モラハラ加害者の特徴の一つに『嘘をつく』ことが挙げられます。
しかし、私たちは日常の中で嘘をつくこともあります。今までの人生で一度も嘘をついたことがないという人はおそらくいないでしょう。しかし、モラハラ加害者のつく嘘は一般的な人がつく嘘とは全く異なるものです。
では、モラハラ加害者のつく嘘と普通の人がつく嘘はどのように違うのでしょうか。
一般的な嘘からかけ離れた特徴的をもつため、嘘の内容から「もしかして、この人はモラハラ加害者ではないのか」と気づくきっかけになればと思います。
(ここで言う嘘というのは、個人的な嘘に限定しています。仕事上でつく嘘には上司からの命令や駆け引きなど別の意味合いが含まれることが多いためです。)
1.一般的な嘘
1-1.少しでもダメージを少なくするため
普通の人は、「不利益を被らないため」に嘘をつきます。
例えば、学校や仕事を休みたいときに風邪を引いたと言って休みをもらうこと、寝坊して遅刻しそうなときに、道路が混んでいて遅れましたと言うこと、これらはよく使われる嘘です。
本当のことを言うと怒られることが予想されるときなど、本人にとっての多少の不利益を避けたいために嘘をつきます。
また、これらの嘘は、世の中を円滑に渡っていくために必要とされる場合もあります。
わたしたちが一般的につく嘘というのは、「私もやったことあるなぁ」「気持ちはわかるよ」と多くの人から共感を得られるものです。
誰しもが一度は経験したことのある嘘で、嘘をつくことによって本人は多少の不利益を避けることができ、また嘘をつかれた方もそれほど大きな不利益を被りません。
1-2.誰かを傷つけないようにするため
また誰かを傷つけないようにするために、方便を使ったり、本音を言うことを避けたりします。たとえば、本当はあまり気に入らなかった贈り物を笑顔で受け取ったり、喜んでいなくてもお礼を言ったりします。
相手の厚意に報いたり、また相手が本当のことを言ったときに傷つくと分かっていれば嘘をついて、相手の気持ちを慮ることをします。
そちらの方が人間関係が円滑になり、誰も損をしません。
2.モラハラ加害者がつく嘘の特徴
では、一方でモラハラ加害者のつく嘘はどういうものでしょうか。
2-1.悪意のある嘘
例えば、「〇〇さんがあなたの悪口を言っていた」「〇〇さんはいい加減な人だから、あの人の言うことは信用しないほうがいい」などがモラハラ加害者のつく嘘に当たります。
これらの嘘は、本人にとっては何のメリットもありません。そして、嘘をつかれた人、嘘の内容に出された人には明らかな不利益を与えるものです。嘘をつく背景には、人間関係を悪化させよう、誰かを貶めてやろう、困らせてやろうなどという明確な悪意があります。
『誰かを騙すことが目的である』という点で、普通の人がつく嘘とはっきりと異なります。
2-2.自分を大きく見せるための嘘
自己愛型パーソナリティ障害の人によく見られる嘘には、「有名人の〇〇さんと知り合いだ」とか、「有名企業の取締役をしている」などといった自己像を極端に大きく見せるためにつく嘘があります。
普通の人は、嘘がばれてしまったら逆に自分の評価が下がり、恥ずかしい思いをするということが分かっていますので、とんでもない内容の嘘をつくことはありません。普通の人は嘘がばれたときのことも考えつつ、また多少の罪悪感を持ちながら嘘をつきますが、モラハラ加害者は合理的・長期的視野をもって嘘をつくことができません。その場、その場で、自己愛を満たすためだけに嘘をつきます。
そのため、突拍子もない嘘を平気でつくことができるのです。
2-3.嘘の頻度が多い
モラハラ加害者は嘘をつくことに罪悪感がありません。そのため、嘘をつく頻度が一般的な人よりも高い傾向にあります。
また、嘘を指摘された時にもそれを認めないために、さらに嘘を重ねていくことになります。
その結果、嘘の内容に矛盾が生じます。
明らかに嘘をついているのがばれているのに、それでも嘘を認めようとしないなど自分の正当性を主張することに異常にこだわりを持ちます。
2-4.嘘を指摘されると逆切れや責任転嫁をする
また、「〇〇さんは、そんなことは言っていなかった」と嘘であることを指摘しても、自身の行いを反省するどころか「俺は善意で伝えたのに悪者にされた!」「〇〇さんが嘘をついている」など逆切れしたり、他人に責任転嫁するなどの傾向が見られるのもモラハラ加害者の特徴です。
普通の人であれば、嘘がバレたときには謝罪をします。しかし、モラハラ加害者は「嘘を指摘され、恥をかかされた」「自分を貶めようとしている」と被害者的になり、自分のプライドを守ることに執着します。
また、あまりにも誇大な嘘をバレたときのことを考えずに話すため、嘘が露呈したときには評価が著しく下がり、プライドを保つことが難しくなります。嘘を指摘されたとたんにパニック状態になることもあります。
嘘が周りにバレたとしても、反省したり嘘を謝罪するどころか、他人に窮地に陥れられたと思い被害者ぶり、ときには他害的になることもあるので注意が必要です。
病的な嘘つきが受ける罰とは?
イギリスの偉大な劇作家「バーナード・ショー」は次のような名言を残しています。
嘘つきに与えられる罰は、少なくとも彼が人から信じられなくなるということではない。むしろ、彼が誰をも信じられなくなるということである
嘘をつくことによって、その人の評価は著しく下がり、名誉を挽回するには長い年月が必要です。しかし、それ以上に嘘をつく人自身が周りを信じられないという弊害があると彼は言っています。
この言葉の通り、モラハラ加害者は誰も信用していません。人を信頼、信用することがなく、周りに誰かがいるときも孤独感を抱えています。
その孤独感は、自身のついた嘘による因果応報の結果なのかもしれません。
まとめ
モラハラ加害者は高い確率で悪意のある非合理的な嘘をつき、周りはこの嘘に振り回されてしまいます。
また、一人のモラハラ加害者のせいで、ある集団の人間関係すべてが壊されてしまうこともあります。
行き過ぎた嘘をつくことは、モラハラ加害者に気づくもっともわかりやすいきっかけの1つです。
相手のつく嘘をよく見て、普通の人と明らかに違うと思った場合には、一度モラハラを疑ってみてください。
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