モラハラの原因とも言われる自己愛性パーソナリティ障害の人は、社会に一定数いると言われています。
そのため、ひとりのモラハラ加害者から逃げたとしても、また別のモラハラ被害者と縁ができてしまう可能性もゼロではありません。
中には、モラハラ夫と離婚して、再婚した次の人もモラハラ夫だったというケースもあるようです。
どうして被害が繰り返されるのでしょうか?被害者にならないためにはどうすればいいのでしょうか?
モラハラを引き寄せてしまう人っているの?
繰り返し被害に遭い続けてしまう人は、どんなタイプの人なのでしょうか?
モラハラ夫は、モラハラのターゲットとして妻を選んでいます。本人が意識していようがいまいが、恋人や結婚相手の基準の中には、「モラハラができるかどうか」が潜んでいると考えられます。
モラハラができるかどうかの相手をどのように選んでいるのかは、モラハラ加害者たちが「なぜモラハラをするのか」を知ると謎を解くことができます。
◆モラハラ加害者たちがターゲットを選ぶ基準◆
- 褒め上手な人
- 愛情深く、世話好きな人
- 自分のことを認めてくれる人、尊敬してくれる人
- モラハラをしても離れていかない、モラハラを肯定してくれる人
- スキルや能力の高い人
(参照:モラハラ夫がモラハラをする目的は4つ!被害者の特徴は?)
モラハラ加害者たちは、相手を見抜く力がずば抜けています。なぜなら、幼いころから周りの人の顔色をうかがって過ごしてきているため、相手の性格や力を図る能力が飛躍的に発達しています。
目の前の人物が被害者としてふさわしいのかどうかを見抜く力も持っていると言えるでしょう。
上のように、モラハラ加害者たちは自分の「自己愛」を満たしてくれる相手を好んで選び、ターゲットとしています。
モラハラを引き寄せてしまう人は、上の5つの特徴に当てはまっている人です。
被害を繰り返さないためには?
つまり、一度でもモラハラ加害者と結婚したことがある人は、モラハラ加害者にターゲットにされやすい人物であると思っておいたほうがいいでしょう。
そのため、特に付き合う人を慎重に見極めなくてはいけません。
そのためには何をすればいいのでしょうか?
1.モラハラ加害者の裏の顔を知る
まずは、モラハラ加害者たちは、『表の顔』と『裏の顔』があります。そして、ターゲットを落とすときには、必ず『表の顔』を使ってきます。
『表の顔』は仕事ができる、賢い、スマートである、友好的、愛情深い、機転が利く、ロマンチストといった理想的な人物のようにふるまいます。
特に、相手の気持ちを読むことが得意である彼らは、相手が望む言葉やふるまい、贈り物などをして気を引くことが上手です。
被害者は、『表の顔』に惚れ込み、またその顔をモラハラ加害者の本当の性格だと思っています。
このように被害者から見たモラハラ加害者は、最初は非の打ちどころのない人物のように見えます。しかし、二面性のあるモラハラ加害者はまた、真逆の『裏の顔』を持っているので、人によって評価がハッキリと分かれるのも大きな特徴です。
いい人だ、こんな人と出会えるなんて、運命の出会いだと思ってしまうと人は盲目になります。相手に夢中になっていればいるほど、『裏の顔』は見えにくく、少し「おや?」と感じるところがあっても違和感程度でやり過ごすことができてしまいます。
こういったときに「この人は他の人からどう評価されているのか」をリサーチすることが大切です。
友人、職場、先輩、後輩などから話が聞けるようであれば、自分以外の人が彼をどう評価しているのかを知っておきましょう。その時に、自分が感じているイメージとかけ離れた評価がある場合は、注意が必要です。
2.相手の意見に反対したときの態度を見る
自己愛性パーソナリティ障害の人は、人からの批判に強い反発を示すという特徴があります。そのため、付き合っているときに、相手の意見について反対をしたときの態度である程度見分けがつくと言えます。
反対意見を聞いたときに、「激怒する」「黙り込む」場合は、自己愛性パーソナリティ障害が潜んでいる可能性があります。
激怒するケースでは、自己愛性パーソナリティ障害特有の「自己愛憤怒」により瞬間的な怒りを表していると言えます。
また、黙り込むタイプの人も、「言いたいことを抑圧し、ストレスを抱えやすいタイプ」であるため、そのストレスのはけ口として親しいものにモラハラをする可能性があります。
3.一人で出かけることができるかどうかを見分ける
自己愛性パーソナリティ障害の人は、幼少期の不安定な養育により、ひとりが苦手だと言われています。
幼児期の不安定な養育は独りでいられる能力の確立を阻害し、安心して一人でいること(孤独)を楽しんだり、一人でくつろぐことを困難にする傾向がある。
そのため、常に行動を共にしたり、私用にもついてきてくれる人を好みます。
私の夫の場合は、夫の私物を買うときにも必ず同行し、買いたいものを選べない夫の代わりに私がアドバイスを出していました。
また、自己愛性パーソナリティ障害だったと言われている三島由紀夫も取り巻きがいなければ飲食店に入れないほどであったと言われています。
近年増えている「引きこもり」の若者の一部も原因は自己愛性パーソナリティ障害にあるのではないかと言われていますが、彼らもまた外に出ることが困難です。
1人での行動が苦手である、いつも誰かと一緒に行動したがる場合は、幼少期の養育の不安定さの表れである可能性があります。
※一人で出かけられないことが自己愛性パーソナリティ障害を確定するわけではありません。
4.過度にいい人ではないかを見分ける
「いい人」と言われる人たちの中には、「自己犠牲」をして周りに尽くすタイプの人がいます。このタイプの人も、モラハラ加害者に転じる可能性があると言えます。
「自己犠牲」は美しいようにも思えますが、その裏には「自分を犠牲にしてこなければ認められなかった」経験や、「我慢することが当たり前」といった幼いころからの習慣があるといえます。
そして、それはかつて『モラハラ被害者』であったことを示唆するものなのです。
自分を犠牲にして誰かに尽くす人は、一見していい人のように見えますが、実は本人が無理をしてやっているかもしれません。
そして、その無理はストレスとなり、爆発するときがやってくるのです。
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まとめ
今みえている姿だけが必ずしもその人のすべてではありません。
相手に興味を持って「この人はどういった考え方をするのだろうか?」「この人はどういうことが好きなのだろうか?」と話しかけてみてください。
話しがコロコロと変わったり、ほころびが見えたりしたら、危険信号かもしれませんよ。
いくら好きな人だからと言って、盲目的に信じるのではなく、本質を見極めるためには、
相手のことを知ろうとする努力をすること
です。
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