【離婚】もらえる養育費はいくら?婚姻費用・養育費算定表とその見方

婚姻費用・養育費の算定表とその見方

子どもがいる場合の離婚で、調停離婚、裁判離婚の場合、絶対に決めなければならないことに「面会交流」と「養育費」があります。

これらは、お互いが主張しなくても調停員や裁判官の方から話し合いを勧められます。

養育費は子どもの権利です。

目次

1.養育費の算定表とは?

養育費をいくらか決めるのに使用される、東京・大阪の裁判官が共同作成した算定表があります。

従来では、住居費、光熱費、食費など互いの生活費を細かく出し、個々のケースで金額を決定しなくてはならなかったため、協議に長い時間がかかっていました。

そこで、協議の時間を少しでも短縮するために、互いの年収から養育費を簡易決定できる算定表がつくられました

基本的に、婚姻費用や養育費はこの算定表をもとに算出されます。

相手が支払わないと揉めて、調停から審判や裁判に移行しても、この算定表から金額が決定されるほど影響力の強いものです。

2.算定表の見方

養育費・婚姻費用の算定表はこちらからダウンロードできます。

http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html/(東京家庭裁判所ホームページ)

※算定表が令和元年12月23日に新しいものに更新されました。従来のものと比べ、約1~2万円ほど金額が上がっています。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。⇒【養育費新算定表】従来の養育費からいくら上がる?最高裁のHPにて公表されました!

いくつかのパターンに分けられて算定表が作成されていますので、ご自身の家族構成に合わせた算定表を見てください。

新算定表では、子どもの人数によってあらかじめ算定表が分かれています。見やすくなりました。子どもの年齢によって金額は違い、この年齢が0~14歳、15歳以上で分かれています。
※従来のものでは、15~19歳となっていたものが、20歳を超えても支払われるケースもあることを踏まえ、15歳以上に変更されたようです。

2-1.<養育費>

養育費算定表(子1人)(PDF:231KB)

  • 1ページ・・・子1人(0~14歳)
  • 2ページ・・・子1人(15歳以上)

養育費算定表(子2人)(PDF:271KB)

  • 1ページ・・・子2人(第1子及び第2子:0~14歳)
  • 2ページ・・・子2人(第1子:15~19歳、第2子:0~14歳)
  • 3ページ・・・子2人(第1子及び第2子:15歳以上)

養育費算定表(子3人)(PDF:544KB)

  • 1ページ・・・子3人(第1子、第2子及び第3子:0~14歳)
  • 2ページ・・・子3人(第1子:15歳以上、第2子及び第3子:0~14歳)
  • 3ページ・・・子3人(第1子及び第2子:15歳以上、第3子:0~14歳)
  • 4ページ・・・子3人(第1子、第2子及び第3子:15歳以上)

2-2.<婚姻費用>

婚姻費用算定表(夫婦のみ)(PDF:234KB)
婚姻費用算定表(子1人)(PDF:804KB)

  • 1ページ・・・子1人(0~14歳)
  • 2ページ・・・子1人(15歳以上)

婚姻費用算定表(子2人)(PDF:842KB)

  • 1ページ・・・子2人(第1子及び第2子:0~14歳)
  • 2ページ・・・子2人(第1子:15~19歳、第2子:0~14歳)
  • 3ページ・・・子2人(第1子及び第2子:15歳以上)

婚姻費用算定表(子3人)(PDF:807KB)

  • 1ページ・・・子3人(第1子、第2子及び第3子:0~14歳)
  • 2ページ・・・子3人(第1子:15歳以上、第2子及び第3子:0~14歳)
  • 3ページ・・・子3人(第1子及び第2子:15歳以上、第3子:0~14歳)
  • 4ページ・・・子3人(第1子、第2子及び第3子:15歳以上)

2-3.算定表の見方

縦が支払う側の年収、横がもらう側の年収です。

また、一般的なサラリーマンやOLの場合は「給与」を、個人事業主や自営の場合は「自営」の部分の金額を見ます。自営の場合は、経費などを除いた「課税される所得金額」が年収になります。

それぞれの年収が合わさるマスの金額が養育費及び婚姻費用の基準です。

2-4.算定表を使った養育費算出の例

実際に、算定表を使って養育費を算出してみましょう。

夫・・・年収600万

妻・・・年収200万

子1人(10歳)

それぞれ、「給与」の金額を見て、合わさるマス目の金額になります。

この場合は、もらえる養育費は月々「4~6万」です。

2-5.調停での希望金額の伝え方

算定表で出される金額には、それぞれ4万~6万のように幅があります。

金額の幅のうち上の金額を希望する場合は、希望する理由が明確であると調停員に伝わりやすいでしょう。

こちらが希望した金額よりも多い金額になることはまずないので、最初は、希望金額の上限を希望するのが得策です。

3.養育費はいつまでもらえるか

この算定表を見ると、「15歳以上」となっており、実際いつまでもらえるかは個々のケースによります。

特に両親ともに大学卒の場合は、子どもも同様に進学するのが一般的であると考えられます。また、両親共に子どもを大学へ進学すると考えている場合も「大学卒業まで養育費を希望する」主張が通りやすくなります。

子どもの大学進学を希望する場合は、その旨を伝え、養育費の支払い期限を大学を卒業する22歳に達した後最初に到来する3月までと伝えましょう。(ストレートで大学を卒業するまで)

浪人した場合はどうするか、留年いた場合はどうするかなど進路が変わった場合を想定して取り決めをすることも可能です。

希望を出すことはもちろんできますし、調停員からも「こうされてはどうですか?」とアドバイスをもらえます。

4.別途請求できるもの

養育費と別に請求できるものもあります。

例えば、大学の入学資金、留学にかかる費用、その他にも、病気やけがなどで生活費とは別に子どもに大きな金額がかかった場合です。

調停証書に「子らの進学、病気等のため特別の出費を要する場合には、その負担について、別途協議するものとする。」と一文を入れておくと、のちのち請求の協議がしやすくなります。

5.養育費を増額したいときは?

現在では、お互いの年収から養育費の算定表をもとに算出する方法が取られていますが、子どもが大きくなっていくにつれ生活費や教育費の負担は大きくなっていくことが一般的です。算定表も子どもの年齢で養育費の産出額は異なります。

子どもが小さいうちに離婚した場合は、子どもが小さいときの養育費で算出しているため大きくなってくるにつれてその金額では不足する場合もあります。そういったときには新たに協議をし、養育費を再算定する必要があります。

6.まとめ

養育費は取り決めをしても実際に支払ってもらっているケースが全体の3割にも満たないというのが現状です。

しかし、調停離婚、裁判離婚の場合は支払われなかった場合、強制執行の手続きが取れます。

特にモラハラ加害者は約束を守らないことが多く、協議離婚で取り決めた内容も守られない可能性が高いです。調停や審判・裁判を利用して養育費を決め、強制執行の手続きが取れる状態にしておくのがいいでしょう。

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