自己愛性パーソナリティ障害はどうやってターゲットを選んでいるのか

自己愛性パーソナリティ障害はどうやってターゲットを選んでいるのか

自己愛性パーソナリティ障害は、自己陶酔のため人からエネルギーを奪うことを目的とし、そのためのターゲットを欲しています。ターゲットに選ばれた人は、本人に自覚がなくとも必ず自己愛性パーソナリティ障害の人に自己陶酔のエネルギーを与えてくれる人です。

ターゲットにならないためには、自己愛性パーソナリティ障害の人にエネルギーを与えないような振る舞いをしなくてはいけません。

彼らがどうやってターゲットを選んでいるのか。

それは彼らがどういった場面で自己陶酔のエネルギーを得ているのかを見ればわかると考えられます。

目次

自己愛性パーソナリティ障害が惹かれるタイプとは?

自己愛性パーソナリティ障害の人は人との関係はすべて徳であるか損であるかが付き合う人間を決めるときの判断基準です。パートナーとしては、自分の気分を浴してくれる人や自分の理想像を実現してくれる人に惹かれます。

パートナーに選ばれるのは自分の評価を上げてくれる人であり、一緒にいると自己陶酔のエネルギーを得られる人であると言われています。

パートナーに求めるもの
  1. キャリア、趣味、才能、幅広い交友関係を持つ、何らかの分野で成功を収めた人
  2. 褒め言葉や望むような注目・関心をくれ彼らの気分を浴してくれる人
  3. 他人に自慢できる人
  4. 自分の欠点を見過ごし、虐待をしても自分から離れていかない人

自己愛性パーソナリティ障害の人に限っては、褒めることは自己陶酔のエネルギーを与えることになり、相手を近づける原因になります。また、功績のある人・ある世界で有名な人などは、搾取的な人間が近づいてきやすいことを覚えておく必要があります。

パートナーとの関係の向かう先

自己愛性パーソナリティ障害は、パートナーに非現実的な理想を抱くことがあります。しかし、人への評価が不安定なため(0か100)、最初の期待が薄れ、パートナーの人間的な側面が見えたときに不満を抱くようになります。

下記の記事で彼らの単一的な価値観について書いています。

①大切な関係を破壊する

自己愛性パーソナリティ障害は、パートナーが強い人間関係を持っていることを知っている場合、その関係に入り込んで内部から問題を引き起こし、関係を破壊します。

第一段階として、パートナーの持つ同じような人間関係の輪に所属することがあります。

第二段階として、その人間関係の中でパートナーの悪口を言いふらしたり、またパートナーに別の誰かの悪口を伝聞したりします

②キャリア、健康、経済基盤を破壊する

ライフステージを前進させようとしている、お金を持とうとする、経済的安定を図ろうとしているとき、自己愛性パーソナリティ障害は、それを絶対に標的にします。人の経済力や社会的地位は彼らの目には魅力的な宝石のように映り、それを利用したり奪ったりしようとします。

自己愛性パーソナリティ障害にとって最高のパートナーとは?

自己愛性パーソナリティ障害との関係は「支配」がすべてです。

彼らにとって、パートナーの「支配」が成功した場合、この関係がうまくいったと見なします。

ここで上記の4番についてより詳しく見ていきましょう。自己愛性パーソナリティ障害と長く関係が続く人には、献身的で柔軟であり責任感が強い傾向があるそうです。

①許す

自己愛性パーソナリティ障害は、自分がやった悪いことを許してくれる人の側に居続けます。

彼らはパートナーを傷つけるため、そのことに恨みを抱かずやり返さない人と一緒にいる必要があるからです。

彼らとの関係が長く続くとすれば、その自己愛性パーソナリティ障害は自分を許させるための口実や嘘を使うのがうまい人です。

②忠実である

自己愛性パーソナリティ障害が求めているのは忠誠心です。

これはパートナーから自己愛性パーソナリティ障害の人への一方的なもので、いわゆる「服従」を指します。

彼らはパートナーに対して裏切りを続けるにもかかわらず、パートナーが同じ振る舞いをするのを許しません。さらには、彼らはパートナーを裏切る・騙すことにためらいがありません。パートナーは便利な道具にすぎず、人として愛着を感じることがないと考えられています。

③悪いところを見ない

パートナーに選ばれる人は、悪いところよりも人のいいところに注目する傾向にあると考えられています。自己愛性パーソナリティ障害であっても常に悪いところしかないケースは恐らく少なく、彼らと居続けてしまう理由の一つとして彼らには「良いところもある」からです。たとえば、モラハラ被害者の多くは「モラハラをするがいいところもある」「モラハラをしなければいい人」と考えているケースが多くあります。

つまり、自己愛性パーソナリティ障害の人と長く付き合うためには、悪いところを見ないことが必要です。

④他者に決定をゆだねる

自己愛性パーソナリティ障害の人のパートナーになる人は多くの場合、他者参照であると考えられています。相手がどう反応するかで判断を下し、自分を省みない傾向があります。また、彼らと付き合い始めたころはそうでなかったとしても、彼らと一緒にいるうちに彼らからの過度な罰を避けようとするために「他者参照」に変わっていくこともあると考えられます。

しかし、自己愛性パーソナリティ障害の人は、主義主張が一貫していないために、後に意見が撤回されたり、パートナーを困らせるためにあえて反対のことを言い出します。

彼らに決定権を委ねてしまうと、結局は終わりのない攻撃を受ける羽目になってしまいます。

⑤自己犠牲

自己愛性パーソナリティ障害は自己犠牲の人を見つけることが得意だと言われています。彼らはいつでも自分だけを世話をしてくれるパートナーがいいんです。パートナーには、着替えを用意してもらう、甘やかしてくれるなどの「母親」の役割を望んでいます。適切な役割を果たさずに、いつまでも自分は家庭内の「子ども」でいようとします。

また彼らは、相手のニーズを無視します。ニーズを無視するされても厭わないパートナーを欲しています。

⑥責任感が強い

自己愛性パーソナリティ障害の被害者は、気がつかないうちに相手の責任を引き受ける傾向にあります。

自己愛性パーソナリティ障害は、自分の感情、対人関係などを含めあらゆる点で無責任ですが、パートナーにその責任を拾ってもらうことで、さまざまな物事を継続させることができます。

パートナーは家事をやり、子どもを育て、かつお金を稼ぐために仕事をするという男女の親の両方の役割を担う場合も少なくありません。

⑦適応力がある

自己愛性パーソナリティ障害は、自分のやり方を押し付けたいと思っています。彼らは支配のためにルールを課します。どんなルールにも適応し、文句を言わないパートナーを持つことは彼らにとっても有益です。

非常に柔軟である、自分の欲求やスケジュール、ニーズを曲げて自己愛性パーソナリティ障害のやり方に従ってくれる人はまさしく彼らにとって最高のパートナーです。

ターゲットとならないためには

自己愛性パーソナリティ障害に自己陶酔のエネルギーを渡さないために、自分が相手に対してどのような振る舞いをするかを選ぶ必要があります。

信頼している人に対してと、自分を利用しようとする人に対しては、同じような振る舞いをする必要はありません。

もし、他の人に自分の能力を利用されそうになったときは、その能力を使うのをどんなタイミングでもあなたの意思でやめることができます。

自己愛性パーソナリティ障害の人と対峙すると、常に彼らの仕掛ける戦いに巻き込まれます。彼らの攻撃を避けるためには、「知恵」と「分別」を使うことが必要です。

ターゲットになってしまった被害者は、そうでない人よりも有毒で搾取的な関係がどんなに悪い結果をもたらすかを深く理解しています。自己愛性パーソナリティ障害の人を理解することは、対策する知恵を得たことと同じです。

あなたの長所を使うなら、それを使うに値する人にだけにしましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の嘘とまとめ

よく、自己愛性パーソナリティ障害のターゲットになる人は「自尊心が低い」人であるという説がありますが、これは否定されています。

被害後のターゲットの自尊心が低いことから周囲やターゲット本人にそのように信じさせることがあります。

むしろ自己愛性パーソナリティ障害を惹きつけたのはターゲットの「強み」であり、その「強み」を破壊することが彼らの目的です。自尊心の低さは、彼らに「強み」を破壊されたことで引き起こされています。

魅力的な人を破壊するのが彼らの娯楽であり、支配欲と自己陶酔を満たします。本当は穏やかだった人が崩れ落ちていくことを楽しむことができるということが彼らが非道であることの証明です。

彼らから肉体的・精神的な虐待や脅しを受けている場合、あなたの安全と健康、そして幸せな人生が危機にさらされています。

どうかご自身を優先させてください。

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