モラハラが遺伝するケースと対処法

子どものモラハラ行為の対処法

もし、モラハラ加害者から物理的に距離を取ったのにもかかわらず、子どものモラハラ行為がやまない場合、原因は環境ではなく先天性のものかもしれません。

モラハラは、

1.幼少期にモラハラ環境で育ったために、考え方や価値観に偏りが生じ、モラハラをする場合

2.発達障害が根底にある場合

があります。

そして、発達障害は先天性の脳の機能障害が原因であるとされ、機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的要因が一部関係しているとも考えられています。

目次

大人の発達障害の増加

昔と比べて、発達障害の基準が変わったと同時に、その認知が普及したことにより、発達障害と診断されるケースは以前と比べて格段に増えています。しかし、昔は発達障害の基準が現在とは違い、いわゆる「グレーゾーン」と言われる人たちは、発達障害ではないとされてきました。子どもの頃は診断が下されなかったけれど、社会に出て人間関係や社会との摩擦で苦しみ、大人になってから病院を受診したことで発達障害であると分かるケースも増加しています。

また子どもが発達障害かもしれないと病院を受診したときに、親も一緒に診断が下された、と言うケースもあるそうです。

そして、本人や周りも発達障害であることを気づいていないケースだって一定数あると考えられます。

発達障害の遺伝的要因

もし、発達障害が遺伝的なものであるとすれば、同じ遺伝子を持った一卵性の双子は必ずどちらも同じ発達障害を抱えるはずです。

しかし、双子であっても必ずしも双方が発達障害になるかと言えばそうではなく、確率的には77%ほどだと研究から分かっています。二卵性の双子では30%、兄弟であれば20%と言う結果になっています。一卵性の双子は確率的には遺伝子の違う兄弟よりも高い確率ですが100%ではないことから、遺伝的要因と(妊娠中の)環境的要因の二つが合わさって発達障害になるのではないかと現在は、考えられています。

また、遺伝子は両親からそれぞれ半分ずつ受け継ぐため、子どもは親と全く同じ遺伝子情報を持っているわけではありません。

このように、遺伝的要因が絡んではいるものの、親から必ず発達障害が遺伝するとは限りません。発達障害の親から発達障害の子どもが必ず生まれるわけではありませんし、その逆もまたしかりです。

1のケースの場合、モラハラ環境から脱出すればモラハラ行為は収束する

小さい子どもはモラハラ環境にいると、モラハラをしなくては生きていけないことを幼いながらに悟ります。そこで、非モラハラ親がいくら注意をしてもモラハラ親への恐怖が原因でモラハラ行為をやめることができません。モラハラ行為をやめさせるためには、モラハラをしなくても生きていける安心した環境を整えてあげる必要があります。モラハラ環境がなくなれば、子どものモラハラ行為は次第に収束していきます。

なぜ子どもがモラハラをしてしまうかについてはこちらの記事で書いています。

2のケースの場合、モラハラ環境がなくなっても、モラハラ行為が続く場合がある

発達障害の行動のいくつかには、モラハラ行為とよく似ているものがあります。

このように、子どものモラハラ行為の原因が発達障害であった場合、モラハラのない環境で子育てをしても、モラハラ行為は続きます。

親の行動をマネしているわけではなく、脳の働きが原因であるためです。

子どものモラハラ行為を改善させるためには?

先ほども述べたように、発達障害の原因は先天性の脳障害です。今の医療では、薬や手術によって完全に治療することはできません。

しかし、適正な伝え方や学習により、発達が促進されたり、本人の生きづらさや困難さを減らすことができます。

アスペルガーの人が抱える「人の気持ちを読み取るのが苦手」や「空気が読めない」については、繰り返し学習することで普通の人と同じよう(に見えるくらい)にふるまえるようになることが分かっています。

また、聴覚からの情報をインプットしにくいケースでは、口頭で伝えるのではなく、紙に書いて伝えるなど伝え方を工夫することで「約束を守らない(ように見える)」などの問題行動を改善することができます。

発達障害といっても皆一様に同じ症状が出るわけではありません。個々の症状に寄り添い、接し方や伝え方を本人が理解できるように考えていく必要があります。

学習を繰り返すうちに、本人自身も自分自身の取り扱いが分かってきます。事前にこのように対応して欲しいと周りに伝えることができれば、社会に出てからも周囲との摩擦を減らすことができます。

まとめ

何が原因でモラハラ行為が起きているのかを見極めることがまず必要です。

いずれモラハラ加害者本人にモラハラ行為を行った代償として何らかの不幸が降りかかってきます。そして、モラハラ行為を続けていけば、家族や友人を失い、もしかしたら仕事も失い、本人自身も楽には生きてはいけないでしょう。親としては子どもが苦しむ姿はできるだけ見たくないものです。

子どもが苦しまないためにも、適切な対応を取ってほしいと思います。

子どものモラハラ行為の対処法

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