子どもがいる場合、自分への被害だけではなく、気になるのは我が子への被害や影響のことではないでしょうか。
モラハラは、高い確率で親から子へと連鎖すると言われています。もともと、あなたを苦しめているモラハラ加害者もかつてはモラハラを受けた被害者であった可能性があります。
つまり、今現在モラハラをしている人は、生育環境にモラハラ加害者がおり、幼少期からモラハラを受けて育ったためにモラハラ加害者になってしまったのだと考えられます。
しかし、モラハラがどのくらいの確率で連鎖するのかということはハッキリと分かっておりません。
もし可能であれば、我が子への影響をできるだけ少なくしたいと思いますよね。
モラハラが子どもに与える影響が子どもをモラハラ化するのはいつまでに決まるのかをまとめました。
発達障害である可能性も…
モラハラの原因の一つに「発達障害」が隠れている可能性があります。
アスペルガー症候群という先天性の発達障害では「モラハラ」によく似た行動をすることが知られています。発達障害の場合は、その発生原因が完全にわかってはいませんが、さまざまな要因が複合的に合わさることで発生すると言われています。そして、遺伝も要因の一つと言われています。
親が発達障害だからと言って必ずしも子どもも発達障害になるとは限りません。また親が定型発達だからと言って子どもが発達障害にならないわけでもありません。遺伝子は両親から半分ずつ受け継がれ、さらにはそれが複合的に合わさることで発達障害の一因となる場合があります。100%遺伝子だけが原因ではありませんが、遺伝による因果関係が認められています。
もし、配偶者のモラハラの原因が発達障害にある場合、子どもへの遺伝が原因で子どもにも同じようなモラハラ行為が見られる場合もあります。
発達障害が原因の場合は、生育環境の影響でモラハラになったわけではありません。また、先天的なものであり現在のところ根本的に治療する方法は見つかっていません。
発達障害の子どもの場合、周囲との摩擦で生きづらさを抱えやすく、二次被害として精神疾患などを発症する確率が高くなります。
早めに本人が抱えている問題へのアプローチやフォロー、サポート環境を整えてあげることが大切です。
モラハラの原因である自己愛性パーソナリティ障害とは?
しかし、モラハラ加害者がすべて発達障害ではありません。多くの場合は、「自己愛性パーソナリティ障害」という人格障害がモラハラの原因となっていると言われています。
自己愛性パーソナリティ障害とは、親からの歪んだ愛情、生育環境やストレス、トラウマなどが元で後天的に発症するものです。
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「自己愛性パーソナリティ障害」を抱える人の特徴は?
自己愛性パーソナリティ障害は次のような特徴があります。
- 他人からの過度な賞賛を常に期待する
- 尊大で傲慢なふるまい
- 特権階級であるという思い込み
- 実際の自分からかけ離れた理想的な自己像を掲げ、それが真実だと思い込む
- 自分が特別な存在である、また地位の高い人や有名人とのつながりがあると吹聴する
- 人を利用することに罪悪感がない
- 共感力の欠如
- 他人への異常なほどの嫉妬心や執着
配偶者にこのような特徴があり、さらに子どもにも同じような特徴が表れ始めた場合、モラハラ環境によって人格に影響が出てきていることが考えられます。
自己愛性パーソナリティ障害はいつ決まる?
自己愛性パーソナリティ障害は、成人期以前に原因があり、診断が下るのは成人期以降です。中高年になってからいきなり発症するということはありません。
また、成人期以前には、環境の変化や情緒面の発達などにより未熟な自己や人格が発達していく可能性があるため、診断は下りません。
つまり人格が未形成である幼少期から成人期以前まではモラハラによる影響が大きく、さらには成人期以前であれば、治る可能性が高いことを示唆しています。
言い換えれば、モラハラ加害者になるかならないかは、成人期以前に決まってしまうということです。成人期以前の環境をモラハラ環境にしないことがもっとも重要になります。
自己愛性パーソナリティ障害によるモラハラは、成人期までの家庭環境が重要!
パートナーへの影響と子どもへの影響は全く別物
パートナーも子どももモラハラを受けている同じ被害者だとしても、その被害は全く質の違うものになるかもしれません。
成熟し、すでに人格が形成されている大人にも大きなダメージを与えますが、子どもにとってはさらに未成熟な人格そのものに大きなダメージを与えることになります。
大人はモラハラ被害から抜けてある程度経てば、穏やかな気持ちで暮らせる日が再びきます。しかし、子どもの人格にまで影響があった場合、たとえモラハラ親から離れても生涯にわたり生きづらさやモラハラによる悪影響を受け続ける可能性があります。
20年程のできごとで、のちの人生すべてがめちゃくちゃになる可能性もあるのです。
まとめ
我が子をモラハラにしないためには、成人期までの環境が大切になってきます。
家の中でモラハラ加害者の言葉が誰の言葉よりも影響が大きい場合は、子どもにもその影響が濃くあらわれると考えられます。
もし、子どもの将来のことを考えると、「今」対策をしておかなくてはいけない問題であるかもしれません。
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