私は、調停が始まる前から弁護士の先生に依頼し、第一回の調停から弁護士同伴で離婚を進めてきました。
そして、主張書面(陳述書)を出すか出さないか、出すならどのタイミングでいつ出すかについてもこと細かく打ち合わせをし、自分に不利にならないように作戦を練ってきました。
私の体験談が、離婚調停をこれからする人や、今している人、もしかしたらするかもしれない人の役に立てば幸いです。
離婚調停では陳述書(主張書面)は出したほうがいいのか?
私の弁護士の考え
私としては、すべての主張書面を調停の場に出したいと思っていましたが、担当してくださった弁護士からは、
と言われ、私が弁護士の先生に出した書面がすべて調停の場に出たわけではありませんでした。
また、調停の場に出たものも私が強く希望をしたからであり、弁護士としては出すことには消極的でした。
確かに、弁護士の先生の言うとおり、なんでもかんでも調停に主張書面を出していいというわけではありません。特に素人の私は、その判断ができないため、弁護士に最初から依頼していて助かったと思う場面もありました。
戦略もなく陳述書をただ調停に出そうとするのは、リスクを伴う行為でもあり、注意が必要です。
その文章を「何のために出すのか」「出した結果、相手がどういう反応をするのか」をよく考えなくてはいけません。
モラハラ離婚調停で出したほうがいい陳述書(主張書面)とは?
しかし、モラハラ離婚の場合は出したほうがいい文章もあります。
それは、モラハラ行為を訴えるための主張書面です。
なぜなら、モラハラ加害者は自身のモラハラ行為が公の場に出てくることを非常に恐れています。自分でも自分の行っている行為が良くないことであるという自覚があるからです。自身のモラハラ行為が大勢に知られてしまうことが分かれば、モラハラ行為が止む可能性があります。
しかし、いくら言葉で「あなたの行いを公の場で訴えます」と伝えても、モラハラ加害者は被害者のことを「どうせ口だけでできないだろう」と見下しているため抑止にはつながりません。「私はあなたのやっていることを訴える力がある」ということを、実際に行動に移して相手に見せる必要があります。
調停(調停はプライバシーの守られている非公開の場なので厳密には公の場ではありませんが)で暴露することで、「この人にモラハラをすると、またばらされる危険がある」とモラハラ加害者も学ぶことになり、後のモラハラ行為の抑制につながります。
特に、子どもがいる場合は離婚後も連絡を取らなければならない可能性が高く、離婚後のモラハラを断ち切るためにも必要不可欠です。
・どんなモラハラ行為があったのかを訴える陳述書(主張書面)
陳述書(主張書面)を出すタイミングとは?
陳述書(主張書面)は出すタイミングが一番重要になってきます。
特に、モラハラ加害者が夫である場合、夫側が財産を握っていることが多いでしょう。財産分与を希望する場合は、お互いに財産を明らかにしなければなりませんが、モラハラ加害者の場合は財産を隠そうとする傾向が非常に強いのです。
財産は、相手に出すように促すこともできますし、場合によっては弁護士に依頼して隠している財産を調べて開示してもらうこともできます。しかし、財産の開示には長い時間と高い料金もかかります。
また、離婚に関する争い(親権、財産分与、養育費、慰謝料、面会交流)はひとつひとつ独立したものあり、「面会交流をさせないなら養育費を払わない!」と言ったことはできません。しかし、理論的に考えることができないモラハラ加害者の場合は、他の争いの条件を引き合いに出して駆け引きの材料につかってくることが非常に多い傾向にあります。(私の場合も、「面会交流の条件を〇〇にしなければ、親権は譲らない」と夫側が主張してきました。)
ここで、最初からモラハラ行為を訴える主張書面を出してしまうと、「俺の気分を害したから、財産を隠してやろう」といったことを平気でやるのがモラハラ加害者です。
しかし紛争が長引くことは結局、金銭的な負担を増やすなどお互いの傷を増やすだけで、モラハラ加害者にとってものちのち不利になります。モラハラ加害者は不利になったとしても「妻に嫌がらせができればそれでいい」と考えている場合もあり、合理的な早期決着からかけ離れた行動を取られることがあります。
一銭の得にならないことでも、妻に嫌なダメージを与えられれば喜んでやってくるのです。
合理的判断によるストッパーがないので、モラハラ加害者との離婚調停は長期化する傾向にあります。
離婚について多くの争いがある場合、他の争いに決着がつく、もしくはあとは金銭的な話し合いのみであるなどの状態が整うまでは陳述書(主張書面)は出さないほうが無難です。
すべての争いが同時に進んでいくのではなく解決には順番があります。最初に主張しなかったから後で主張できない、と言うことはありませんので安心してください。
離婚調停での解決の順番はこちらに記事にしています。
・争いごとが多い場合は、他の争いの終着点が見えてからがベスト!
陳述書(主張書面)はどう書けばいいの?
陳述書にも調停委員に伝わりやすい書き方があります。
また書き方を間違えてしまうと、調停委員に伝わらないばかりか、夫側の気分を害し、激高したことで調停がこじれ解決に至らなくなることさえもあります。
書き方には慎重さが求められ、特に「話すこと以上」に気を遣って書かなければいけません。一度出た文章は、撤回することは非常に難しいためです。
陳述書(主張書面)の書き方については、こちらの記事にまとめましたので、ご覧ください。
まとめ
私は、調停でもあくまでも平和的解決を望んでいましたが、相手は財産を隠したり、事実を捻じ曲げるなどと言った行為を平気でやってきました。
通常は、3~6ヶ月ほどが平均期間の調停も、その倍の期間である1年かかりました。
本来は、条件を決めるための離婚調停ですので無駄な争いは避けたいものです。
主張書面をうまく活用することで、短期的・平和的解決につながるといいですね。
実際に私が離婚調停を行う上で参考にした本です。↓
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