。

こういった行き違いは、「認知の歪み」が関係しています。まずはモラハラ加害者自身が自分の認知が人とずれているということを自覚しなければ改善されていきません。

まとめ

  • モラハラ夫を誉めると、妻の地位が下がりモラハラが加速する
  • モラハラ夫を誉めることで、モラハラ夫の空虚な心が満たされ、モラハラが改善されるということはない
  • 治すのには、モラハラ夫自身が認知の歪みを自覚することが第一歩
モラハラ夫に対しては、「夫を立てる」をしてはいけない理由

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