【小4女児虐待死】スマホに虐待動画が保存されていた意味とは?

【小4虐待死】スマホに虐待動画が保存されていた意味とは?

父親のスマートフォンから虐待動画が見つかったことがニュースになりました。

以下、JIJI.comより引用です。

捜査関係者によると、父親の勇一郎容疑者(41)とみられる人物が心愛さんに暴行を加えている様子が映っていた。心愛さんがぐったりする姿や許しを請う姿があったという。
動画は勇一郎容疑者が所持していた記録媒体に保存されていた。勇一郎容疑者か母親のなぎさ容疑者(31)が1月ごろ、スマホを使い自宅で撮影したとみられる。

目次

なぜ虐待動画を保存したのか?

DVや虐待の様子を母親が撮影していたとしたら、DVや虐待の実態を第三者に訴えるための証拠として保存していたのかと考えました。しかし、母親がコッソリと撮影をしたのではなく、「父親」のスマートフォンに保存されていたことから、父親が母親に撮らせたもしくは、自身が撮影した可能性が高そうです。

つまり、自ら虐待の証拠となる動画を撮影、保存していたことになります。普通であれば、自らの虐待の証拠を残すようなことをするはずはありません。

見つかる危険を冒してまで「動画を撮影、保存」する意味があったと考えられます。

虐待の様子を残していた事件は他にもあった

2014年11月に起きた、乳児の面倒を見るように頼まれた18歳の少女ら(母親の友人)が、生後3か月の赤ちゃんの首を絞めて殺害した事件です。この事件では、シングルマザーの母親と18歳の2人の少女が同居をして生活していました。母親が出かけている間、2人の少女が赤ちゃんの面倒を頼まれていたそうですが、母親が留守の間に赤ちゃんをヒモのようなもので首を絞めて殺害。少女のうちの一人が赤ちゃんが亡くなっていることに気づき、119番通報をして事件が発覚しました。事件後「泣き止まなくて口をふさいでしまった」と話していたそうですが、その後、少女らが赤ちゃんの口をふさいで楽しむ写真がコンビニのゴミ箱から発見され、暴行ではなく虐待の末に亡くなったとして、殺人容疑で逮捕されています。

この事件でも、加害者である少女らは自らの虐待を写真に残しています。

そしてこの事件で少女は「赤ちゃんの首を絞めるとエクスタシーを感じた」と話していたそうです。

虐待動画はコレクションだったのでは?

上の事件で加害者が虐待を写真に残したのは、虐待のときに感じたエクスタシーを写真を見ることで再度味わうためであったと考えられます。この事件の背景には、加害者の「人の苦しむ姿を見ることで快感を感じる」病的な人間性が伺えます。

こちらの記事にも書きましたが、虐待には依存性があるそうです。(【なぜエスカレートする?】虐待・DV・モラハラ加害者の信じられない心理

人が依存性になってしまうメカニズムは、脳の「脳内報酬系」と呼ばれる部位の機能異常だと分かっています。脳の「脳内報酬系」でドーパミンという神経物質が放出されると人は気持ちよさや多幸感を感じます。刺激を受けたときにドーパミンが出ることで、人はまたその快楽を感じようと同じことを繰り返すのです。それが「依存症」に繋がります。

繰り返し虐待をしてしまう人の脳には、「他人の苦しみで快楽を感じる」回路ができていると考えられます。これを前提とすると、虐待をしているとき、加害者の中では、被害者が苦しむ様子を見てドーパミンが放出されているということです。すると、それが快楽だと感じ、その快楽を味わおうと「虐待に依存」していくのです。しかし、人は同じ刺激には次第に慣れる性質があるため、同じような刺激では次第にドーパミンが出なくなっていきます。そこで再度快楽を感じるためによりひどい虐待をし、虐待が加速していきます。

虐待動画や写真は、加害者にとってエクスタシーを感じるためのコレクションだといえるでしょう。見たときに感じる強い快楽が、虐待が発覚する恐怖さえも上回ることもあります。虐待発覚の危険性を認識していたとしても捨てることができないのはそのためです。

心愛さんの事件では、事件が発覚したあともスマホから削除していなかったことから、とても強い依存性があったことを表していると言えるでしょう。

子どもを取り戻そうとするのは愛情ではない、依存性のため

父親は学校や市教委で恫喝をしてまで、必死に娘を取り戻そうとしていました。しかし、それは子どもへの愛情ではなかったようです。

あらゆる依存症において、依存対象がなくなってしまった場合、時には犯罪を犯してまで依存対象を取り戻そうとします。今回の事件もまさに同様のケースだったのではないでしょうか。

【小4虐待死】スマホに虐待動画が保存されていた意味とは?

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