モラハラ加害者の中には、病的なほど嘘つきな人がいます。そして、この嘘つきであるところが、モラハラ加害者の厄介なところだと個人的に思っています。
嘘をつく必要がないことですら些細な嘘をつく人もいれば、バレたときのことを考えないほどの誇大な嘘をつく人もいます。
病的に嘘つきな人は、嘘を治すことが難しいと考えられています。
なぜそれほどまでに嘘をついてしまうのでしょうか。その理由をまとめました。
モラハラ加害者のつく嘘の特徴
モラハラ加害者の場合、普通の人がつく嘘とは異なる嘘をつきます。その特徴は、「嘘による実害が大きい」「嘘の程度が大きい」「嘘をつく頻度が高い」の3つです。また、嘘をつかれた本人やその周囲に被害をもたらすことがあるというのも大きな特徴です。嘘をついたことを指摘しても「逆切れ」や「責任転嫁」をし、決して自分の非を認めないために、些細な嘘が人間関係の亀裂に結び付くこともあります。
<モラハラ加害者のつく嘘の特徴>
- 悪意のある嘘
- 自分を大きく見せるための嘘
- 嘘の頻度が高い
- 嘘を指摘されると逆切れや責任転嫁をする
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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病的な嘘つきの人が嘘をつく理由
モラハラ加害者は、過去にモラハラを受けてきた被害者であり、そのことでトラウマを抱えているということをこのサイトでは何度かお話してきました。
トラウマがあるために、傷つきやすく人に対して過剰に警戒をしたり、心の発達が途中で止まり、未成熟のまま大人になる場合もあります。
モラハラの原因ともいえる自己愛性パーソナリティ障害では、多くの場合、いい親に育てられておらず、幼少期から家庭の中で安心して過ごすことができませんでした。家庭では、いつ自分の居場所がなくなるのかと言う危機感にさらされながら過ごしてきたため、常にストレスフルで、体を緊張させていました。
そして、そのストレスを解消する方法として
- 「誇大な自己を掲げて万能感を持つ」(自己の神格化、等身大の自己像の欠如)
- 「相手を見下す」(自己優位性)
- 「爆発的な怒りを表現し解消する」(自己愛憤怒)
- 「自分の感覚を麻痺させる」(自己の抑圧)
- 「親(や権力者)に従う」(他者依存)
ことで対処してきたのです。
病的なまでの嘘つきになってしまった原因は、家庭内の不安定さからくる自分の居場所がなくなるかもしれないという危機にさらされた時に、それを解消する方法が(幼いため)他にはなく、不安に押しつぶされてしまわないために、ストレスを解消する方法として「等身大の自分に嘘をつく」しかなかったからだと考えられます。
自己愛傾向の強い人は、幼少期からこのような「病的な嘘つき」や「相手を見下す」といった特徴を備えています。そのため、幼いころの性格は、自己愛性パーソナリティ障害であるかどうかを見分ける重要な指標になります。
大きくなるにつれ、表立ってこういった特徴を出せば、不利になったり人間関係に支障をきたすことがあることを学び、「表と裏」を使い分ける形で巧妙に隠すようになっていきます。
「嘘をつくこと」がストレスを解消する手段だった
嘘をつくことで自分を元気にさせることができる
自己愛性パーソナリティ障害の人がつく嘘は、誇大な自己像を作り上げるための嘘です。嘘をつくことで、自尊心を満たそうとします。言ってみれば、嘘によって自分を元気にすることができるわけです。
たとえば、芸能人の誰かと知り合いである、親が政府関係者である、不動産を多数所有していると言った嘘をつけば、周囲から尊重されたり羨望のまなざしを向けてもらえるでしょう。
彼らは、嘘をつくことと引き換えに高揚感や幸福感を感じることができます。
自分を元気にさせるることができる
自分を抑圧して来たため、自分の存在が気薄でそれを埋めようとする
中には、自分の行動を過度に律し、規範となるようにふるまうことで「人よりもすごい自分」を演出してきたようなタイプもいます。このタイプは時に自己犠牲により人に尽くそうとすることもあります。
自分を模範的な存在とするために、社会的に正しいとされる行動を取るようになりますが、そのときに「自分」がこうしたいという気持ちはありません。人からどう見られるかを気にして、周囲や社会に合わせようとするあまりに自分を抑圧します。
素晴らしい自分である限り人から尊敬され、社会的にもいい立場につくことができます。しかし、病的なほど規範を守ろうとし、ルールに固執します。
理想とする自分のイメージと本来の自分に大きなギャップがあり、それを埋めようと嘘をつくことがあります。(本当は遅刻の理由は寝坊したからであったとしても、人を助けていて遅れたという、など。)
病的な心の部分を自分で大きくしてしまうため、自己愛性パーソナリティ障害が悪化していきます。
自分で課したルールや規律を守ることができる
逃避行動の一種として嘘をつくことも
また、自己愛性パーソナリティ障害の人の中には、回避行動を取る人もいます。このタイプの人は、何に対しても強い不安を感じるため、選択肢があるのにもかかわらず、不安感が邪魔になってどれも選ぶことができなくなります。先に進むことができなくなるため、自分の世界にこもり、「本当の自分はこんなんじゃない」「自分はすごいんだ」と思うことで何とか自分を立て直そうとします。
この時の嘘は、「現実(本来の自分)から逃避するため」につき、本来の自分から遠ざかれば遠ざかるほど、等身大の自分が持つ痛みを遠ざけ、逃避することができます。
嫌な現実から逃避することができる
病的な嘘は治る?
モラハラ加害者のつく嘘は、普通の人からすれば、嘘がバレたときにかえって自分の首を絞める大きなリスクをはらんでいるため、メリットがあまりないように感じます。しかし、彼らにしてみれば、その嘘をつかざるを得ない理由があり、そのために嘘をつくことをやめることができません。
特に、社会や人に対して信頼感がないため、自分を守ることができるのは『理想化した自己だけ』だという思いがあります。他人に嘘によってデメリットを与えたとしても、それ以上に自分を守るための「自己防衛」のメリットが上回るために、嘘をやめることが容易ではありません。
嘘をやめるためには、まず周囲を信用できるようになることです。
「自分が安心してここに居てもいい」という基盤がなくては、病的な嘘をやめることはできません。
しかし、嘘は紛れもなくついた人(モラハラ加害者)の首を絞めるため、そのことで自分が軽んじられたり否定されるようになり、かえって周囲との摩擦は増える傾向にあります。
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