モラハラの原因は様々ですが、原因の一つと考えられている自己愛性パーソナリティ障害の人は、最大で人口の5%ほどいると言われています。そのため、ひとりのモラハラ加害者から逃げたとしても、また別のモラハラ被害者と縁ができてしまう可能性もゼロではありません。
中には、モラハラ夫と離婚して、再婚した次の人もモラハラ夫だったというケースもあるようです。
繰り返し被害者にならないために、モラハラになるかどうかの見極め方を解説します!
繰り返しモラハラに遭う人は被害者体質である
被害者はモラハラができるかどうかテストされています!
何度も繰り返し被害に遭い続けてしまう人は、モラハラ加害者からターゲットに選ばれやすい人です。
モラハラ夫は、モラハラのターゲットとして妻を選んでいます。本人が意識していようがいまいが、恋人や結婚相手の基準の中には、「モラハラができるかどうか」が潜んでいると考えられます。
ターゲットを選ぶ際には、ラブボミングや試し行動と言った心理テクニックを仕掛け、相手がターゲットにふさわしいかテストをすると考えられています。
こうした心理テクニックを見分けられないままであると、相手が裏の顔を持つ虐待者であることに気がつかずに何度も被害に遭ってしまう可能性があります。
自分が欲しいものを持っている相手である
モラハラ加害者たちはそのままの自分であればいつも空虚で退屈な人生を送ると考えています。結婚生活では空虚な自分を満たしてくれる相手を選ぶと考えられます。
何を欲しいと思っているかはモラハラ加害者により異なりますが、次のような例が考えられます。
- 人を惹きつける外見やスタイル
- ある分野における類まれなる才能
- 豊かな自己表現ができる言語能力
- 豊富な人脈、財産や家柄
パートナーの持っている魅力や才能を結婚によって自分のものになると誤解をしています。
世話をしてくれる相手を選んでいる
また、DVやモラハラ加害者たちは、与えられた役割を全うせずにいつも人から搾取し続けるポジションに留まり続けることが分かっています。
夫婦であれば、夫の役割を果たしません。親子であれば、父親や母親の役割を果たしません。
彼らはいつも、誰かに世話をしてもらい、愛情を注いでもらえる「子ども」であり、言うことを聞いてもらえる「王様」のポジションに居続けようとします。
安全基地の役割をパートナーに求める
幼いころ、親からの適切な養育を受けることができなかったDV・モラハラ加害者は、大きくなってからその役割をパートナーに求めます。安全基地とは、保護してもらえ、そこにいれば精神的に安心することができる人間関係のことです。子どもであればお世話をしてくれる親が該当します。
そのため、結婚生活では「いつもパートナーについてまわる」など一緒に行動をとりたがる傾向にあります。
たとえば、自分の親とパートナーを比較して親が優れているという発言を繰り返すけれど、実際には親に心を開いている様子がなく、親との連絡をパートナーに任せたりします。
また親の言いなりになっていて、パートナーにも「親の言うことを聞いておけばいいんだ」と強制します。親が間違っていたとしてもそれを正すことができず、親と対等な関係ではないことが多いと考えられます。
モラハラを引き寄せてしまう人は、上の特徴に当てはまっている人です。
巧妙に擬態するタイプは見抜けない
モラハラをする人の中には、店員に対する態度、後輩に対する態度が横柄で、付き合っている時からその兆候が分かるタイプと、付き合っているときにはいい人であり、結婚や出産、マイホーム購入といったライフイベントで豹変するタイプといます。
前者は「モラハラ男の見分け方」などに紹介されているような特徴が分かるため、結婚前などに見分けることが可能ですが、後者は付き合っているときなど本性を出す前には見分け方の特徴に全く当てはまらない可能性があります。
モラハラをする人を100%の確率で見分けることはできないということをまず覚えておいてください。
後者のようなタイプはモラハラの兆しがないために、モラハラ男の特徴などから見分けることは困難を極めます。そのため、モラハラとは別のところを中止する必要があります。
モラハラを見抜くには?
まず、モラハラ加害者は、ターゲットを選んでいるということを覚えておいてください。一度でもモラハラ加害者と結婚したことがある人は、モラハラ加害者にターゲットにされやすい人物であると思っておいたほうがいいでしょう。
モラハラを必ずしも見抜けるわけではありませんが、相手との付き合いの中で違和感を覚える部分は、モラハラ兆候の危険信号である可能性が高いと考えられます。
1.モラハラ加害者の裏の顔を知る
まずは、モラハラ加害者たちは、『表の顔』と『裏の顔』があります。そして、ターゲットを落とすときには、必ず『表の顔』を使ってきます。
『表の顔』は仕事ができる、賢い、スマートである、友好的、愛情深い、機転が利く、ロマンチストといった理想的な人物のようにふるまいます。
特に、相手の気持ちを読むことが得意である彼らは、相手が望む言葉やふるまい、贈り物などをして気を引くことが上手です。
被害者は、『表の顔』に惚れ込み、またその顔をモラハラ加害者の本当の性格だと思っています。
このように被害者から見たモラハラ加害者は、最初は非の打ちどころのない人物のように見えます。しかし、二面性のあるモラハラ加害者はまた、真逆の『裏の顔』を持っているので、人によって評価がハッキリと分かれるのも大きな特徴です。
いい人だ、こんな人と出会えるなんて、運命の出会いだと思ってしまうと人は盲目になります。相手に夢中になっていればいるほど、『裏の顔』は見えにくく、少し「おや?」と感じるところがあっても違和感程度でやり過ごすことができてしまいます。
こういったときに「この人は他の人からどう評価されているのか」をリサーチすることが大切です。
友人、職場、先輩、後輩などから話が聞けるようであれば、自分以外の人が彼をどう評価しているのかを知っておきましょう。その時に、自分が感じているイメージとかけ離れた評価がある場合は、注意が必要です。
2.相手の意見に反対したときの態度を見る
自己愛性パーソナリティ障害の人は、人からの批判に強い反発を示すという特徴があります。そのため、付き合っているときに、相手の意見について反対をしたときの態度である程度見分けがつくと言えます。
反対意見を聞いたときに、「激怒する」「黙り込む」場合は、自己愛性パーソナリティ障害が潜んでいる可能性があります。
激怒するケースでは、自己愛性パーソナリティ障害特有の「自己愛憤怒」により瞬間的な怒りを表していると言えます。
また、黙り込むタイプの人も、「言いたいことを抑圧し、ストレスを抱えやすいタイプ」であるため、そのストレスのはけ口として親しいものにモラハラをする可能性があります。
3.一人で出かけることができるかどうかを見分ける
自己愛性パーソナリティ障害の人は、幼少期の不安定な養育により、ひとりが苦手だと言われています。
幼児期の不安定な養育は独りでいられる能力の確立を阻害し、安心して一人でいること(孤独)を楽しんだり、一人でくつろぐことを困難にする傾向がある。
そのため、常に行動を共にしたり、私用にもついてきてくれる人を好みます。
私の夫の場合は、夫の私物を買うときにも必ず同行し、買いたいものを選べない夫の代わりに私がアドバイスを出していました。
また、自己愛性パーソナリティ障害だったと言われている三島由紀夫も取り巻きがいなければ飲食店に入れないほどであったと言われています。
近年増えている「引きこもり」の若者の一部も原因は自己愛性パーソナリティ障害にあるのではないかと言われていますが、彼らもまた外に出ることが困難です。
1人での行動が苦手である、いつも誰かと一緒に行動したがる場合は、幼少期の養育の不安定さの表れである可能性があります。
※一人で出かけられないことが自己愛性パーソナリティ障害を確定するわけではありません。
4.過度にいい人ではないかを見分ける
「いい人」と言われる人たちの中には、「自己犠牲」をして周りに尽くすタイプの人がいます。このタイプの人も、モラハラ加害者に転じる可能性があると言えます。
「自己犠牲」は美しいようにも思えますが、その裏には「自分を犠牲にしてこなければ認められなかった」経験や、「我慢することが当たり前」といった幼いころからの習慣があるといえます。
そして、それはかつて『モラハラ被害者』であったことを示唆するものなのです。
自分を犠牲にして誰かに尽くす人は、一見していい人のように見えますが、実は本人が無理をしてやっているかもしれません。
そして、その無理はストレスとなり、爆発するときがやってくるのです。
まとめ
今みえている姿だけが必ずしもその人のすべてではありません。
相手に興味を持って「この人はどういった考え方をするのだろうか?」「この人はどういうことが好きなのだろうか?」と話しかけてみてください。
話しがコロコロと変わったり、ほころびが見えたりしたら、危険信号かもしれません。
海外のサイトでも、自己愛性パーソナリティ障害を見抜くためには、結婚をしてからも相手のことをよく観察する期間が必要だとしています。そのためには、必要な財産や情報はしばらくの間は相手に見せることなく守っておいたほうがいいでしょう。
また、仕事はできるだけ手放さないほうがいいですし、もし手放すとしたとしてもその人脈はしっかりと守り続けてください。いざというときにあなたを救ってくれるのは経済力と周囲の人の力です。
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